たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

ソーシャルレンディングはリセッションのリスク分散になるのか

曲がり角を迎えたソーシャルレンディング

 ソーシャルレンディングのmaneoが続々とデフォルトを起こしました。maneoは一時期投資家の人気を博し、株式とは違ったインカムに着目した投資として注目されました。

 

 あのままきちんと運営できていれば、ソーシャルレンディングも根付き、インカム投資のプラットフォームサービスになる可能性がありましたね。しかし、様々な商品を取りそろえる規模の拡大をした結果、内容の審査が追いつきませんでした。

 

 たられば、は何事もつきものです。しかし、ほんのちょっとしたボタンの掛け違いがおおきなチャンスを逃すことは珍しくないですね。

 

 さて、今日はソーシャルレンディングに関してのご質問をご紹介します。

ソーシャルレンディングはリスク分散になりうるか

 たぱぞうさん、はじめまして。いつもブログ参考にさせていただいております。お忙しい中大変恐縮ですが、税金関連でご質問があります。

 

 ここ1~2年で急速にお金に対する意識が向上しいろいろ試行錯誤しています。

 私の現状なのですが、現在29歳独身で国内株式でなんとなくやっていた資産を時間分散しながらドル転しつつ、プラスで昨年度から毎月33000円 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(積立NISA)、50000円 をSPYDとVYMを積立投資しております。

 

 効率の面でいうとSPYDとVYMよりもVTIやVOOなどのほうが実績が良いのは認識しているのですが、配当金というものに対する興味からひとまず試している状況です(VやMSFTなどの個別株も少々保持しています)。

 

 その他に株式とは違うアセットクラスとしてエネルギーや不動産関連のソーシャルレンディングにも興味を持ち調べています(貸し倒れリスクとサービス会社事態に対してリスクがあることも承知していますが)。

 

 さて、本題は頭記の税金関連なのですが外国株式の配当金を取得しているため、外国税額控除申請が必要なのは認識しているのですが、ソーシャルレンディングは特定口座がなく総合課税となるため確定申告が必須と認識しております。

 

 また昨年度まではふるさと納税の手続きをワンストップ納税にしておりましたが、これも確定申告が必要と解釈しております。

以上まとめると、

  1. 給与
  2. 外国株式配当金
  3. 雑所得(ソーシャルレンディング
  4. ふるさと納税

 の4項目を注意して確定申告を実施すればよい認識していますが間違いありませんでしょうか。

 

 また、今後起こりうるリセッションに対するリスク分散として株式以外のアセットを考えたうえでのソーシャルレンディングに優位性あるいはデメリットがあるなど知見がございましたらご教授いただけると幸いです。

 

 長々とまとまりのない文章となってしまいましたが、ご意見いただければ幸いです。

ソーシャルレンディングのそもそもの性格について

 まず、税金関係はそうですね。おっしゃる通り、勤労所得以外の項目を意識して作成するということになります。間違いありません。確定申告時期になると、税務署が専用質問ブースを設けてくれますので、併せて活用すると良いでしょう。

 

 ソーシャルレンディングに関してですが、リスク分散としては一定の価値はあるのは否定しないところです。ただし、債券やゴールドなどとは明らかに期待するものが違います。

 

 債券やゴールドはリターンが限られる一方で、値動きが無い、あるいはETFなどでも値動きが乏しいという特徴があります。また、株式との逆相関もある程度期待できるところです。

 

 特にゴールドは久しぶりに大きく反発、性質の異なるアセットとしての意味を再確認する結果になっています。つまり、株式に比べて金や債券はリターンで劣るものの、価値が下がりにくい、つまりリスクが小さいのです。

久々に反発を示す、金ETF

久々に反発を示す、金ETF

 ソーシャルレンディングはどうかということですね。このような分散効果が期待できるのかということです。もちろん、平時においてはまともな販社のまともな商品であれば、リスク分散になります。リターンが読めるからですね。

 

 しかし、世界的な不況時には、一般的な金融機関が融資しないという信用のところがネガティブに作用するはずです。つまり、案件が「飛ぶ」という可能性が出てくるということです。

 

 飛ぶ、つまりデフォルトの確率を下げるには、現状は販社の信用が大きいです。結局、ソーシャルレンディングの多くは基本的には金融機関が貸さない案件を商品化しているものです。

 

 そのため、利回りも高いです。一時期は10%を超えるようなおやんちゃな案件もありましたが、やはり飛んだ例が多くありました。結果としては高利回りで集金し、計画的に飛ぶという流れだったわけです。

 

 現存しているものは、比較的固い案件が多いように思いますが、基本的には金や債券のような役割を期待するのは難しいでしょう。景気に逆相関というよりは、景気に強い相関性を持つ性質を帯びています。

 

 このあたりを踏まえて、比較的固い案件に投資をするということでしたら妥当性はあると思いますよ。

 

関連記事です。

 最近落ち着いた感がありますが、ファンズは投資先が比較的分かりやすいですね。実績ができてくれば、インカム投資の新たなチャネルに育つ可能性はあります。

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  maneoに関してはこちらでも記事にしています。

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