【META】メタバース関連銘柄に投資するETF
日本時間2021年10月29日未明にフェイスブックが社名を「メタ(Meta)・プラットフォームズ」に変更しました。
社名変更の理由について、ザッカーバーグCEOは「現在の社名はわれわれが行っている事業の全体像を網羅していない。メタバースが次のフロンティアだ」と説明しています。
「メタバース」はコンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのことです。
英語の「何にでもなれるが、何もない(meta)」と「巨大な空間(universe)」を組み合わせた造語です。
SF作家のニール・スティーヴンスン氏が1992年に書かれた「スノウ・クラッシュ」の作中で登場するインターネット上の仮想空間が、この言葉の由来だそうです。
世界のVRデバイスの市場規模は2020年に78億1000万米ドルと評価され、2021年から2028年にかけて28.2%のCAGRで成長すると予想されています。
この市場規模の拡大を目論んだようにも見える米国ETFが上場しています。
米Roundhill Investments社が運用しているRoundhill Ball Metaverse ETF、ティッカー【META】です。
原指数は同社が算出しているBall Metaverse Index ("META Index")です。2021年6月30日に設定され、マーケットはNYSEです。経費率は0.75%と高めです。
独自のインデックスを組成しているが故、事実上アクティブETFのような側面を持っているといえますので、高めの経費率は致し方ないところでしょうか。
【META】ETFの組み入れ銘柄
銘柄選定の基準としているキーワードは、以下の図で示される7つです。
- コンピューティング:メタバースをサポートするコンピューティングパワー
- ネットワーキング:コンシューマー向けのリアルタイム接続・高帯域幅・データサービス
- バーチャルプラットフォーム:没入型デジタル・3Dを開発・運用し、ユーザー同士が交流できるサービス
- 業界スタンダード:メタバースの開発・運用において必要不可欠なツール・プロトコル・エンジン・フォーマットなど
- 決済:法定通貨を含むデジタル上での支払いプロセス・運用サービス
- コンテンツ・アセット・IDサービス:デジタル資産や通貨などの販売・再販・管理・セキュリティに関わるサービス
- ハードウェア:メタバースの開発・運用において必要な端末や技術を販売・サポート
7つのキーワードに合致した銘柄選定の結果、組み入れは全部で40銘柄です。
上位10銘柄は以下のとおりです。現時点で運用組織が考える、「メタバースと言えばこれ」という銘柄群といえます。賛否はもちろんあるでしょうが、1つの目線として知っておくのは良いことですね。
出典: Roundhill Investments社website
1位のエヌビディア【NVDA】は米国株投資家にはすでに名が知れているでしょう。
コンピュータグラフィックスの処理を行う、GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)を開発・設計・販売している米国の半導体メーカーです。
2位のロブロックス【RBLX】はNASDAQに上場するオンライン・ビデオゲームのプラットフォームを運用・開発している企業です。ユーザー(開発者)やクリエイターが独自のゲームを作成できる「Roblox Studio」を提供しています。
2位までの銘柄で約2割のウエイトを占めます。
3位のマイクロソフトと4位のメタ(旧:フェイスブック)については言及不要でしょう。
5位のユニティ・ソフトウェア【U】は「Unity」と呼ばれるゲームエンジンを提供している企業です。双方向のリアルタイム3Dコンテンツの制作・運用のためのプラットフォームを開発しており、携帯電話、タブレット、PC、コンソール、拡張現実・仮想現実デバイス向けの包括的なソフトウェアソリューションを提供しています。
なお、日本のソニーグループ【6758】と任天堂【7974】も40銘柄に含められています。
<チャート>
運用開始から半年程度ですので、チャートも短いです。
運用開始後4か月ぐらいは水色のS&P500から大きく劣後していました。
出典: US版 Yahoo Finance
特筆すべきは、出来高が10月下旬から急増していることです。
まさに、ザッカーバーグ氏が社名変更したころと一致しており、それから約半月は出来高を伴ってプライスが上昇しています。「ザッカーバーグさまさま」といったところです。
足元は、米国のテーパリング観測に伴うグロース株からの資金逃避の影響を被ってか軟調に推移しています。
現時点では15ドル程度で非常に買いやすいプライスですが、残念ながら日本のオンライン証券大手3社では取り扱いがありません。
ある種のテーマ株をまるっと買うイメージです。個人的にはテーマ株はほとんど取り組みませんが。しかし、このような商品の多様性も米国マーケットの面白さの1つと言ってよいですね。
関連記事です。
売りから入ることができ、レバレッジを効かせられるCFDについてです。中上級者向けの投資、あるいは投機ですね。
王道の米国株以外の投資についてです。
チャート分析と資産運用についてのコラムです。