キンバリークラーク【KMB】はティッシュペーパーを世に送り出した
キンバリークラーク(KMB)はティッシュペーパーを世に送り出したことで有名な企業です。現在でもクリネックスというブランドで有名です。
また、製紙パルプ業でも有力で、世界一位のインターナショナルペーパーに次いで世界2位です。ちなみに世界3位は王子製紙、世界7位は日本製紙です。
ちなみに日本製紙はキンバリークラークと縁が深いです。1963年に十条製紙とキンバリーの合弁で十条キンバリーを設立しました。翌年1964年からはティッシュの最有力ブランド「クリネックス」を販売しています。
その後十条キンバリーは1990年代にスコッティで有名な山陽スコットと合併します。これが現在の日本製紙クレシアです。
また、紙おむつではP&Gのパンパースに次いで2位、ハギーズというブランドを有しています。日本ではあまり小売店舗で目にしませんが、世界的には有名なブランドです。
※画像はキンバリークラークのページから
キンバリークラーク(KMB)の配当とチャート
2006年 12月 株価 66ドル 配当0.49ドル
2016年 9月 株価126ドル 配当0.92ドル
2018年 3月 株価105ドル 配当1ドル
この10年間、2009年のもたつきをはさみながらも、右肩上がりのきれいなチャートを描いてきましたが、この数年は再びもたついています。
配当は順調に増配してきており、10年でおよそ2倍になっています。このことは、もし10年前に60ドル近辺で買っていれば、約6%の高配当を得られたことを意味します。
もちろん、未来予測は難しく、今後はわかりません。しかし、増配企業株を持ち続けるとはこういうことであるということを伝えてくれる好例です。
キンバリークラーク(KMB)の基礎データ
それではキンバリークラークの基礎データを見てみましょう。
ティッカー:KMB
本社:アメリカ・テキサス州アービング
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
テキサス州のアービングというのはダラスの郊外です。クリネックスなど一般消費者へブランドは浸透しています。しかしP&Gもそうですが、プライベートブランドや廉価な海外現地ブランドとの競合は避けられないところです。
ディフェンシブな株であることは間違いありませんが、北米市場だけではなく人口の増加がより見込まれる海外市場開拓は注目されるところです。特に新興市場でのシェアは北米ほどではありませんので、今後どう広げていくのかがキンバリークラーク(KMB)の課題になります。
キンバリークラーク(KMB)の配当と配当性向
配当性向はほとんど横ばいでコントロールされています。配当が切りあがっていますので、配当施策としては好感が持てますね。連続増配企業、米国の生活必需品企業らしいといえばそうです。
キンバリークラーク(KMB)のBPSとEPS
ちょっと面白い変動をしています。2016年から急激にBPS(一株資本)が減少しています。経営方針をROE重視に切り替えたのが分かりますね。これまた米国企業らしいスピード感と言えばそうです。
キンバリークラーク(KMB)の売上と利益
売上はプロクター&ギャンブルなどと同じく殆ど横ばいです。キンバリークラークの場合は得意だったオムツがプロクター&ギャンブルにシェアを侵食されるなど、業界の激しい競争の影響もあります。ちなみに、売り上げの半分は海外が占めます。
営業利益率はだいたい15%~20%というところで驚くほどではありませんが、悪くもありませんね。
キンバリークラーク(KMB)のキャッシュフロー
営業キャッシュフローに対して、だいたい1/2~1/4程度が投資キャッシュフローですね。ここでも中庸な印象です。右肩上がりというわけではなく、殆ど横ばいです。
キンバリークラーク(KMB)の株数とROE
株数はいい具合に漸減しており、きちんと自社株買いをしていますね。面白いのは、ROEの急上昇ぶりです。少々極端なぐらいにROE重視の経営にシフトしていますね。なかなか珍しいぐらいの舵の切り方です。米国企業はこういうスピード感が1つの魅力になっていますね。
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