たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

ワンルームマンション投資は儲からないのに、弟が始めました

ワンルームマンション投資は儲からないが・・・

 ワンルームマンション投資が地味に流行しています。私の知っている中でも、数名取り組んでいます。だいたい、電話がかかってきて、話を聞いて、購入に至るというケースが多いですね。

 

 買った事後に「おや?」ということになり、相談を受けます。それから売却の検討をするわけです。しかし、大体において残債が売却額を下回ります。そのため、残債に手金を入れて一掃するか、それとも残債が減るのを待って売却するかという2択になります。

 

 特に新築案件の相談が多いのですが、こういうロジックで購入することが多いですね。

  • キャッシュフローがマイナスになるので、所得が減らせて節税になる。
  • ローンの終わる35年後にはそのまま資産になる
  • 日本円以外に資産をもつことができる。

 話を聞くと、このような業者の主張を受け入れて購入に至っています。確かに、都心部の物件は殆どにおいてキャッシュフローが出にくいため、家賃収入で資産を手に入れるという発想はあるにはあります。

 

 しかし、資産価値の下落が読みにくい、さらに修繕積立金の増加が予想される新築ワンルームマンションではあまり当てはまらないですね。

 

 また、キャッシュフローがマイナスという物件は持っていてあまり面白くないですね。最低限、購入にあたっては以下のようなカンタンなことだけでもチェックしたいところです。

  • 同じマンションの1室の価格、㎡単価
  • 同じマンションの賃貸価格、状況
  • 新築なら近隣マンションの価格、状況

 これだけでも値段の妥当性がある程度見えてきます。築古で1割から2割程度、新築だとそれ以上の利が乗って販売されていますね。4000万の収益ファミリー物件でも2割乗れば5000万近くになって販売ということになります。さらに諸経費が乗ります。

 

 大体諸経費は最低でも仲介手数料含めて7%程度乗ってきます。なかなか重いですね。数年の返済ではカバーできないので、残債+持ち出しとなって売却になります。

 

 さて、今日はワンルームマンション投資に関してご質問を頂いていますのでご紹介します。

弟が儲からないワンルームマンション投資を始めた

 

たぱぞう 様


 気づけば長い間毎朝のたぱぞう 様のブログ更新を日々チェックするのがいつのまにか習慣になりました。お陰様でVTIを始め個別株にも投資を始めキャピタル、インカム両方得られる状態になり、精神的余裕が以前より大きく、幸せです。本当にありがとうございます。

 

 今回質問させて頂きたいのは不動産投資の件です。私の弟がワンルームマンション投資を行い相談を受けました。価格は1700万。名古屋の1ルームです。残金に2パーセントの利子がつき45年返済、家賃保証ははじめの数年のみです。

 

 45年後(本人75歳)以降に家賃収入が入ってくるそうです。老後の年金になるとの謳い文句で契約したそうですが、、私は不動産の知識は皆無ですが、明らかにおかしいものだと思います。

 

 弟には即解約するように説明しましたが、断固応じません。数字的にどのように説得すればよろしいでしょうか?


 最近老後2000万円問題を謳った勧誘が増えているみたいです(特に地方で)。ご意見お伺いできれば幸いです。長文失礼しました。

マンション投資と言いつつ、住宅ローンでの融資の可能性大

 45年という年数からすると、某銀の収益物件45年ローンかも知れませんね。最近ジャックスなどの信販系も始めています。しかし、このローンは部屋の広さに制限があるので、それにしては高いという印象です。

 

 また、耐用年数ギリギリで引いているので、新築ですかね。この段階でキャッシュフローが出ないようだと、やはり高い水準と思われます。

 

 利回りは相当低いのではないでしょうか。そうならないために、最初の数年でサブリースを入れて、見かけの利回りを改善しているということかもしれませんね。サブリースをするならば、せめて相見積もりを取って、その家賃設定が妥当かどうか見たかったですね。

 

 まさに一丁上がりな、はめ込み物件の可能性があります。広さやロケーションが分からないので断定は避けますが、なかなかおやんちゃな投資になっていると推察されます。

 

 契約前ならばおっしゃる通り、念のため調べた上で即解約ですね。契約後ならば、なかなかしんどいですが、残債を減らしつつ売却のタイミングをはかるということになります。せめて立地が良ければ、家賃収入で残債は減らせます。

 

 しかし、ここで問題になるのが45年という長期での借り入れですね。これが元利均等だと、ほとんど元金が減らないという展開になります。つまり、驚くほど残債が減りません。

 

 今はマンション相場も高いので、逃げるチャンスと言えばそうですね。問題は、いきなり損失確定になる心理的なハードルを越えられるかというところです。金額からすると痛いですが、一生を左右するようなものではないのが救いでしょうか。

 

 説得するのは難しいようですから、弟さん自身が情報を集め、気づきを促すほかないですね。

節税という名目で大人気のワンルームマンション投資

節税という名目で大人気のワンルームマンション投資

 数年前に話題になったカボチャやTATERU、レオパレスとは規模が違いますね。そこが救いです。

 

 最近は気軽にワンルームマンション投資をする人が増えており、相談が絶えません。気づきを促すご質問ありがとうございました。

 

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  結論から言うと、一部の築古ボロ物件やいい時期に買ったものを除くとなかなか難しいということです。借入金利がうんと低ければ、というのはありますが。。。

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 ワンルームは融資はつきやすいです。そのため、買う人が後を絶ちません。

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 大きな投資判断の前に、いろいろな人に相談できる環境が大事です。

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