NISAの基本はこうなっている
NISAは2014年から始まりました。NISAは始まった当初は2014年は年間100万円でした。それが2016年からは120万円が上限になっています。
これは楽天証券さんが大変分かりやすい図表を作成されています。
5年間追加投資できます。今は年間120万円投資できます。つまり、5年間で600万円の非課税枠が使えるということになります。
NISA口座の特徴
一般口座や特定口座などの証券口座と違う点がいくつかあるので、まとめます。
- 20歳以上でNISA口座を開設できる。
- NISA枠はその年に使い切らないといけない。繰り越せない。
- すでに持っている株式をNISA口座に移すことはできない。
- 配当税がかからない
- 譲渡益税がかからない。
ということです。
1「20歳以上でNISA口座を開設できる。」 つまり、未成年はNISA口座を持てません。ジュニアNISAを使おうということです。
2「NISA枠はその年に使い切らないといけない。繰り越せない。」 今年はNISA枠を60万使った。残りの60万を次の年の枠と合わせて180万にしよう。ということはできません。
3「すでに持っている株式をNISA口座に移すことはできない。」 特定口座の株120万円分をNISA口座に移す、そういうことはできません。新規で買う必要があります。
4「配当税がかからない」 通常は配当には税金がかかります。20.315%(所得税+復興特別所得税15.315%と住民税5%)です。それが免税されます。これがNISAのメリットの1つです。
ただし、米国株の場合は米国内で10%の源泉徴収課税がされています。これは一般口座や特定口座では確定申告、外国税額控除によって一定額還付されます。しかしNISA口座では戻ってこないというデメリットがあります。
国税庁の見解としては、租税条約上の二重課税にならないため、ということです。米国源泉徴収を米国に見直す働きかけをしてほしいですね。
5「譲渡益税がかからない。」 120万で買った株が240万になれば通常20.315%の譲渡益税がかかります。しかし、NISA口座ならばそれが免税されます。
NISA口座を米国株購入で使うにあたって採用する投資方針
NISAをどのように使うかですが、特徴を踏まえて2つの方針があります。
- 高配当株を狙う
- 逆張り株を狙う
- 順張り株を狙う
この3つに尽きます。
1「高配当株を狙う」 これは配当課税がかからないからです。ただし、前述のとおり米国で10%の源泉徴収課税がされてしまいます。これを踏まえて、米国株式市場上場の、源泉徴収のない株を狙います。例えば、下記があります。
- 大手石油株のロイヤルダッチシェル(RDSB)
- 同じ石油株のBP
- 一般消費財のユニリーバ(UL)
- たばこのフィリップモリス(PM)
- 同じくたばこのブリティッシュアメリカン(BTI)
- 飲料のディアジオ(DEO)
- オーストラリアの大手銀行、ウエストパックバンキング(WBK)
これらを狙って、無税で高配当を得るという投資方針です。もちろん、相場に上げ下げはありますから、参考程度にしてください。
米国株式市場に上場する英国株、豪国株は現地源泉徴収税がかかりません。アメリカ資本ながらスイスに本拠を置くフィリップモリスも、殆ど無視できる税額です。ドルで取引するということは、豊富な個別株や金融商品を選択できるということでもあります。
2「成長期待、逆張り株を狙う」 これは、譲渡益税がかからないからです。安いところで買って、高いところで売れたら最高です。しかも無税です。ただし、成長株投資は配当株投資より難易度が高いです。
私はこのうち逆張り株を狙ってNISA口座を使っています。
2015年 BHPビリトン(BHP)
2016年 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
2017年 エクソンモービル(XOM)
2015年のBHPビリトンは株価がかなり下がりました。中国の鉄鉱石消費減少に伴う世界的鉄鉱石価格の下落、資源価格の下落によるものです。
資源メジャーであるリオティント(RIO)、BHPビリトン、ヴァーレ(VALE)のいずれもが苦境に陥りました。そこを狙って買いました。資源業界は寡占だからです。日本の家電や自動車業界のように、過当競争の業界ではないので逆張りが有効だと思います。
2016年のVTIは、1月から2月にかけてチャイナショックでNYダウが16000ドルを切ったからです。市場全体が下げるときは個別株に拘らず、市場そのものを買えば比較的安全に逆張り投資ができます。もちろんボラティリティは小さめですが、今のところ有効な投資になっています。
2017年のエクソンモービルは、原油価格が底打ちしつつあるにも関わらず、いまだに株価が立ち直っていないからです。シェブロンなど競合他社との比較でうまみがあると思いました。
ただし、シェールオイルやオイルサンドという石油開発におけるイノベーションはかつてのような原油価格の高騰を招きにくい状況を招いています。つまり、株価的には予断の許さない状況です。全体的な株高の中で何を選好するかは難しい判断です。
3「順張り株」は上昇している株を買うということです。ただ、今はほとんど全てが値上がりしています。この状況でのVOOやVTIなどは順張りETFということになりますね。これが一番今の相場は読みづらいと思います。
NISAで米国株を買うことの価値
もし初めて米国株を買うならば、NISA口座で買うというのはとても良い判断だと思います。理由は二つあります。
- 投資額が120万円と限られている
- 5年を見据えた中期投資ができる
1「投資額が120万円と限られている」 つまり、少額です。投資は失敗もつきものですが、少額投資ならば給与からの補てんができます。また、損失も限定されます。人生を変えるほどの損失を受けることは無いと言っていいでしょう。
2「5年を見据えた中期投資ができる」 投資というと、短期での値幅取りを想定しがちです。ちょっと前の三菱自動車、シャープ、さらに東芝株がにぎわうのはそういうことです。
値幅取りの投資から離れて、数年単位で相場を見る。それが長期投資へのきっかけになることは間違いありません。この投資手法を身を持って体験できることが今後の持続可能な投資術につながるのであれば、それこそが得難い投資の経験ということになります。
関連記事です。米国株投資の優位性について触れています。
だれでもできる投資術を知ることが成功への一歩ではないでしょうか。
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