モバイルテレシステムズ(MBT)、どんな会社?
モバイルテレシステムズ(MBT)はロシア最大の携帯電話会社です。配当が9%~12%あります。株価の変動が大きく、利回り算出が概算です。
モバイルテレシステムズ(MBT)は1994年にモスクワ市テレフォンネットワーク、Tモバイル(ドイツ)、シーメンス、の三社による合弁でできました。現在はロシアの複合企業システマグループに属しています。
ロシアでのシェアは1位です。ウクライナ、ウズベキスタン、アルメニアで事業展開をしており、それぞれの国で存在感を示しています。ウズベク、アルメニアではシェアトップ、60%を占めています。
ロシアの通信会社はほかにメガフォン、ビンぺルコム、があります。この3社で三強の構図です。しかし、他の2社は株価の動きが激しく、経営もMBTに比べると不安定です。
親会社のシステマの情報も載せておきます。エフトゥシェンコフ氏は、オリガルヒ(ロシアの新興財閥群)の一人です。でも、こんなことがありました。
かつてのユコスを思い出します。ロシアの有力石油会社の社長が逮捕されて、会社も破産した事件です。
基本的にロシアは投資の原則、
①人口増加国であること
②法整備がされていること
の両方が当てはまらない国ということになります。そのぶん、割安に放置されていると言えるでしょう。
※画像はモバイルテレシステムズのホームページから
ホームページは英語版があり、丁寧な作りです。
MBTのチャートと配当
※チャートはヤフーUSから
2005年4月株価14ドル 配当0.23ドル
2015年7月株価9.7ドル 配当0.71ドル
※年間配当は2015年実績で0.823ドル。7月に傾斜配当。
配当はおよそ9%です。ロシアは源泉徴収税が15%かかります。外国税額控除で取り返すこともできません。日本との二国間租税条約は旧ソ連時代の1986年に結んでいます。しかし、米国のように二重課税になるから確定申告で返します、ということにはなっていません。
そのため手取りでは6%ちょっとの配当となります。高配当には違いありませんが、リーマンショックの後の無配が気になります。株価の動きは激しいです。
この2年で言うと、ロシアのウクライナ侵攻や原油安、2016年初頭の株価下落時に際立った落ち込みを見せています。
私は2014年末の暴落時にERUSと共に1万ドル衝動買いしました。しかし、配当がリスクのわりに出ないのと、投資方針にまったく合致しないので半年で手放しています。利益はそれなりに乗りましたが、捨て金ぐらいの覚悟で買いました。
見かけの高配当に惑わされますが、スイングトレード向きだと思います。
MBTの基本データ
ティッカー:MBT
本社:ロシア
来季予想PER:10.7
PBR:3.7
ROE:30%
ROA:7.5
EPS:---
配当:年間0.823ドル。6月と10月に配当。
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場(ADR)
ドルで持っていれば、世界の有名企業に投資ができます。米国株式市場には世界中の有名企業がこぞってADRという形で上場しているからです。ドルは為替リスクが怖い、という話をよく聞きます。
しかし、ドルを持たないことでの投資機会損失。このほうがリスクが大きいと考えます。