たぱぞうの米国株投資

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NYダウが200日線を割り込む

NYダウが200日線を割り込む

 久しぶりにNYダウが日足で200日線を割り込みましたので、さらっと記事にしておきたいと思います。実に2018年に入ってから3度目の200日線タッチです。

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 昨年は殆ど、この200日線にタッチすることのなかったNYダウですが、今年は1月26日の高値以降パッとしない相場が続いています。26500ドルを割れて以来、23500ドル近辺を底に、レンジ相場入りしています。

 

 それでも、VTIやS&P500連動ETFなどの上昇に見られるように相場は比較的好調でした。先日も殆ど25500ドルにチャレンジし、1月の高値に近似する値を付けていました。しかし、ここでまた跳ね返された形になっています。

 

 今年の秋には中間選挙を迎えるということもあり、トランプ大統領もよく相場を意識した発言をしています。最近ではカンザスの生産拠点をタイに移すと表明したハーレーダビッドソンの話題と選挙関係でツイートは埋め尽くされています。

 

 ただ、中国との対立色が鮮明になる中、以前ほどツイートに対して市場は反応していません。

行動がシンプルなようで読めないトランプ大統領

 米中の対立を巡っては様々な見方があります。

 

 貿易戦争は米中両国のみならず、他国にもマイナスの良くない影響を与えるという見方です。そのため、そこそこのところで手を打ち、パフォーマンスの範囲で終えたほうが良いという考えも成り立ちます。

 

 オバマ大統領のころはまさにそう、無理のない外交戦略でした。米国大統領と言えども、選挙で選ばれた民間人ですから、大国と対決するリスクは皆無だったと言ってよいでしょう。

 

 他方、中国は南沙諸島のみならず、インド洋やアフリカでも土地を借り上げ、港湾を建設しています。これは経済協力の見返りであったり、貸し付けた資金の担保であったりします。豊富な資金力を背景とした世界覇権を狙う行動は、留まるところを知りません。

 

 中国の外交方針は一貫しており、ひたすら「時間稼ぎ」です。米国に対抗できる力を得るまでは、米国を怒らせない範囲でうまくやるという方針でした。しかし、トランプ大統領になり、今までの外交戦術が揺らいでいます。直截に切り込んでくるからです。

 

 トランプ大統領はツイートを見ても分かるように、良くも悪くも破格の大統領です。今回の対中貿易がどのあたりまで本気なのかで結果は変わってきそうです。民主党政権、とくにオバマ大統領時代の対米政策は通用せず、中国外交部も戸惑いが感じられます。

そもそも相場環境が変わってきている

 ただ、そもそも昨年のような上げっぱなしの右肩上がりの相場とは全く様相が異なるということは知っておいたほうがいいでしょう。

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 トランプ大統領の政策で最も株価に影響を与える要素であった「大幅減税」はすでに切られたカードになっており、市場に織り込まれています。これを上回るインパクトは今のところなく、どのようにして中間選挙まで関心あるいは歓心を引き付けるのかというのが1つの見どころになっています。

 

 経済界としては古い記事ですが、印象的な記事がありました。

(Bloomberg) -- 米キャタピラーは1-3月(第1四半期)の利益が市場予想を上回り通期利益予想を上方修正したことで株価が急伸したが、経営陣が1-3月は利益のピークだとの認識を示したことから、一転して大幅安になった。

  24日の発表で、キャタピターは調整後の通期1株利益予想を10.25-11.25ドルとし、従来予想の8.25-9.25ドルから最大24%引き上げた。ブルームバーグがまとめたアナリストの平均予想は9.27ドルだった。キャタピラーは北米の建設向け、中国のインフラ向け需要がそれぞれ堅調を維持するとみている。

  だが、その後の電話会見でハルバーソン最高財務責任者(CFO)が1-3月の調整後1株利益は「年内最高だろう」と説明。株価は一時7%近く下げた。

 景気敏感株であるキャタピラーですが、2018年1Qでピークアウトしたという本音すぎる見解を示したことで話題になりました。

 

 実は、2年前の2016年にもピークアウトしたという言説は企業要人から多く聞かれたのですが、実際にはそこから大きく盛り返しました。

 

 いずれにしても、強弱入り混じる相場です。今まで数年来相場に関わっている人はそれなりに投資額も膨らんでいるでしょう。「買い場」と捉えて新たに買い参入するのか、それとも「相場の終わりの始まり」と捉えて売る、あるいは買いを控えるのか。

 

 今まで2度の200日線タッチでは買い向かった人が正解でした。グランビルの法則どおりの結果と言ってよいでしょう。とはいえ、少なくとも全力で買うような相場では無くなりつつあることは申し添えておきたいと思います。退場しないこと、これが相場で最も大事なことですね。

 

関連記事です。

  この記事の前日が高値となりました。ある意味では今年を象徴するような相場だった思っています。しかし、思った以上に強い相場が続いています。やはり減税効果が大きいですね。

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  暴落相場の対処法ですね。米国株は比較的安心できる投資先です。しかし、仮想通貨は完全に相場が壊れましたね。実態が無い投機ゲーム、馬脚を露したということでしょう。・・・私はマイニングを始めましたけどね(笑)

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  こうなってくると面白いのがTHEOのアクティブな売買です。久しぶりにのぞいてみようと思います。

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