S&P500連動ETFであるIVVは安心安定の商品
株式ETFを安心安定というのは語弊があるかもしれませんが、このS&P500連動ETFであるIVVは比較的そういう言い方ができるETFです。米国株投資をすでに行っている人にとっては既知でしょう。
まず、このIVVはブラックロックのETFです。ブラックロックのETF群の中でも圧倒的な規模の運用額を誇ります。まさに旗艦ETFと言ってよいでしょう。それは月当たり出来高でも推し量ることができます。
ちなみに、経費率は0.03%です。
バンガードのS&P500連動ETFのVOOと同率、それまでは最も低い経費率のETFでした。このことからも、ブラックロックがIVVに力を入れていることが分かります。
米国ETFは毎年のように低経費率を競っている
ティッカー | 名称 | 経費率 | 1日出来高 |
IVV | iシェアーズS&P 500 | 0.04% | 5604万株 |
VOO | バンガード・S&P 500 | 0.04% | 4066万株 |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケット | 0.04% | 4458万株 |
VV | バンガード・米国ラージキャップ | 0.06% | 457万株 |
VTV | バンガード・米国バリュー | 0.06% | 3072万株 |
VO | バンガードR・米国ミッドキャップ | 0.06% | 953万株 |
VB | バンガード・スモールキャップ | 0.06% | 1448万株 |
VUG | バンガード・米国グロース | 0.06% | 1499万株 |
VBK | バンガード・米国スモールキャップ・グロース | 0.07% | 443万株 |
VOE | バンガード・米国ミッドキャップ・バリュー | 0.07% | 521万株 |
VBR | バンガード・米国スモールキャップ・バリュー | 0.07% | 786万株 |
VOT | バンガード・米国ミッドキャップ・グロース | 0.07% | 253万株 |
MGC | バンガード・米国メガキャップ | 0.07% | 88万株 |
MGV | バンガード・米国メガキャップ・バリュー | 0.07% | 130万株 |
MGK | バンガード・米国メガキャップ・グロース | 0.07% | 320万株 |
VXF | バンガード・米国エクステンデッド・マーケット | 0.08% | 409万株 |
HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 | 0.08% | 993万株 |
VYM | バンガード・米国高配当株式 | 0.08% | 1814万株 |
VIG | バンガード・米国増配株式 | 0.09% | 1331万株 |
SPY | SPDR S&P 500 | 0.09% | 149480万株 |
米国ETFの低経費率ランキングです。バンガードとブラックロックiシェアーズシリーズがしのぎを削っていることが分かります。最初に0.04%にしたのはブラックロックのIVVでしたが、すぐにバンガードのVOOやVTIも0.04%に値下げしています。
このような健全な経費率値下げ競争は、私たち購入者にとっては歓迎したいところですね。
IVVの構成銘柄
基本的にS&P500指数にそのまま連動します。構成銘柄トップ50を抜粋してみます。
ティッカー | 銘柄名 | (%) | 業種 | |
1 | AAPL | APPLE INC | 3.88 | 情報技術 |
2 | MSFT | MICROSOFT CORP | 2.65 | 情報技術 |
3 | AMZN | AMAZON COM INC | 1.91 | 一般消費財 |
4 | FB | FACEBOOK CLASS A INC | 1.74 | 情報技術 |
5 | JNJ | JOHNSON & JOHNSON | 1.69 | ヘルスケア |
6 | XOM | EXXON MOBIL CORP | 1.59 | エネルギー |
7 | BRKB | BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B | 1.51 | 金融 |
8 | JPM | JPMORGAN CHASE & CO | 1.45 | 金融 |
9 | GOOGL | ALPHABET INC CLASS A | 1.42 | 情報技術 |
10 | GOOG | ALPHABET INC CLASS C | 1.39 | 情報技術 |
11 | GE | GENERAL ELECTRIC | 1.15 | 資本財 |
12 | WFC | WELLS FARGO | 1.13 | 金融 |
13 | T | AT&T INC | 1.13 | 電気通信 |
14 | BAC | BANK OF AMERICA CORP | 1.1 | 金融 |
15 | PG | PROCTER & GAMBLE | 1.07 | 生活必需品 |
16 | CVX | CHEVRON CORP | 0.94 | エネルギー |
17 | CMCSA | COMCAST A CORP | 0.92 | 一般消費財 |
18 | PFE | PFIZER INC | 0.9 | ヘルスケア |
19 | VZ | VERIZON COMMUNICATIONS INC | 0.9 | 電気通信 |
20 | PM | PHILIP MORRIS INTERNATIONAL INC | 0.9 | 生活必需品 |
21 | HD | HOME DEPOT INC | 0.89 | 一般消費財 |
22 | V | VISA INC CLASS A | 0.85 | 情報技術 |
23 | C | CITIGROUP INC | 0.84 | 金融 |
24 | UNH | UNITEDHEALTH GROUP INC | 0.83 | ヘルスケア |
25 | KO | COCA-COLA | 0.83 | 生活必需品 |
26 | MRK | MERCK & CO INC | 0.83 | ヘルスケア |
27 | INTC | INTEL CORPORATION CORP | 0.82 | 情報技術 |
28 | PEP | PEPSICO INC | 0.79 | 生活必需品 |
29 | CSCO | CISCO SYSTEMS INC | 0.75 | 情報技術 |
30 | DIS | WALT DISNEY | 0.72 | 一般消費財 |
31 | MO | ALTRIA GROUP INC | 0.7 | 生活必需品 |
32 | ORCL | ORACLE CORP | 0.65 | 情報技術 |
33 | IBM | IBM | 0.62 | 情報技術 |
34 | MCD | MCDONALDS CORP | 0.59 | 一般消費財 |
35 | MMM | 3M | 0.59 | 資本財 |
36 | AMGN | AMGEN INC | 0.57 | ヘルスケア |
37 | WMT | WALMART STORES INC | 0.57 | 生活必需品 |
38 | MDT | MEDTRONIC PLC | 0.56 | ヘルスケア |
39 | MA | MASTERCARD INC CLASS A | 0.56 | 情報技術 |
40 | ABBV | ABBVIE INC | 0.52 | ヘルスケア |
41 | BA | BOEING | 0.52 | 資本財 |
42 | AVGO | BROADCOM LTD | 0.49 | 情報技術 |
43 | HON | HONEYWELL INTERNATIONAL INC | 0.48 | 資本財 |
44 | SLB | SCHLUMBERGER NV | 0.45 | エネルギー |
45 | NVDA | NVIDIA CORP | 0.45 | 情報技術 |
46 | PCLN | THE PRICELINE GROUP INC | 0.44 | 一般消費財 |
47 | CELG | CELGENE CORP | 0.43 | ヘルスケア |
48 | SBUX | STARBUCKS CORP | 0.43 | 一般消費財 |
49 | UTX | UNITED TECHNOLOGIES CORP | 0.43 | 資本財 |
50 | UNP | UNION PACIFIC CORP | 0.43 | 資本財 |
米国内にとどまらず、世界的にも知られた企業が名を連ねていることが分かります。圧倒的な時価総額を誇るアップルは別格として、ほとんどの企業は1%以内の保有比率です。
効率的な分散投資がされていますから、個別株特有の倒産やはたまた希釈化などのリスクとは無縁と言ってよいでしょう。米国経済が停滞するようなことがあれば、このIVVも取引値の下落は避けられません。
しかし、米国発の経済危機でも資金の引き上げを受けてヨーロッパ、日本、新興国は米国本国以上に下げることが昨今多い傾向です。グローバル化の進展に伴い、他地域に分散させることが必ずしもリスクの分散にはならないことは知っておきたいところです。
IVVの業種別保有比率
IVVの業種別保有比率です。圧倒的に情報技術セクターが大きくなっているのは、今の米国市場においてFANG(Facebook、Amazon、ネットフリックス、Google)などに代表される企業が重要さを増しているのを反映しています。
IVVのチャートと配当
分配金込の配当です。設定来だと2000年5月比で133%、およそ2.3倍になっています。S&P500連動ETFであるIVVも絶好調なのは2010年代に入ってからで、それまではさほどのパフォーマンスではありませんでした。
これは、2000年代に好調だった金融株がリーマンショックで暴落したことと、2000年代初頭にIT企業が買われすぎてパフォーマンスを落としたことが関係しています。
いつの時代も実態以上に買われる企業群というのはあるものです。長期的にはそれがいつか見直されます。ただ、実態以上に買われる企業群というのは、渦中にあると買い手はその自覚がありません。常にそれを的確に見抜くことができればよいのですが、なかなか難しいことです。
割安、割高はプロでも説明がつかない時があります。そのため、IVVのようなインデックス投資が推奨されるわけですね。
2007年 3月 取引値 153.87ドル 分配金0.64ドル
2017年 3月 取引値 237.53ドル 分配金1.03ドル
この10年でのチャートです。実に美しい右肩上がりをしています。2011年ギリシアショック、2016年チャイナショックの時にやや下降していますが、すぐに回復しています。
この10年での取引値の伸びと分配金の成長は素晴らしいと評価されてよいでしょう。
IVVの基礎データ
2017年6月現在の基礎データです。
PER:21.74倍
PBR:3.07倍
私が米国株に全投資を始めたころはPER17倍前後というのが目安でした。そのころから比べると、企業業績の成長以上に株価が伸びていることがわかります。
もともと買っている銘柄に関しては上昇するのはうれしいことですが、買い場がなかなかありませんので、個別銘柄には手を出しにくい状況になってきています。
今回IVVを始めて買ったのも、そういう事情です。「たぱぞうの米国株投資」では、このS&P500連動ETFとVTI、VYMを選好しています。
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投信と米国ETFの比較です。私は北米一本でいまのところは良いと考えます。
VTIが良いという結論にしていますが、VTIはすでに持っていますので今回は打診で1万ドルほどIVVを買いました。
昨今のSBI証券のサービスの拡充、ライバル企業との価格競争は評されてよいと思います。口座を持っていることが、業界最高水準のサービスを受けられることを意味する、それぐらいの意識になっています。