バークシャー・ハサウェイ【BRK.B】への投資はそのままバフェット氏への投資
言わずと知れた、世界最高の投資家の一人、ウォーレン・バフェット氏が会長兼CEOを務める会社です。バフェット氏の持ち株比率はおよそ18%、名実ともにバフェット氏の会社と言って良いでしょう。
バークシャー・ハサウェイのあるネブラスカ州はアメリカの中央部の内陸に位置し、オマハは人口40万足らずの街です。バフェット氏はこの街に自宅を構えます。自宅は30万ドルで買った普通の一戸建てで、今も質素な暮らしをしています。足るを知る、という言葉を体現しているようにも見えます。
また、副会長であり、弁護士のチャーリー・マンガー氏の長年の功績も見逃せません。バフェット氏をしてパートナーと言わしめるチャーリー・マンガー氏との二人三脚がなければ、ここまでバークシャー・ハサウェイが大企業になることもなかったでしょう。
実質この2人による株式会社の形態をした投資会社であり、子会社群の事業は多岐にわたっています。
ウォーレン・バフェット氏は不世出の投資家とされ、世界中の投資家から尊敬を集めています。その投資手法については下記の関連記事のブログ、本をよろしければご覧ください。
また、バフェット氏は投資家で唯一世界長者番付に名を連ねています。世界の富裕者は殆どが有名企業の創業者であり、株式公開による富豪が上位を独占しています。バフェット氏の不世出な投資家ぶりが際立つ一つの資料と言って良いでしょう。
※バークシャー・ハサウェイのサイトから。バフェット氏らしい無駄のないテキストベースのサイトです。
なお、バークシャー・ハサウェイ株はA株とB株があります。もともとA株だけでした。A株はB株のおよそ1500倍の株価です。一株およそウン千万円もします。そのため、一般投資家にはB株がメジャーになっています。
バフェット氏は自社の株に流動性を求めておらず、本当に会社の方針を応援してくれる大口の長期投資家に持ってもらえば良いという考えでした。そのほうが短期的な市場の動きに左右されにくいからです。
しかし、投信会社が小口資金を集め、個人ではなかなか買えないA株を買い、間接的に小口投資家に販売しようとしたため、B株の販売に踏み切った経緯があります。バフェット氏はB株の発行に否定的でした。
バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の配当とチャート
1996年11月 株価22ドル
2006年11月 株価71ドル
2016年11月 株価143ドル
2017年 3月 株価200ドル
20年でおよそ10倍になりました。
バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)は配当を出していません。バフェット氏は配当を出すことにより税金を取られることを良しと考えておらず、その分の資金を投資に回しています。キャピタルゲインで株主に貢献をしようという考えです。
いわば、配当再投資を税金分含めて自動で行ってくれているようなものです。この20年で株価は10倍になっています。10年では3倍ちょっとです。
ちなみにバークシャー・ハサウェイはすでに成熟企業になっており、十分に大きな企業です。例えば、時価総額はすでに2016年時点でアメリカトップ5の37兆円あります。これは、フェイスブックやアマゾン、マイクロソフトに比肩する金額です。また、売上高は20兆円、ウォルマート、エクソン、アップルに次ぐ4位の企業です。
この規模を考えると順調すぎるぐらいに順調な成長を遂げてきた企業といえます。多くの投資会社、金融機関がリーマンショックで業務を縮小せざるを得なかったのに比べると、その投資眼の確かさに瞠目させられます。
バークシャー・ハサウェイ【BRK.B】の基礎データ
バークシャー・ハサウェイ【BRK.B】の基礎データを見てみましょう。
バークシャー・ハサウェイ【BRK.B】のBPSとEPS
一株資産(BPS)・一株利益(EPS)の両方が右肩上がりですね。特にEPSはおよそ2ドルから積み上げ、この10年で19ドル、9倍にもなっています。さすがバフェット先生というところでしょうか。
バークシャー・ハサウェイ【BRK.B】の売り上げと利益
きれいに売り上げが伸びています。複数企業、関連性の薄い企業群のコングロマリットになっています。通常は関連性のない企業の集まりというのは経営効率上はメリットは薄いのですが、そこはバフェット先生は別格ですね。
営業利益率は意外かもしれませんが、米国企業にしては実はあまり高くありません。直近では10%に届きません。そのせいで営業利益も下がっています。ただ、これだけ売り上げが伸びていますので、心配するほどではないですね。
バークシャー・ハサウェイ【BRK.B】のキャッシュフロー
キャッシュフローはやや数字の凸凹はありつつも、基本的には右肩上がりになっています。経営者のバフェット先生とマンガー先生が90歳前後のご高齢なのは気になるところですが、すでにこれだけ大きくなり、企業買収の意思決定に後進が関わっていることを考えると、リスクは限定的とも言えます。
傘下に複数企業を抱えることから、考えようによってはETFのような状態になっていますね。ともかく、投資・M&Aでここまで成長してきたバークシャー・ハサウェイ【BRK.B】は、日本ではあまり見ない形態の企業ですね。
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