たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

FXで失敗して1000万円近く損失を出した話

FXで失敗して1000万円近く損失を出した話

 FXは殆ど完全に需給で動いており、ファンダメンタルズなどは殆ど関係しません。テクニカルで説明できることもありますが、それが毎回パチッとはまるわけでもありません。不確定要素が強いゲーミングです。

 

 レバレッジをかけて売買すれば、当たれば大きいですが、外れれば一回で退場する破壊力をもちます。成功者が多く目につくのは、彼らが生き残り、情報発信できているからです。

 

 逆に、失敗した人は二度とやりたくない、思い出したくないと経験を封印することが多いです。そのため、失敗例よりもむしろ成功例が多く目につくということになります。

 

 かつて、FX会社の役員さんとお話しする機会に恵まれました。「統計として出してはいないが、1年持たない初心者が殆どである」ということでした。そのため、絶えず新規顧客を獲得し続けるというビジネスモデルになるわけです。

 

 そのような厳しい世界ですが、成功者ももちろんいます。しかし、自分がその成功者に名を連ねるかどうかは、運と才能次第の世界ですね。少なくとも、S&P500を積み立てることに比べると、ほとんどゼロに近い再現率の世界だからです。

 

 さて、今回はFXで失敗して1000万円近く損失をだした方から、ご質問を頂戴しています。

1000万円近くFXで失いました。

 はじめまして。いつも興味深くブログを拝見しております。

 是非、たぱぞうさまにご相談したく、メールさせていただきました。

 

 FXで3度の強制ロスカットがあり、資産を失いました。残金はすべて現金化してしましたが現在相場はほぼ戻ってしまい、自分のリスク管理の甘さにただただ悔やんでも悔やみきれません。

 

 簡単に自己紹介させていただきます。神奈川県在住、50歳独身の公務員です。投資経験は、たぱぞうさまのブログを拝見して、昨年3月にVTIを購入、今年2月中旬に売却してしまいました。

 

 FXは怖くてもうやめたいと思っていますが、先物の損失が900万強できてしまいましたので、少しでもこの損失を回復させたいと考えています。SP500連動のCFDをレバレッジ1倍で保有して、少しでも損失の穴埋めができたらと考えましたが、税務上損益通算不能なVTIを下落時に購入するべきか悩んでいます。

 

 もしも可能でしたらぜひたぱぞうさまのお考えをお聞かせいただけないでしょうか。定年を延長してこの損失を穴埋めする覚悟ですが、投資で失敗して数日で資金を飛ばした後悔で一人悶々と眠れない毎日が続いております。

 

 どうか将来に少しでも希望を持ちたく、ご相談させていただきました。

 どうぞよろしくお願いいたします。

1000万円の損失とFXの関係

 1000万円の損失は小さくありません。しかし、さらに運用する資産が大きくなってくると、200万、300万の損失というのは珍しいことではありません。

 

 逆に、損切りができないと生き残ることができない、そういう世界でもあります。つみたて投資とは根本的に違う世界ですね。元のご資産が分からないのですが、50代ということですから年金受給額も見えてくるころでしょう。また、早期退職制度も対象となってくるのではないでしょうか。

 

 そう考えると、無理して再度FXやCFDの差金決済で取り返すというのは、損益通算面ではそうですが、やや無理があるように思います。私ならば、完全に頭を切り替えて、普通に株で資産運用をします。

 

 CFD1倍でS&P500の運用は手数料面を考えるとそれなりです。長期保有の運用を考えると、向いていません。また、短期での運用はどうかというと、これもボラタイルで、投機的な側面が強くなります。

 

 コア投資としてつみたてNISAやドルコスト平均法での積み立てをし、老後に改めて備えていくというのが良いように思えます。

 

 今は、ショックでしょうけども、健全な勤務先でコツコツと年金の権利を得てきたのが効いています。人生が大きく変わるほどのインパクトではありません。気持ちを切り替えて、新しいスタートを切ることをお勧めしますよ。

 

 投資や投機でやられると、「取り返そう」として力が入り、さらに損失を重ねるということになりかねません。一度フラットな心で、ゆったりすることをお勧めします。今まで築き上げた自分のキャリアを信じればよいのです。

 

関連記事です。

  S&P500などのインデックスを、CFDで売買する、つまり指数にレバレッジをかけて短中期勝負するという手法ですね。これはこれで、個人的には好きな手法ではありますが、やはり値動きの上下動はつきものです。

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  淡々と、じっくりじっくり育てるのがつみたて投資の基礎基本ということになります。VTIやS&P500などは投資信託でも買えるようになりましたが、やはり海外ETFの商品の豊富さは魅力ですね。

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 なかなか激しい動きの中国ニューエコノミーETFです。

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