BND、AGGの取引値が下がってきている
バンガード・米国トータル債券市場ETF (BND)
iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF (AGG)
この2つは債券投資を考えるならば外せないETFです。生債券をそのまま買うのもアリですが、この2つは株式と同じく売買が市場ででき、しかもETFですので分散が効いています。
また、バンガードとブラックロックの商品だけあって信託報酬が低く、運用も安定的です。そのボラティリティの低さはさすが債券ETFと言えるものです。
長期金利の上昇が債券価格を下げている
長期金利が上がると、債券価格が下がります。
古くて低利な債券は今の金利に合わせないと市場で売却ができません。そのため、古くて低利な債券は買ったときよりも安く売ることで、金利を実質的に今の金利にサヤ寄せする形にします。
たとえば100円で1%の債券を買ったとします。その後金利が上がり、100円で2%の金利の債券が発行されるとします。すると、1%の債券を市場で売ろうとしたとき、誰も買ってくれません。新しい債券が2%だからです。
そのため、古い債券を値下げします。値下げすることで利回りを2%にし、新しい債券の利回りに負けないようにするのです。
金利と債券の関係はこのようになっています。
米国10年もの長期金利チャート、BNDとAGGのチャート
実際に米国10年ものの債券の金利を見てみましょう。
このようにトランプ氏が大統領選で勝ったあとに10年もの債権の金利は急上昇をしています。さらに長期で見ると米国も日本と同様に金利は下がり続けているのですが、久しぶりに大きな反発のヤマを形成しています。
数年来のヤマです。
これはトランプ大統領の大きな財政出動に伴う金利上昇を見越しています。ただし、トランプ大統領は「まだ何もしていない」というところがポイントです。実態を伴うのか、それとも見せかけで終わるのか。
見せかけで終わって具体的な政策がついてこないのならば、そしてFRBの利上げが行われないならば、金利は急速に下がるでしょう。
BNDのチャートを見てみます。
※グーグルファイナンスから
BNDの10年チャートです。2010年以降で見るならば80ドルが下値になっています。値動き幅が小さいので利幅も小さいですが、確実性はなかなかのものです。
次にAGGです。
※グーグルファイナンスから
AGGの10年チャートです。同じく2010年以降で見るならば105ドルが下値になっています。
利上げと政策が見込み通りならば金利はもっと上がるのでしょう。つまりBNDとAGGは値下がりということになります。その場合、下値を割り込むと考えるほうが自然でしょう。
しかし、見込み通りでない場合、低金利に戻りますから値上がりということになります。なかなか投資妙味が出てきましたね。
このアメリカの金利上昇の影響を受けて、日本でも銀行株が上がり、住宅ローン金利が上がっています。米国経済と日本経済が切っても切れない関係であり、特に昨今は米国以上に日本が過敏に反応するようになっています。
関連記事です。噂のBNDの記事です。
こちらは噂のAGGです。
BNDを使ったこういう投資方法もあるかと思います。シンプルです。個別株をやる前だったらこれで良かった気がします。キャピタルゲイン税がかかるので今更戻れませんが。