たぱぞうの米国株投資

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コストコ・ホールセール【COST】の銘柄分析。小売りのサブスク成功モデル。

コストコ・ホールセール【COST】のシンプル銘柄分析

 コストコ・ホールセール【COST】はアメリカ合衆国ワシントン州イサクアに本社を置く、ホールセールクラブ(会員制倉庫型卸売・小売)チェーンです。

 

 S&P500、NASDAQ100採用企業です。

 

 幅広い品揃えの有名ブランドと自社ブランドの商品を、低価格で販売するビジネスモデルです。また、ガソリンスタンドや薬局も運営しています。

 

 1983年9月15日に創業者のジェームス・シネガルとジェフリー・ブラットマンが倉庫型小売店を、ワシントン州シアトルに開店しました。シネガルもブラットマンも創業以前から小売業に携わっていました。

 

 1985年、NASDAQに上場します。

 1993年、同様の形態でほぼ同規模であった競合企業プライス・クラブと合併し、社名を「プライスコストコ(PriceCostco)」に変更します。


 両社の幹部で経営を行いましたが、1994年にソル・プライスとその息子ロバート・プライスが経営から離脱しました。ちなみに両社の合併前、ウォルマート創業者のサム・ウォルトンは、自社の会員制ウェアハウスチェーンであるサムズ・クラブとコストコの合併を狙っていたとされます。

 

 1997年、社名を「コストコカンパニー」に変更しました。さらに1999年8月30日、社名を「コストコ・ホールセール(Costco Wholesale)」(ホールセール=大量販売(量販))に変更しました。

 

 2015年に世界No.2の小売業となりました。2021年現在は世界No.3です。

 2021年9月現在、以下の817店舗を営業し、全世界に1億1160万人の会員がいます。
()内の数字は店舗数です。

  • アメリカ合衆国およびプエルトリコ (565)
  • カナダ (105)
  • メキシコ (39)
  • 日本 (30)
  • 台湾 (14)
  • 韓国 (16)
  • オーストラリア (13)
  • 英国(29)
  • スペイン (3)
  • フランス (1)
  • アイスランド (1)
  • 中国 (1)

コストコ・ホールセール【COST】の株価チャートと配当

 株価は5年で約3倍になりました。

コストコ・ホールセール【COST】の株価チャートと配当

コストコ・ホールセール【COST】の株価チャートと配当

出典: US版 Yahoo Finance

 過去4年はS&P500を上回るパフォーマンスでした。小売りセクターそのものが強かっ たので、セクター内ではアンダーパフォームすることもあります。それでも5年で3倍になったことがわかります。

コストコ・ホールセール【COST】のトータルリターン

コストコ・ホールセール【COST】のトータルリターン

出典:コストコ・ホールセール Annual Report 2021

 

 年4回配当していますが、配当利回りは大きくはないです。

コストコ・ホールセール【COST】の配当推移

コストコ・ホールセール【COST】の配当推移

出典: NASDAQ website

コストコ・ホールセール【COST】の基礎データ

  • 本社: アメリカワシントン州イサクア
  • ティッカー: COST
  • NASDAQ上場
  • 決算期: 8/31に最も近い日曜日

コストコ・ホールセール【COST】の売上高と利益

コストコ・ホールセール【COST】の売上高と利益

コストコ・ホールセール【COST】の売上高と利益

出典: コストコ・ホールセール IRサイト

売上高は大きくても、売値は仕入れ値に近いので営業利益はほとんどありません。

コストコ・ホールセール【COST】のBPSとEPS

コストコ・ホールセール【COST】のBPSとEPS

コストコ・ホールセール【COST】のBPSとEPS

出典: コストコ・ホールセール IRサイト

 BPSはでこぼこですが、EPSは右肩上がりです。

コストコ・ホールセール【COST】のキャッシュフロー

コストコ・ホールセール【COST】のキャッシュフロー

コストコ・ホールセール【COST】のキャッシュフロー

出典: コストコ・ホールセール IRサイト

 新規出店には用地の確保、建物の建設が必要ですから、それなりの設備投資が必要です。よって、営業CFは出店戦略に左右される傾向があると考えられます。


<コストコ・ホールセール【COST】のトピック>

 コストコ・ホールセール【COST】の最大の特徴は、会員制です。米国であれば普通会員の会費が年60ドルです。


 商品の販売価格の9割程度を仕入れにしており、メンバーシップfeeで利益を出す仕組みです。また、米国とカナダではメンバーシップを更新する人が9割以上という継続性が強みです。


 今では当たり前になったサブスクリプションサービスの先駆けと言えるでしょう。メンバー数は年5%程度増加しています。

コストコ・ホールセール【COST】の最大の特徴は、会員制

コストコ・ホールセール【COST】の最大の特徴は、会員制

出典:コストコ・ホールセール Annual Report 2021

 

 さらにこのビジネスモデルの強みは会員が買い物をしなくても、企業としての利益が上がることです。コロナ禍では強みを発揮するビジネスモデルと言えます。

 

 このビジネスモデルで成長を続けるためには、店舗同士の競合が発生しない場所に出店することが肝要です。会員の商圏が被らないようにしながら、会員を増やしていくということです。


 実際年20~30店の新規出店を続けてきています。

 

 一方で、小売業はどの企業であっても常に競争にさらされています。実際、コストコ・ホールセール【COST】のAnnual Reportには以下の通り、competitorとして具体的な名前を挙げています。

 

  • “Walmart, Target, Kroger, and Amazon are among our significant general merchandise retail competitors in the U.S”
    (ウォルマート、ターゲット、クローガ―、アマゾンは米国において小売業の重要な競争相手である)

 Amazon【AMZN】の存在感が増し、現在はコストコ・ホールセール【COST】を抜いて世界第2位の小売業になったことが象徴です。

 

 ショッピングしてもらわなくてもメンバーシップフィーで利益を出せるとはいえ、同じようなことをオンラインショッピングでできるようになりつつあるのも事実です。

 

 独特の店舗のワクワク感を守りつつ、オンラインショッピングと実店舗運営のバランスを取ることが今後の経営課題となります。

 

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