たぱぞうの米国株投資

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バンガードブロガーイベント2018

バンガードブロガーイベント2018に参加してきました

 バンガード日本のオフィスににて行われた、バンガードブロガーイベント2018に参加してきました。インデックス投資家である水瀬ケンイチさんからのお誘いで、昨年に引き続いての参加になります。

 

 今回は、下記の方がお話をしてくださいました。

  • バンガード香港よりアジア事業のインベストメント・ストラテジー・グループを率いるネーサン・ザーム氏(シニア・インベストメント・ストラテジスト)
  • バンガード・インベストメンツ・ジャパン投資戦略部長 塚本俊太郎氏

 バンガードは言わずと知れた世界最大級の低コストファンド・ETFの運用会社です。弊ブログでも度々取り上げているVTIやVTといった商品で有名ですね。近年ではセゾン投信さんを始め、楽天投信投資顧問さんなどと連携して投資信託でも購入することができます。

 

 雑感をつらつらと交えながら、ご報告しますね。

世界と日本の今後の成長見通し

 リーマンショック後は破竹の勢いでリターンに恵まれた世界株式です。しかし、今後はリターンが落ちるだろうという見通しでした。これは多くのストラテジストがそのような見解を持っていますね。

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 2018年後半の見通しで米国で2.5%~3%、日本は1%以内ということですね。他社の見通しでも米国は2%前半から3.5%のレンジに収まっています。少なくとも年内、あるいは年始までは良いという見通しが主流ですね。

 

 ただ、もっと長期になると見通しとしてはやや弱気ということでした。

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 こちらは日本株式と日本債券のパフォーマンスです。過去5年では10%のリターンがあったということですが、これがおよそ5%まで落ちると予想されています。また、低金利に据え置かれている債券は0.2%というリターンになっています。つまり、低金利政策は今後も継続するというのがバンガードの見解ですね。

 

 ポリティカルな部分が大きいですが、人口減少に伴う経済の不活性を考えると、継続をせざるを得ないということですね。

 

 日本においても株式と債券はリスク分散という意味ではよい相互補完の関係にありました。しかし、あまりに日本債券の利回りが低いため、ディフェンシブさは損なわれていないもののリターンという意味で資産運用を難しくしていますね。

 

 反面、融資を受けて投資をする、レバレッジをかけた運用にとっては良い時代だったわけです。不動産投資、特にアパートやマンション投資がこれほど盛んになったのはそういうことですね。

 

 米国債は3%利回りですから、株式と債券のバランスによるリスクリターンの有用性は生きています。しかし、日本にいるならばこの特殊な状況をどうするかを考えて行動したいところです。海外投資が必須になりつつあるのはそういうことでしょう。

不況時におけるアセットクラスのパフォーマンス

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 債券は弱気相場でバランサーの役割を果たしますよ、というデータです。最も下げているのが新興国株式、次に米国株式ですね。株式は当然ながらどこも弱気になります。それに対して、弱気相場でも短期債を始めとする債券はきちんとリターンを出したということです。

 

 バンガードとしては、ポートフォリオに債券を含むということに関して、当然ながら前向きでしたね。昨今不人気の債券ですが、どこかで脚光を浴びる時がまた来るのでしょう。

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 世界株式、国債を組み込んだ時のリターンです。株式60:債券40という条件設定です。1970年代で10%近くあったのに対し、これからは4%台にまで落ちるだろうという見込みですね。

 

 1970年代は世界的に金利もそれなりに高かったですが、良い時代ですね。今後のパフォーマンスは厳しい見通しということです。インフレ率2%程度が経済成長にとっては良いとされており、世界平均ではデータにもよりますがおおよそ4%~5%というところです。米国は2%、日本も2%をインフレターゲットにしていますが、実現しません。

 

 いずれにせよ、かなり厳しい見通しであると言えるのではないでしょうか。

 

 もっとも、この主張は5年前ぐらいからそうだった、という話もあります。いずれにせよ、心構えとして知っていおきたいデータではあります。資産を守るならば極端な投資をしないというところでしょうか。

将来の見通しは難しいけれども

 この10年が良すぎましたから、株式最高、アメリカ最高となりがちです。しかし、どのような弱気相場になっても退場しないポートフォリオづくりというのがそろそろ意識されてよいでしょうね。

 

 逆に税メリット等で決算が良いのは分かり切っていますから、「残り半年、好決算銘柄で勝負」というのも戦略になるでしょう。おすすめはできませんけどね(笑)

 

 老後、あるいは20年、30年を見通した長期的な視点に立てば、株式のリターンの大きさ、債券のディフェンシブさというのは必然です。長期にわたって成長の見込めるETF、あるいは株式に投資をするというのが鉄則ですね。

 

 そう考えると、やはりS&P500やVTIといった銘柄の安心感が際立つように思います。

 

追記:懇親会ではネイサン・ザーム氏に香港投資事情に関して根ほり葉ほり、エグめの話も含めて質問をたくさんしました。

 

 失笑、爆笑交えて面白い話がたくさんできました。気さくで大変良い方で、お人柄が素晴らしかったですね。

 

 税メリット、保険商品、プライベートバンク、こういったところですね。これはまたのいつかの機会に。

 

 場をセットしてくださった、水瀬ケンイチさんとバンガードの方々には感謝しきりです。ありがとうございました。

 

関連記事です。

  バンガードさんによる会合1回目はこちらです。このときのVT&BNDXのお話が楽天バランスファンドに繋がっていたのですね。

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  楽天投信投資顧問さんへの取材の話です。やはり、投資観が近いということでこういう商品がリリースされるんだなぁというのは今回のイベントでも実感しました。

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  レバレッジをかけてCFDで勝負、という人もいるでしょう。昨年よりは難しくなっている印象ですが、弱くはない相場ですので展開的には得意にする人もいる相場でしょうね。

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