たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

債券ETF【SPAB】は【BND・AGG】に対抗しうる有力な選択肢

債券ETF【SPAB】とは?

 今回ご紹介する債券ETF【SPAB】は投資適格債券に投資できるETFです。経費率がBND・AGGよりも0.01%ほど安く設定されており、より安い経費率を求める層には訴求力があります。ただ、後述しますが、劇的な違いは当然ありません。

 

 ベンチマークはAGGと同じブルームバーグ・バークレイズUSアグリゲート指数ですね。

債券ETF【SPAB】と【AGG・BND】との比較

 続いてSPABとAGG・BNDとの比較をしてみましょう。

SPAB・AGG・BNDの取引値の推移

SPAB・AGG・BNDの取引値の推移

SPAB=青

AGG=赤

BND=緑

 取引値だとSPABが最も低く、AGGが最も良いということになります。10年で3%以内の誤差ですね。

SPABの配当込みリターン

SPABの配当込みリターン

 1万ドルを投資し、分配金再投資をした場合です。

  1. BND
  2. SPAB
  3. AGG

 これだとSPABが最も優れていることになりますね。この相違を気にするかしないかというところですが、私はあまりこれぐらいのパフォーマンスの差異は気にしないですね。もともとベンチマークがAGGと同じ、BNDともさほど違いはない。そう考えると、どれを選んでも良いと考えます。

 

 さて、関連してご質問を紹介します。

債券ETF【SPAB】の経費率が最安で、気になる存在です。

 いつも大変お世話になっております。有益な情報とても感謝しています。

 私は現在、積立NISAとiDecoでVTI・S&P500、ETFでVYMをメイン購入しており、時たま個別株を少々購入しています。

 

 株は楽しいのですが、40代前半と年齢も若くないことから、リスクヘッジとして債券ETFも組み入れていこうかと迷っている最中です。

 

 最近友人より、「SPAB」の債券の話を聞き、コストも安くていいな~と思いました。色々調べましたが、BNDやAGGのことは記載されていますが、「SPAB」の記事がないので、もしご存知でしたらご教示いただきたく質問させていただきました。

 

 よろしくお願いいたします。

SPABはAGG・BNDとほとんど同じですね。

 SPABは結論から申し上げますと、AGGやBNDとほとんど同じです。リターンもさほど変わりません。経費率は0.04%と0.01%ほどAGG・BNDというメジャーな総合債券系のETFより優れていますが、これはより正確なトラッキング、分配金の出し方次第で変わってくるレベルの差異です。

 

 運用総額はAGGやBNDのほうが大きいですね。ただ、これもスパイダーの商品ですから小さくはありません。ブラックロックを好むならばAGG、バンガードをならばBND、スパイダーならばSPABとなりますね。

 

 いずれにしても、総合債券やS&P500などメジャーなベンチマークは殆どこの3社は競合する存在になっています。そのことにより、経費率も下げ続けるという結果になっていますね。

 

 株式の世界で長く生き残るには、一部の天才を除けば資金管理です。過度に突っ込まない、モメンタムに夢を見すぎない、ポートフォリオをリスク資産ばかりにしない。ないないづくしです。

 

 天才は債券は買わないほうがいいでしょう。地味で、リターンも限られます。しかし、一般的な投資家にとっては、底堅く、まずまずの利回りで確実性の高いインカムを得られるので妥当性があります。特に、スケールメリットが得られる資金の大きさになるとそうでしょう。

 

 直近で言うならば、利上げをしないという方針がFRBから示されましたね。そういう意味では、下値が限られるということですから地味ながらも利下げ局面でのキャピタルもある程度狙える存在ということですね。

 

 資金の行き場がない場合は、長期でそれなりに面白い存在になりそうです。繰り返しますが、地味ですけどね。

 

関連記事です。

  AGGはSPABと同じベンチマークを使っています。世界最大の運用会社であるブラックロックの債券部門における旗艦ETFと言ってよく、運用総額も大きいです。また、安定的な運用は安心感がありますね。

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  こちらはバンガードの債券ETFであるBNDです。やはり債券系のETFとしては最も大きい運用総額を誇り、安心安定の実績があります。世界債券としてはBNDXというETFがあり、こちらは楽天バランスファンドでも採用されていますね。

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  総合債券ETFよりも、より底堅いのが短期債券中心のBSVですね。会計上は殆どキャッシュと同じ扱いをされます。それほど底堅く、安全資産として認識されているということですね。ただし、利回りは小さく、リターンも限定的です。

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