たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

米国株自社株買いに熱心な一般消費財セクター銘柄5銘柄

米国株、自社株買いに熱心な話題の一般消費財セクター5銘柄を見てみる

 小売り銘柄というと、Amazonに押されがちというイメージがあります。しかし、米国株でもAmazonに押しも押されぬいくつか面白い銘柄が存在します。

 

 今回は、小売り銘柄5銘柄に関してご質問を頂きましたので、早速ご紹介したいと思います。

一般消費財セクターで自社株買いに熱心な話題の企業【BBY】【HD】【LOW】【ROST】【TSCO】

 今日もお勤めお疲れさまでした。


 先日に個別株を買い損ねた影響もあり、新規銘柄を購入したい欲に駆られています。先日の第5回語る会でもたぱぞうさんが「ひとは待てない」とおっしゃっていましたが、まさにそのとおりで、本日仕事も早々に切り上げ優良銘柄と出会うためにウェブ上を東奔西走している自分がおります。

 

 前置きが長くなり恐縮ですが、以下の5銘柄を検討しております。銘柄選定テーマは「一般消費財・サービスセクター」および「自社株買いに積極的」です。そのため低配当利回り、高ROEが特徴となっています。

  • 【BBY】Best Buy Co Inc
  • 【HD】 The Home Depot Inc
  • 【LOW】 Lowe's Companies Inc
  • 【ROST】 Ross Stores Inc
  • 【TSCO 】Tractor Supply Co 

 当該企業の知見を有している方がいらっしゃればぜひアドバイスをいただきたいですし、株価や業績をご覧になった感想、印象でも結構ですのでいただけるとありがたいです。


 もちろん当該セクターへの投資や自社株買い銘柄への投資についてもご意見いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

【BBY】Best Buy Co Incの簡易分析

 さて、ご質問ありがとうございます。早速順番に見ていきましょう。

 

 まず、【BBY】Best Buyは米国で最も有名な家電量販店の1つです。価格競争力・交渉力はそれなりにあるものの、この5銘柄の中では最も難しい立場にありますね。日本の家電量販店を思い浮かべてみると、その競争の激烈さが分かると思います。

 

 売り上げが伸びず、利益率も低めです。今後、劇的な改善は望みにくく、逆張り的な発想で買うということになります。

【BBY】の売り上げと利益

【BBY】の売り上げと利益

 ただし、言われるように10年で65%程度まで自社株を減らしているのは評価されてよいでしょう。そのため、株価は業績に反してまずまずの推移です。安心して買い持ちするには、売り上げの回復と利益率の向上が望まれます。

【HD】The Home Depot Incの簡易分析

 いわずと知れたホームデポ【HD】ですね。ここは、実際に店頭で手に取ってみないと分かりにくい領域であるDIYなどに強みを持っています。弊ブログでも個別に取り扱った唯一の銘柄になります。

【HD】の売り上げと利益

【HD】の売り上げと利益

 美しい右肩上がりの売り上げ、営業利益が目を引きます。また、昨今頭打ちとはいえ小売りにしては非常に高水準の15%前後の営業利益率も魅力です。【LOW】とライバル関係にありますが、業績面でホームデポ【HD】に軍配が上がります。

 

 ただし、その分株価にも反映されています。そのため、盤石のビジネスモデル、ブランドとして買うという視点になってきます。端的に言うと、安くはありません。

 

 自社株買いでこの10年で7割にまで株数を圧縮しています。その分、長期負債が増大傾向にありますが、ムーディーズ【MCO】などと同じくある程度計算の上でしょう。プロ経営者の手法ですね。

【ROST】Ross Stores Incの簡易分析

【ROST】の簡易分析

【ROST】の簡易分析

 【ROST】Ross Storesはパッと見には普通のアパレル販売なのですが、非常にウケています。オンライン販売は手掛けていません。しかしながら、GAPやラルフの業績に波があるのに対し、【ROST】Ross Storesのこの10年は業界にしてはすさまじい右肩上がりになっています。

 

 デパートの在庫を再販しているアウトレット的なお店という業態がウケているということです。ホームデポ【HD】並みの営業利益率は業態を考えると驚異と言ってよいでしょう。

 

 しかし、やはり業態の特殊性は薄いので、決算がこけるなど潮目が変わったらすぐ逃げたくなる銘柄ですね。永続性に期待して買うというよりは、時機に乗って買う、そういう銘柄になります。ここもやはり自社株は75%程度減っています。

 

 好業績も相まって、5年で株価は2.5倍ですから妥当な評価ですね。業績は非常に評価されており、WACCも安定しています。

【TSCO】Tractor Supply Co の簡易分析

 ここは面白いことに、アニュアルレポートがリンク切れでした(笑) 

 

 トラクターサプライという名の通り、農機具などの販売に強みを持ちます。部分的にはホームデポと扱う商品が重なります。農機具販売ということで、郊外の都市や幹線道路沿いでの出店が目立ちます。やはりAmazonでは代替不可能な物品を扱うという点において面白みがありますね。

【TSCO】の売り上げと利益

【TSCO】の売り上げと利益

 5社の中で最も優れた売り上げ成長率を誇ります。半面、営業利益率は頭打ちの傾向にありますが、EPSは10年で2.5倍になっています。株価は出入りが激しく、2010年代に入って100ドルから50ドルのレンジで推移しています。やや買いにくいのはこのボラタイルな側面でしょう。

 

 なお、ロンドン市場に上場する小売りのテスコとはティッカーが同じですが別会社です。

米国株話題の一般消費財セクター銘柄のまとめ

 今回は、店舗型の一般消費財セクター銘柄ということでした。Amazon全盛にあって、やはりニッチなところに強い企業というのは存在するものですね。ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  こちらはホームデポ【HD】の記事です。

www.americakabu.com

  少し話題になったムーディーズの記事です。高ROEでも有名ですね。

www.americakabu.com

  優良企業とはどういう観点で言えるのか。それを知るうえで読んでおくと良い本ですね。

www.americakabu.com