世界で最も技術的に進んだ国2022
“Global Finance Magazine”は1987年に創刊されたグローバルビジネスと金融に携わる人々をターゲットとした雑誌です。2002年からはweb版がリリースされています。
このメディアが定義した” Most Technologically Advanced Countries In The World 2020”「世界で最も技術的に進んだ国」をご紹介します。
以下の4つを評価して、ランキングしています。
1) テクノロジーの可用性と普及率
2) 人口に占めるスマートフォンユーザーの割合
3) LTE ユーザーの割合
4) IMD世界競争力センターが開発したデジタル競争力スコア
4番目は、技術的知識(technological knowledge)、新技術を開発する準備(readiness for developing new technologies)、および新しいイノベーションを利用して構築する能力に焦点を当てているものです。
4つの評価項目のうち3つ以上を取得できた国を評価し、取得できなかった項目については線形回帰で値を推測して4つをそろえ、等ウエイト評価した結果が以下のとおりです。
世界で最も技術的に進んだ国のランキング表
Rank | Country | Rank | Country |
---|---|---|---|
1 | Norway | 26 | Qatar |
2 | Sweden | 27 | Lithuania |
3 | Netherlands | 28 | Czech Republic |
4 | Denmark | 29 | Israel |
5 | United States | 30 | Latvia |
6 | Singapore | 31 | Malaysia |
7 | Finland | 32 | Portugal |
8 | United Arab Emirates | 33 | Slovenia |
9 | South Korea | 34 | Poland |
10 | Hong Kong | 35 | Hungary |
11 | Switzerland | 36 | Kazakhstan |
12 | United Kingdom | 37 | Italy |
13 | Belgium | 38 | China |
14 | Canada | 39 | Croatia |
15 | Australia | 40 | Thailand |
16 | Luxembourg | 41 | Slovakia |
17 | Taiwan | 42 | Saudi Arabia |
18 | Spain | 43 | Greece |
19 | Germany | 44 | Ukraine |
20 | Estonia | 45 | Jordan |
21 | Japan | 46 | Russia |
22 | France | 47 | Argentina |
23 | New Zealand | 48 | Romania |
24 | Ireland | 49 | Chile |
25 | Austria | 50 | Mexico |
出典: Global Finance Magazine
上位はヨーロッパの国が多いですが、8位のUAE、9位の韓国、10位の香港は興味深い結果です。香港はインターネット検索の約97%がスマートフォンで行われているそうで、その普及率の高さが反映されています。
ようやくガラケーサービスの終わりが見えてきた日本(21位)との順位の違いの理由になっていそうです。
一方、4つの評価項目のうち2つが「スマートフォン環境」に偏っているとも言えます。結果として世界一行政手続きの電子化が進んでいるとも言われるエストニア(20位)は日本と大差ない順位になっているのも面白い結果です。
上位30位にランクインしていませんが、記事では他の3か国についての言及があります。
ランク外の国をピックアップしてみると・・・
ランク外の国もピックアップしてみましょう。
一つはカザフスタン(36位)です。人口わずか1800万人、一人当たりGDPが世界ランクでは70位ぐらいの開発途上国カザフスタンが、イタリア、中国、サウジアラビアを上回っていることに触れられています。
カザフスタンの経済を考慮するとややサプライズではあります。カザフスタン政府は2012年に、先進国になるという全体的な使命の一環としています。それに伴い、技術革新と投資を強調する戦略を発表しました。
政府はインターネットアクセスとスマートフォンの普及を拡大しています。デジタル競争力の向上に取り組み、このランキングでは比較的高いスコアを得ました。
また、2022年4月の時点で紛争関係にある、ロシアとウクライナについても触れられています。
47位にランクされているロシアは4つすべての指標で低調に推移しています。そのため、スマートフォンの普及率やデジタル競争力のスコアが低い結果になりました
実際、ウクライナはロシアよりGDPが14倍小さいにもかかわらず、ロシアより2つ上の順位にランクされています。ウクライナが長い間旧ソ連の技術ハブとして機能してきたこと。そして現在、情報技術部門を促進するための教育とビジネスの利益を構築していること。これらにより生じた差だと記事では説明されています。
今後、電子決済普及率、電子政府進捗率等を加味すると大きく結果が変わりそうです。現状におけるインフラ普及率ととらえれば参考になる点もありそうなランキングです。
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1つの目安として活用するとよいですね。
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