iFree S&P500インデックスとは
iFree S&P500インデックスとは、大和投資信託系の投資信託です。その名の通り、米国市場におけるもっとも有名な指数の1つであるS&P500への円ベースでの連動を目指した商品です。
信託報酬は税抜きで0.225%と投信でS&P500に連動する商品としては最安の水準になっています。従来、S&P500連動の投資信託はi-mizuho米国株式インデックスしかなく、その信託報酬は、0.6156%でした。
このiFree S&P500インデックスは一気にS&P500投信の信託報酬を1/3のレベルまで圧縮するものです。
S&P500に連動する金融商品の買い方
今までS&P500連動の商品を買うならば選択肢は以下のようになっていました。
- 東証上場ETFである1557(0.09%)か1547(0.16%)を円で買う
- 米国上場ETFであるSPY・IVV(0.04%)・VOO(0.04%)をドルで買う
- 投資信託であるi-mizuho米国株式インデックス(0.6156%)を円で買う
これが日本で買うには主な買い方でした。IVVとVOOは信託報酬が0.04%と激安で、ドル転の手間を入れても割安でした。3のi-mizuho米国株式インデックスは並べてみるとやはり信託報酬が図抜けて割高だったわけです。
今回のiFree S&P500インデックスはETFとの信託報酬の差をかなり縮めるものです。また、分配金が出ませんので、日本国内での税金の支払いを先延ばしします。つまり、ささやかながらさらなる複利効果が望めるものです。
iFree S&P500インデックスもファミリーファンド方式
iFree S&P500インデックスはファミリーファンド方式をとっています。
投資信託で運用を行う場合、ベビーファンドを作り、マザーファンドで買い付けるというのが売買コスト上は最も安価になります。ちなみに上場投資信託であるETFならば直接私たち消費者がマザーファンドに相当する部分を買い付けてしまうので、もっと割安です。
投資信託は1つひとつの運用資産規模がそこまで大きくありません。ですから、マザーファンドという形で投資家から預かった資金を集約し、まとめて買うことでコストの低下を狙っています。中間コストが乗っても安い信託報酬で運用できるという仕組みです。
iFree S&P500インデックスは良い商品です
このiFree S&P500インデックスのライバルは、今までのリターンから見ると楽天・バンガード・ファンド・全米株式になるでしょう。この2つの投信のコストの安さ、商品の競争力は投信界に一石も二石も投じることになりそうです。
とはいえ、当然本場のS&P500連動の米国ETFよりは信託報酬は高めです。ただし、日本で米国ETFを直接買うと外国源泉徴収課税の問題があるので、実質的なコストはかさみます。外国源泉徴収課税は取り戻せますが、全額というわけではありません。
もし仮に、米国ETFならびに米国株における二重課税、外国源泉徴収課税の問題が無くなると、商品の魅力は 圧倒的に低コストの米国ETFのほうが増すことになります。しかし、現状はそうなっていません。
現状は同じ商品を買っているのに、現状では日本人であるというだけで二重課税分高コストの商品になってしまっているのです。
ですから、信託報酬は米国ETFと比べると割高ですが、税制面やドル転の手間を考えると、さほど気にするレベルではないということになります。
なお、このETFと投信の税金に関連して、Twitterでちょっと盛り上がりましたので付記しておきます。
ETF=外国税額控除で取り戻すことができるが、分配金が出るたびに課税される。
投信=無分配ならば税の繰り延べになるが、外税部分は取り戻せない。
税金取り戻しと、分配しないことによる繰り延べと2つの別の事象を一緒に語ろうとして混乱ってところですかね。
— つらお (ズボラ投資) (@tsurao) 2017年10月5日
制度としての理解なら「ETFは外国配当課税を取り戻せる」でいいかなと。
そして、商品の特性として投信は分配金を出さないこともあるがETFはほぼ出す→課税繰り延べが違ってくる。
こういう各商品の特性があります。 テリーさん、つらおさん、myuさん、ありがとうございました。
S&P500指数の騰落率
2015年から見ると、この程度の騰落率なのですね。これは円ベースで、為替の影響を受けているからでしょう。2014年、2015年あたりはドル円が125円を窺う勢いでした。
そのためかなり減価をしてしまっていますね。円貨で買うというのはこういうリスクもありますが、長期ならば気にしなくて良いと私は思います。
なお、S&P500のドルベースの騰落率に関しては、関連記事に載せています。
関連記事です
S&P500の強みはこの長期でのパフォーマンスでしょう。90年間にわたって、4年連続してマイナスを記録したことは一度もないという圧倒的安定感があります。3年連続マイナスは第二次大戦後は1度しかありません。
直近10年のパフォーマンスです。こちらも非常に優れています。特に、リーマンショック以後は毎年プラス圏にあり、S&P500へのインデックス投資をしているだけで資産をかなり伸ばせたことが分かります。成長国へのインデックス投資の強みと言ってよいでしょう。
米国での有名な指数としては、NYダウ・S&P500・Nasdaq総合指数があります。この中では実はNasdaqが一番優れていますが、S&P500も安定的なパフォーマンスを見せています。