【FICO】フェア・アイザック(Fair Isaac Corporation)は信用リスク評価の企業
FICOは1956年にエンジニアのWilliam Fair氏と数学者Earl Isaac氏によってFair Isaac and Companyとして設立されました
現在、若干社名を変え【FICO】フェアアイザック(Fair Isaac Corporation)となっています。IT企業の多いサンフランシスコ州のサンノゼに本社があります。
クレジットスコアリング、信用分析会社として知られています。そのスコアは、FICOスコアと呼ばれます。消費者の信用リスクを測る、最もよく使われる尺度の1つです。FICOスコアは、エキファクス【EFX】、エクスペリアン【EXPN】、トランスユニオン【TRU】といった消費者信用を扱う企業でも広く利用されています。
エキファクスに関しては、情報流出事故を起こしてしまいましたが、現在立ち直りつつあります。弊ブログでも取り上げたことがありましたね。
そのFICOスコアですが、300点から850点の間で評価をします。平均点は700点前後です。評価内容は、住宅ローンやオートローンなどの債務の残高や質、返済履歴などで総合的に判断されます。競合としては、アリババグループの芝麻信用がありますね。
300点から500点はサブプライム層として分類、逆に750点以上は良好なプレミアム層として見られます。世界金融危機の引き金となった住宅のサブプライムローンは、FICOスコア分類で650点未満の人へ貸し出されたローンでした。
【FICO】フェア・アイザックの基礎データ
続いて、FICOの基礎データを確認しておきましょう。
【FICO】フェア・アイザックの売り上げと利益
売り上げはこの10年でほとんど右肩上がり、2倍近くになっています。今後もこういった信用情報というのは利用拡大することはあっても、縮小することは無いですね。営業効率向上を可能にしますから、信用データは非常に大事です。
例えば、不動産物件などは公開情報と非公開情報があります。あえて非公開にするのは、買える顧客に十分なリソースを割きたいためで、効率的な販売にしたいからですね。だから見込み客は口コミで物件が回ってくるわけです。
それと同じで、個人の信用スコアが分かれば、販売コストを効率的に使えます。そういう意味でも、今後も広いジャンルで拡大が予想されます。
【FICO】フェア・アイザックの配当と配当性向
連続増配傾向ですね。配当性向も落ち着いていますから、利益の拡大とともに配当も増えていくのでしょう。しかし、基本的にはインカムを狙う銘柄ではなく、キャピタルゲインを狙っていく銘柄です。
【FICO】フェア・アイザックのBPSとEPS
続いて、FICOのBPSとEPSです。基本的にはきれいな右肩上がりですね。自社株買いにも熱心で、この10年で2割の自社株買いを実施しています。キャッシュフローも潤沢です。
【FICO】フェア・アイザックのキャッシュフロー
キャッシュフローもきれいに伸びていますね。営業CFが大きく、投資CFが少ないという理想的なキャッシュフローになっています。
【FICO】フェア・アイザックの株価推移
株価は10年でおおよそ20倍ですね。強烈な伸びを示しています。PEレシオは60倍です。PEレシオなどで売買の判断はできない銘柄ですね。アナリストの評価は毎年のように上昇しています。
ただ、このところ鋭角に伸びすぎているきらいはありますね。FICOもリセッションには強くない銘柄ですので、ウォッチしておくと良いことがあるかもしれません。とはいえ、これもまた押し目待ちに押し目無し状態が続いています。
2018年末に買えた人はラッキーでしたね。
関連記事です。
国際的なインデックスベンチマークに強いMSCIです。大型株に強いS&Pグローバル、小型株に強いラッセル、国際ベンチマークに強いMSCIというカラーがあります。この3社が世界3大株式指数算出企業です。
S&Pグローバルです。こちらは大型株に強い指数算出と、ムーディーズなどと並んで格付けで定評があります。かつてはマグロウヒルという出版に強い企業でしたが、金融総合サービス企業として今は知られています。
米国にしかない業態の多国籍企業が多いので、そういう面でも米国株ETFというのは強いですね。S&P500の売り上げの4割はすでに米国外であり、米国企業を通して世界投資をするという考えが成り立ちます。