BTグループ【BT】はイギリスの高配当大手通信事業者
BTグループは大手通信事業者です。かつては「ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ」といいました。固定電話事業だけでなく、インターネット事業も行っています。固定電話事業者というと、基本は典型的な内需産業になります。
しかしBTグループの場合は海外事業も盛んです。170か国以上の国で事業展開をしており、海外事業の売り上げは全体の4割にも及びます。日本でも事業を行っており、赤坂にBTジャパンとして本社を置いています。
また、メディア事業も展開しており、イングランド・プレミアリーグの放映権を持つなどこちらも一定の競争力があります。
業態としてはアメリカのAT&T【T】・ベライゾン【VZ】・シンガポールのシングテル・スペインのテレフォニカなどが同業になります。いずれも成長性はさほどではありませんが、高配当を売りにしている銘柄群です。日本だとNTT・NTTドコモですね。
関連してご質問を紹介します。
BTグループ【BT】の企業分析は?
たぱぞう様
お世話になっております。度々失礼します。投資を熟考している銘柄がございます。イギリスのBTグループです。海外株は始めたばかりで、情報収集や企業分析に自信がなくご意見をおうかがいできれば幸いに存じます。
私の投資性向は、インカムゲイン重視です。長期ホールドを前提にしながら、もし株価が上がればキャピラルゲインも得るというものです。これまで日本株でそうしてきましたので、海外株もそのように考えています。
BTグループは配当利回りが5.35%であることから目に付きました。
ファンダメンタルは・・・
15〜16年の利益と比較すると今はかなり減益となっています。しかしながら、17年以降の業績および同予測は、売上横ばいですが増益です。ROEは、17年20.7、18年25.3、19年26.6です。
配当性向は、16年80%、17年70%、18年60%ほどです。株価は、減益に比例して右肩下がりでが、この先業績回復とともに株価も反転するのではと期待しています。事実、この2ヶ月は上がり基調です。PERは11.4倍と手ごろです。日興証券のレーティングは強気です。
買いに走れないのは同社の経営方針、成長戦略が読めないからです。英語の決算書を見て、すっかり萎えてしまいました。よろしくお願い致します。
BTグループ【BT】の基礎データ
個別銘柄の売り買いの判断はblogではできませんので、とりあえずBTグループの基礎データを見てみましょう。
BTグループ【BT】の株価と配当推移
2008年12月 株価10.5ドル 年間配当1.3ドル
2017年12月 株価18.3ドル 年間配当1.02ドル
少なくともこの10年に関してはおおよそ配当利回りが5%から6%の間を推移しています。通信事業者はどの国も高配当傾向にありますが、BTグループは特にその傾向が強く、現在も6%を超える利回りがあります。
株価はボックスに近く、上昇傾向はありません。直近2年は下げ続けています。2016年からの下げは1/2ちかくあります。反発を期待して買おうにも、高配当銘柄は金利上昇局面では債券と競合するために、どうしても株価が下げがちになります。日本を除いた世界各国が金融緩和をやめつつある中で気になるところです。
また、業態からすると成長性が殆ど期待できないことから、株価自体はしばらく揉みそうです。
BTグループ【BT】の配当と配当性向
リーマンショック後に大きく減配しています。その後10年近くかけてリーマンショック前の配当額まで回復してきています。配当性向は一度EPSを上回りましたが、すぐに60%まで戻りました。経過を見る必要はありますが、今のところ無理のない配当と言えるでしょう。増配もきれいに右肩上がりです。
BTグループ【BT】のBPSとEPS
1株資本=BPS
1株利益=EPS
BPSのマイナスがしばらく続きました。評価がバラつくのもこういうところにあります。EPSも業態の割にはそこそこ出入りがあります。
BTグループ【BT】の売上と利益
売り上げは殆ど横ばい、営業利益もそうです。営業利益率も16%から18.5%と安定しています。特別驚くような数字はありませんが、ここでの数字に関しては安定的と言えばそのような言葉が当てはまります。
BTグループ【BT】のキャッシュフロー
他の通信事業者とキャッシュフローも似たような数字が並びます。おおよそ営業CFの半分が投資CFというところです。設備の更新、新規投資も読みやすいため、キャッシュフローは安定的です。
メディア事業やインターネット事業は競争業者が多いです。また、固定電話事業やワイヤレス事業は寡占ですが、成長性に課題があります。海外進出は閉塞した国内市場位以上の売り上げを確保したという意味において効果的でした。しかし今後は、進出できる海外が限られてきています。
とはいえ、株価は下げ続けていることから底打ちは近いものと思われます。15ドルを割れるような水準になれば配当も含めて妙味が出てきます。業態や企業そのものに魅力があるというよりは、チャートと配当に魅力があるというところでしょうか。
ただし、反発も限定的でインカム狙いの銘柄ということになるでしょう。何かご参考になれば幸いです。
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米国の通信事業者であるベライゾンです。高配当銘柄として知られています。
AT&Tです。グラハム・ベル以来の電話通信事業者です。こちらも高配当で知られます。ベライゾンとAT&Tは買収戦略を展開しています。それにより、事業の成長性を補う方針です。
イギリスの携帯電話会社です。BTグループとは固定と移動体ということですみ分けています。ボーダフォンも海外進出に熱心です。こちらも高配当銘柄です。