キャッシュフローが豊かだと油断をしがち
キャッシュフローが豊かだと、支出も大きくなりがちです。相続など単発のキャッシュフローだと金銭感覚がおかしくなることは少ないです。しかし、給与所得だと安定感があるため、財布のひもも緩みがちです。
年収1000万オーバーの方の資産額を見ることがしばしばありますが、5000万以上、あるいは1億円以上という資産額をお持ちの方は実はわずかです。やはり、身の丈相応に支出がかさむのです。
これが、ブロガーやTwitterの人になると真偽はともかくとして、年収のわりに多い人が散見されます。これは、投資や節約が習慣づけられているからでしょう。
一般的には、年収とくに可処分所得に応じた支出になっている例が多く、やはり使ってしまうのですね。
しかし、注意しておかなくてはいけないことがあります。それは、「現在の収入は、今の生活費と将来の生活費になる」ということです。つまり、豊かなキャッシュフローと言えども、その一部は将来のために備えておくのが望ましいということです。
さて、こうしたことを踏まえてご質問をご紹介します。
キャッシュフローは豊かだが、今後の資産運用をどうするか
手元の2000万の使い方についてのご質問
たぱぞう様
いつも初心者にもわかりやすく、読みやすいブログをありがとうございます。
厳しい株の世界で言葉遣いもギスギスする方も散見するなか、的確ながら相手を尊重する姿勢がいつも感じられるたぱぞう様の文章に薫陶を受けています。
ご質問ですが、私の個人の資産2000万の扱いについてご教授頂けると幸いです。
お忙しい中恐縮ですが、お返事をくださると大変嬉しいです。
- 夫(38)国家公務員 年収1200万
- 私(33)育休中 年収500万
- 子ども(4)・(1) 学資保険500万全納済み
各々ジュニアNISA200万貯蓄中
夫の奨学金、1000万借りていたのが残金500まで減らしました。
主人は転勤族なので私がフルで復帰できる、働ける可能性はひくいですがパートや派遣をしながらでも働ける時に働きたいと考えてます。
が、夫婦の希望でもう1人は子どもを産むかもしれず、私の働き方は不透明ですがいつかは戻るつもりです。
妻個人の資産が2000万ありますが、現在ブログを拝見し愚考しましてイデコと積み立てNISA、子どもたちのジュニアNISA枠をフルに使いイーマクシスslim sp500を買う方法を選択してきました。
しかしながら20~30年の時間がかかるのとその間の複利を考えると、課税されても早めに5年ほど分散投資して投信にしておいた方がよいのかわからなくなりました。
主人は浪費家で結婚した時の預金が一桁万円、負債は上記だったような人です(笑)
ですので夫の名義の積み立てNISAは選びませんでした。結婚5年の間に協力して先程の状況まで持っていきました。
夫ぶんはイデコと職場の財形はギリギリまでやっています。様々なリスクがあるなか、家族みなで仲良く健康に暮らす為の一助を増やしたく思い筆を執りました。
お忙しい中すみません。よろしくお願いいたします。
資産運用を始めるにはギリギリのタイミングだった
ご主人の年収が高いですね。世帯年収もかなりのものです。一方で奨学金残金もなかなかですから、計画的な返済、資産運用が必要ですね。
結婚した時の預金が数万円というのはなかなか、おやんちゃですね。おそらく、接待を含めたお付き合いが多くある方なのでしょうね。
理想的な資産運用を始めるにはギリギリのタイミングだったと言って良いでしょう。子どもが中学に上がると、塾代や部活動費などで出費がかさみます。高校、大学はもっとです。それを考えると、ご主人の年齢が50代~60代のころはそれなりの出費を覚悟しておいたほうが良いでしょう。
お子さんのいる家庭は、お子さんが中学に上がるまでにどれだけの資産が築けたかというのが1つのポイントとなります。逆に言うと、今の生活で貯蓄できないならば、将来的にも厳しい可能性が大きいです。
節約と投資のノウハウを身に付けるという意味においてもギリギリのタイミングでの気づきだったかもしれないですね。
さて、2000万円の投資ですが、現状でジュニアNISAをされているならば、それを継続してよいでしょう。焦って途中で止める必要はありません。そのうえで、余裕があれば、さらに取り崩して投信を買っていくというのはアリですね。
しかし、現状は世帯としての生活防衛資金がないので、そこを意識して取り崩したほうがいいですね。
また、大きなお世話ですが、日々のキャッシュフロー→貯蓄→投資という流れを作るのが最重要に思います。ここは話し合いが必要になりますが、生活費を厚めに入れてもらって、奥様が運用していくなどの仕組みづくりが必要でしょう。
2000万円の運用もですが、豊かなキャッシュフローを生かした資産形成も大事であることを僭越ながら申し添えておきます。
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