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米国の中型株ETF【IJH】のシンプル分析。米国株、中規模銘柄への投資。

米国の中型株ETF【IJH】とは?

 【IJH】とは、米国の中型株で構成される指数と同等の投資成果をあげることを目指しているETFです。米国ブラックロック社が運用しており、正式名称はiShares Core S&P Mid-Cap ETF です。2000年5月22日に設定されており、ETFとしては古株でしょうか。マーケットはNYSEです。

 

 ベースとなるインデックスはS&P MidCap 400 indexです。MidCapとはMid Capitalizationの略で、時価総額が中規模という意味です。S&P 500は知っていてもこちらのインデックスにはなじみが薄いかもしれませんね。

 

 実は大型株のS&P 500、中型株のS&P MidCap 400、小型株のS&P SmallCap600というインデックスがあり、MidCapの定義は36億ドルから131億ドルで、浮動株が50%以上という条件があります。

 

 131億ドルは、日本円に換算すると1兆4000億円程度です。日本株なら時価総額1兆円以上であれば、大型株と呼ばれることが多いですが、米国ではその程度だと中型株にカテゴライズされるということです。

 

 と言いつつ、2021年9月末の構成銘柄には165億ドルの銘柄もあります。

IJHのインデックスの特徴

IJHのインデックスの特徴

出典:S&P website

 インデックスのレコードは1991年6月1日から存在しています。1928年1月3日からレコードがあるS&P500よりは歴史が浅い指数です。

【IJH】の経費率と分配金

 ベースとなるインデックスであるS&P MidCap 400 indexをざっくり理解したところで、【IJH】を見ていきましょう。経費率は0.05%です。かなり低いですね。

 

分配は3か月ごとに出しています。

IJHの分配金推移

IJHの分配金推移

出典:ブラックロック website

 次に、チャートの比較をしてみましょう。

【IJH】のチャートの比較

 大型株インデックスであるS&P500と比較したチャートです。

  • 赤:S&P500
  • 青:IJH

 S&P500の方が概ねIJHを上回って推移しています。

IJHとS&P500の比較チャート

IJHとS&P500の比較チャート

出所:US版 Yahoo! Finance

【IJH】の構成銘柄とセクターウェイト

 上位10銘柄は以下のとおりです。概ねインデックス通りです。

IJHの構成銘柄

IJHの構成銘柄

出典:ブラックロック website

 セクターウエイトは資本財、金融、一般消費財、情報技術等が大きな割合を占めていますが、これと言って突出したセクターがあるわけでもないです。

IJHのセクターウェイト

IJHのセクターウェイト

出所:US版 Yahoo! Finance


米国の中型株ETF【IJH】のまとめ

 最後にまとめです。

 S&P500連動ETFの代表選手である【VOO】の構成銘柄、上位10銘柄と比較してみましょう。

VOOの上位10銘柄

VOOの上位10銘柄

出所:US版 Yahoo! Finance

 言うまでもなくGAFAMが上位に位置するわけですが、そのウエイトも高く、10銘柄で約3割のウエイトを占めます。

 

 これと比較すると【IJH】は突出したウエイトの銘柄が無く、これといった特徴を見出しにくい印象です。米国株市場の成長を享受しようと思うとやや魅力に欠けているとでもいいましょうか。

 

 プライスの推移を鑑みても、ETFへの投資としてはS&P 500連動商品でよく、【IJH】への投資を無理に考慮する必要はないと考えます。

 

 このETFの使い方の一つは「未来のS&P500採用銘柄候補」を見つけることではないでしょうか。

 

 S&Pのインデックスは四半期ごとに見直されます。S&P500の採用銘柄の条件の一つは時価総額が131億ドル以上で、MidCap400の上限が閾値になっています。


 MidCap400の上位の銘柄は近い将来のS&P500採用銘柄になる可能性があります。

 

 S&P500採用銘柄になれば、その連動資金が当該銘柄を買いますので、明確な買い需要を産み、それは指数参入時に株価の上昇をもたらします。裏を返せばS&P500から除外される銘柄も必要です。

 

 のんびり長く付き合う投資とはいいがたいですが、投資のイベントでリターンを得るための情報源としてMidCap400構成銘柄の変化を追うために【IJH】をウォッチするという使い方ができるように思います。

 

 IJHはSBI証券楽天証券マネックス証券等が取り扱っています。機関も使っているETFですので、運用総額も大きいです。

 

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