たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

バンガード・消費財・サービスセクターETF【VCR】は消費に関わるETF

VCRは米国一般消費財・サービスのETF

 VCRはバンガード・米国一般消費財・サービス・セクターETFと言います。「 MSCI USインベスタブル・マーケット・一般消費財・サービス25/50インデックス」への連動を目指しています。

 

 パフォーマンスは以下の通りです。

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※以下、画像はバンガードのページから

 

 設定は2004年です。設定来のパフォーマンスは9.76%となっており、高い数値と言って良いでしょう。生活必需品セクター(VDC)の10%超えほどではないですが、有望なETFであることは間違いありません。

VCRのチャートと分配金

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※Yahoo!ファイナンスより

2006年 取引値 61ドル 分配金 0.47ドル

2016年 取引値124ドル 分配金 1.88ドル前後

2018年 取引値174ドル 分配金 1.987ドル

 

 【VCR】が四半期に分配金を出すようになったのは、2016年に入ってからです。それ以前は年に1回の配当でした。以後、四半期配当を継続しています。

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 2016年1期あたりの配当が年間配当とほぼ同額でしたから、配当は単純に4倍近くになっています。ETFで配当が4倍というのはかなりよいパフォーマンスです。

 

 取引値はおよそ3倍になっており、この10年でみるならば順調に成長しているETFと言えます。

 

 もともと高配当を狙ったETFではありません。過去を見ても、リーマンショックの影響で取引値が下がった2008年末に2.53%の配当を出したのを除けば、殆ど1%台の分配金利回りです。

 

 今後、過去並みの配当成長率が実現されれば魅力ある増配ETFということになります。増配銘柄ETFであるVIGも過去こんなに配当成長はありません。

VCRの構成銘柄

 VCRの構成銘柄の推移を見てみます。まず、2016年からです。

2016年の構成銘柄

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 このころはAmazonは10%ですね。上位の順位は意外に変動が少ないです。続いて2018年の構成銘柄を見てみましょう。

2018年の構成銘柄

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 1位はアマゾンです。2年間で6.8%も比重を高めています。その営業範囲はネットだけにとどまらず、店頭販売の小売業者の売り上げも侵食し始めています。いや、小売りにとどまらない総合サービス業の様相を呈していますね。株価も好調で、VCRのパフォーマンスに大いに寄与しています。

 

 2位はホームデポです。アメリカ最大のDIY小売業者であり、その専門性に強みを持ちます。

 

 3位はケーブルテレビ事業者のコムキャストです。4位はウォルトディズニーです。このあたりはコンテンツ提供会社とも言えます。

 

 そうかと思えば、マクドナルド、スタバなど外食産業が続きます。消費者に直接関係する企業という非常にざっくりしたくくりが一般消費財・サービスセクターと言えます。

 

 2016年9位のプライスラインはオンラインホテル予約で有名です。傘下の子会社はM&Aしたものも含めてブッキングドットコム、Priceline.com、KAYAK、アゴダ、レンタルカーズドットコム、オープンテーブルと有力です。2位のエクスペディアを大きく引き離しています。しかし、ランク外になりましたね。

 

 10位はタイムワーナー、AT&T傘下になることが決まっています。言わずと知れた映画を始めとするコンテンツ提供会社です。

 

 このように消費に関係する様々な企業群を集めたETFであり、その企業数は388社に及びます。アマゾンやプライスラインといった有力なネット関連企業も含んでいます。小売り自体は時代の変遷の影響を受けやすく、ワイドモート化しにくいです。

 

 しかし、小売業全体では米国および世界需要は旺盛です。そういう意味ではETFでセクター全体に賭けるというのは面白みがありますね。

 

 ヘルスケアETFも似たところがあります。各社のブロックバスター開発、新薬開発は難しいものの、ヘルスケアセクター全体では伸びる、ということですね。

 

 VCRは分配金はさほど高くありませんが、消費拡大に伴う利益を享受できるETFと言えます。

 

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 ホームデポ【HD】はDIYに強みを持ちます。いわゆるホームセンターですね。レンガや苗、工具などのDIY関連品は手に取って、確認してから購入することが多いです。プロ、つまり法人利用も多く、店頭で加工も可能です。つまりネット販売が入りにくいジャンルということで強みがあります。

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 ネットフリックスに時価総額で追い抜かれましたね。とはいえ、著作権侵害に敏感で、唯一無二のキャラクター版権を多く持つディズニー【DIS】が世界最大規模のメディアコングロマリットであることは間違いありません。

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 顧客の回転率は必ずしも高くありませんが、高単価の飲料が無類の強さを誇ります。とはいえ、業績はここにきて停滞気味で事業再編をしています。Nestleとの提携を強めていますね。Nestleに一部の商品販売権を売却しています。

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 マクドナルドです。外食とは思えない利益率の高さが際立ちます。直営店の経営からフランチャイズの強化に舵を切っており、ロイヤリティ収入比率が年々上がっています。ある意味ビジネスモデル販社ですね。

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 アパレルは栄枯盛衰が激しく、常にトレンドにキャッチアップしなくては顧客にそっぽを向かれる厳しい業界です。ナイキは世界最大のスポーツアパレルですが、多くの著名人との契約、デザイナーの雇用でブランド価値を維持しています。

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