たぱぞうの米国株投資

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VTI・VYM・HDV、長期投資に適したETFはどれか

 VTI・VYM・HDVという大人気米国株ETF

 VTIはバンガードの主力ETFです。ブラックロック、スパイダーの2社はそれぞれIVV、SPYというS&P500連動ETFが最も運用額が大きいです。唯一バンガードはS&P500連動ETFであるVOOよりもこのVTIが運用額トップです。

 

 米国市場に上場する4000銘柄超の銘柄群からなるETFです。米国の成長を殆ど取り込むことができるETFと言っても良いでしょう。このVTIは「たぱぞうの米国株投資」を立ち上げたころからの推奨銘柄です。

 

 VYMは同じくバンガードの高配当に特化したETFです。とはいえ、組み入れ銘柄数は400銘柄を超えていますから、分散はかなり効いています。このVYMも「たぱぞうの米国株投資」を立ち上げたころからの推奨銘柄です。

 

 HDVはブラックロックの高配当に特化したETFです。VYMとの最も際立つ違いは、石油銘柄の割合が比較的大きいことがあげられます。ベンチマークはVYMと違うものの、高配当にフォーカスしたETFということで、非常に似通った値動きになっています。

 

 さて、これらを踏まえてご質問を紹介します。

VTI・VYM・HDV、長期投資に適したETFはどれか

たぱそう様


 はじめまして。OSGと申します。いつもブログ拝見し、勉強させていただいております。お忙しい中大変恐縮ですが、たぱぞうさんによろしければご見解を頂ければと思いご連絡させて頂きました。

 

 結論からずばり申し上げると、積立NISAに投資するなら、VTIとVYM、HDVのどれがより良いリターンを得ると思われますか?僭越ながら、わたくし投資歴は10年ほどになります。とはいえ、日本株をちまちまと続けていた程度で損益はややマイナス。

 

 個人型確定拠出年金の対象拡大をきっかけに、最近少しずつ勉強を始めた若輩者です。山崎元さんやカン・チュンドさんの本から始まり、マルキール氏のランダムウォーカーを読み、今はシーゲル教授の赤本やたぱぞうさんらご先達のブログを読んで勉強させていただいております。

 

 現在、財形で貯めたお金が少々ありますので、NISAを使って長期投資を計画しております。まだ未確定ですが、積立NISAで米国ETFが使えそうなら、夫婦あわせて(年80万円+配当再投資)×20年以上の積み立てをしてみたいです。


 個別株も考えましたが、やはり初心者の自分にはまだ早いと思い、ひとます現行NISAで年120万円の米国ETF購入を検討しております。前置きが長くなりましたが、そこで悩んでいるのが上記の質問です。

 

 第一候補はHDVが良いかなあと思っています。HDVは高配当戦略に適しているうえ、ヘルスケアや必需品等のディフェンシブセクターも網羅しており、また高騰率も少し抑え目なので成長の罠対策にもなり、順調に株数を増やせるかなと考えたからです。

 

 しかし外国税10%がかかる配当部分が多いことを考えると、NISA枠を生かしてキャピタルゲインを狙い、かつ分散の効いたVTIの方が無難で良いのかなとも思います。

 

 しかしどちらも絞り切れず、今はその中間的ポジションのVYMの方が良いのかなとも考え迷っております。ただ高騰してしまうと配当再投資の効果が薄れ、中途半端な結果になりそうな予感もします。


 いかがでしょう?たぱぞう様ならこの中で順位をつけるならどれが良いと思われますか?どのETFを選んでも国内定期預金よりは良いリターンになると思いますし、迷うなら分けて購入すれば良い話なのですが、それでも少しでも良い結果がほしいと欲が出てしまう次第です。

 

 もちろん投資は自己責任ですので、仮にご意見を採用した結果が悪くなっても、たぱぞう様にクレームを言うつもりは毛頭ございません。あくまでご参考として、ご意見を頂戴できませんでしょうか?


 お忙しいとは存じますが、少しお手すきのときで結構ですので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 

 ということです。ご質問いつもありがとうございます。ただ、積立NISAは大変残念なことに今のところ対象外になるようです。金融庁によると、積立NISAは投資対象を絞るということで、数十本程度の投信になりそうです。

 

 今度、金融庁でブロガー向けの積立NISAに関する質疑イベントがありますので、確認してきたいと思っています。そのためここでは、積立NISAには触れずに、VTI・VYM・HDVと長期投資に絞ってお話をします。

VTI・VYM・HDVの甲乙はつけがたい

 単純な取引値の値動きですと、やはりVTIが優れています。下図はおおよそ6年のチャートです。長期投資を念頭にしていますので、もっと長期で見るべきですが、HDVを始め、さほど歴史が長くありません。

 

 そのため、VTI・VYM・HDVとそれからS&P500連動ETFであるSPYを加えた中期チャートにならざるを得ません。

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※グーグルファイナンスから

 どれも6年ですばらしい成長をしています。

 SPY   85パーセント

 VTI  85パーセント

 VYM  78パーセント

 HDV  64パーセント

 このようになっています。この中で一番パフォーマンスがすぐれているのがSPYやVTIです。

 

 VYMとHDVはやや差が開きつつあります。HDVに多く含まれている原油株が不調ですから、ある意味では妥当な結果ということになります。ただ、資源メジャーは独自の強みがありますから、原油市況が好転したときには高パフォーマンスが期待されます。

 

 原油株の今後をどうとらえるかというところがポイントになりそうです。私はやはり、VTI・VYMに魅力を覚えます。運用会社を分散させるということならばブラックロックを組み入れるのも手ですが、ブラックロックの場合はIVVのほうが競争力があります。

 

 なぜかというと、IVVの経費率は同じS&P500連動ETFでバンガードの商品であるVOOに勝っています。運用額もそうです。IVVはブラックロックの旗艦ETFとも言える商品です。そのため、ブラックロック社のプライドをかけて経費率を下げてきています。

 

 IVV・VTI・VYM とする手もあります。

 VTI・VYM・HDV これは配当重視型ですね。

 

 いずれにせよ、どれも優れた商品です。あまり掘り下げて悩まなくても良いような気もします。40歳以下ならばIVVやVTIの比率を高めに、40歳以上ならばVYMの比率を高めて配当吐き出しによる自分年金を視野に入れます。

 

 とにかく、外貨で投資をするということ。ここにたどり着いただけで、投資の何割かは成功したようなものです。投資というのは成長する国、銘柄にするものです。ただし、銘柄選別は難しいものです。

 

 簡単なのはETFのように網羅的な商品を買うことです。マクロならば成長が予測しやすいからです。あとは購入する時機も大切ですから、ゆったりと相場と向き合っていきたいですね。

 

関連記事です。IVVの経費率からブラックロックの本気を感じます。

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 現行NISAと米国株投資の考え方です。

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 この方法でETF研究を深めるという手もあります。

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 シンプルに債券を組み合わせてみるという手もあります。

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個別銘柄、ETF買付、それぞれどこの証券会社を使って投資をするかというのも大事な観点です。

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