VFコーポレーション(VFC)はブランド買収で大きくなったアパレル企業
VFコーポレーション(VFC)は傘下に有力ブランドを抱えるアパレルメーカーです。そのブランドは日本で有名なものだけで下記になります。
VANS(スニーカー)
Timberland(アウトドアシューズ)
THE NORTH FACE(アウトドアアパレル)
LEE(ジーンズ)
Wrangler(ジーンズ)
REEF(サーフブランド)
NAUTICA(スポーツカジュアル)
これだけのブランドを抱えます。基本的には自社でブランドを開発し販売するのではなく、業績がパッとしなかった既存のブランドを買収し、再生させることで企業価値とブランド価値を高めてきました。
上記では特にVANSとノースフェースのブランド力が目立ちます。
VANSはもともとスケーターブランドとして有名でしたが、2004年にVFCに買収されます。その後、VFCはVANSの売り上げを3.5億ドルから12億ドルまで伸ばしています。
ノースフェースはアウトドアブランドです。2000年にVFCに買収され、本格的なアウトドアだけではなくカジュアルアウトドアに力を入れた結果、ユーザーのすそ野を広げました。今や20億ドル以上の売り上げを誇る世界最大級のアウトドアブランドです。薄手のノースフェースのシェルや四角いバッグは多くの人の定番として愛用されています。
3大ジーンズメーカーと言えば、リーバイス、リー、ラングラーですが、そのうち2社がVFコーポレーション傘下になっています。ただ、ストレッチパンツなどの流行でヘビーオンスジーンズの重さ、固さが以前ほど消費者に受け入れられていません。
そのため最大手のリーバイスも業績は苦戦しています。ここ数年で定番化したスキニーは、従来のデニムでは出せないシルエットです。
Timberlandはもともとはアウトドア、登山用の機能的な靴を販売する会社でした。しかし、どういうわけだかごっつい靴はラッパーなどの必須用品になりました。黄土色のイエローヌバックは特に愛され、ダルダルのファッションにイエローヌバックというスタイルをよく見ました。Timberlandは2011年にVFCの傘下に入っています。
※画像はVFCのホームページから
VFコーポレーション(VFC)の配当とチャート
※画像はグーグルファイナンスから
2006年 株価 19ドル 配当 0.1375ドル
2016年 株価 55ドル 配当 0.37ドル
2011年から2014年末までに株価が3倍になっています。配当も増配傾向にあり、減配をしていません。リーマンショックをはさみながら配当実績を伸ばしています。この10年で配当も3倍近くになりました。
この頃は株価がさえず、2015年の77ドルから54ドルまで調整しています。それでも、2016年の8月までは64ドルあったことを考えるとちょっと調整スピードが早いです。
これは昨今の決算があまり良くないことに起因します。
現在の配当は3%に届かないぐらいです。
VFコーポレーション(VFC)の基礎データ
ティッカー:VFC
本社:アメリカ・ノースカロライナ州
来期予想PER:17倍
PBR:4.3倍
ROE:22%
ROA:13%
EPS:3.1ドル
配当:1.48ドル
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
過去3年の平均売上成長率は3.7%です。営業利益成長率は0.1%と殆ど伸びていません。そろそろ起爆剤となるような新しいブランドが傘下に欲しいところかもしれませんね。