たぱぞうの米国株投資

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ブラックロック【BLK】の銘柄分析。世界最大の資産運用会社

ブラックロック【BLK】の銘柄分析。世界最大級の資産運用会社

 ブラックロック社は「iシェアーズ」シリーズのETFなどで有名なアメリカの資産運用会社です。

 

 預かり資産は全世界のGDPの6パーセントに及ぶ7兆ドル、日本円でおよそ700兆円とも言われます。日本の一年間のGDPとほとんど同じ額を運用しています。今後も環境は厳しくなるとはいえ、4%程度の運用総額の成長が見込まれます。

 

 ETFなどを通して投資しているため、多くの企業の大株主になっています。その投資対象は全世界です。世界24か国で展開をし、上場ETFも数多くあります。

 

 ニューヨーク証券取引所だけではなく、東証上場のETFも充実のラインナップですね。ただ、こちらは流動性に課題があり、ETF本数を精選しつつありますね。いずれにせよ世界最大の資産運用会社という肩書を持つだけあります。

 

 さて、そのブラックロックは1988年にローレンス・D・フィンク氏によって設立されました。もともとは有名な投資運用会社であるブラックストーン社の債券運用部門として設立された形です。ですので、社名もブラックストーン・フィナンシャル・マネジメントでした。

 

 そして、1991年に社名をブラックストーン・フィナンシャル・マネジメントから今のブラックロックに変えます。

 

 その後、PNCに買収されますが1999年に再び独立し、株式を公開します。その後、メットライフ、メリルリンチ、バークレイズといった金融大手の資産運用部門と合併や吸収を経て今に至ります。リーマンショック、金融危機による業界再編にうまく乗った形です。

 

 機会を生かして、設立からおよそ30年で大きく成長しました。パッシブ運用において大きなトップシェアを築き上げており、しかもその業界は完全に寡占になっています。スケールメリットを生かし、価格競争力にも定評があります。

 

 特にETF運用に関しては、バンガード、ステートストリートを加えた3強は盤石に見えます。

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※ブラックロックのホームページから

ブラックロック【BLK】の配当とチャート

ブラックロック【BLK】の株価と配当

ブラックロック【BLK】の株価と配当

2006年8月 株価130ドル 配当0.42ドル

2016年6月 株価342ドル 配当2.29ドル

2017年8月 株価480ドル 配当2.5ドル

2019年9月 株価415ドル 配当3.3ドル

 

 株価も配当もよく伸びています。ただし、米国市場は2018年初頭からボックス相場入りしていますので、そこからはBLKも停滞気味ですね。

 

 2016年初頭にチャイナショックのあおりをうけて300ドルを割ったことからも分かるように、景気には非常に敏感です。 金融株特有の値動きをするので、比較的荒めの値動きをすることは頭の片隅に置いておかなくてはいけません。ベータ値は1.6ほどあり、高いです。

ブラックロック【BLK】の基礎データ

ティッカー:BLK
本社:アメリカ
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)

 

 続いて基礎データを見てみましょう。

ブラックロック【BLK】の売り上げと利益

ブラックロック【BLK】の売り上げと利益

ブラックロック【BLK】の売り上げと利益

  世界的なパッシブ運用全盛の中、スケールメリットを生かした経営が行われていることが一目で分かります。売り上げが伸び、高い営業利益率に裏付けられた利益。ワイドモート企業の強みですね。

 

 銀行や保険などと一緒に、ひとくくりに金融株としてしまうのは、ちょっと違うといえるでしょう。それはこの高収益体質を見ても明らかです。およそ40%の営業利益率はなかなか達成できる数字ではありません。

ブラックロック【BLK】の配当性向

ブラックロック【BLK】の配当と配当性向

ブラックロック【BLK】の配当と配当性向

 絵にかいたような右肩上がりの配当履歴を示しています。注目されてよいのはリーマンショック時でも微増とはいえ増配を維持しているところです。

 

 利益構造は強固と言ってよいでしょう。また、増配をしながらも配当性向は50%前後で抑えられており、持続可能な配当であることがうかがえます。 

ブラックロック【BLK】のBPSとEPS

ブラックロック【BLK】のBPSとEPS

ブラックロック【BLK】のBPSとEPS

 BPS=1株資本、EPS=1株利益

 BPS、EPSともにじりじりと値を高めてきています。リーマンショック後に発行済み株式数は1.5倍になりましたが、すぐに自社株償却を再開しています。リーマン前よりはまだ2割ほど多いものの、毎年自社株買いを実施していますね。

 

 これはGSなどが顕著ですが、米系金融機関はこの10年でずいぶんとリーマン後の増資分を吸収してきました。1つの信頼につながりますね。株式会社の正しい姿の1つだと思います。

 

ブラックロック【BLK】のキャッシュフロー

ブラックロック【BLK】のキャッシュフロー

ブラックロック【BLK】のキャッシュフロー

  投資CFが薄く、営業CFとフリーCFが非常に近い値になっています。

 

 今後、運用業界における勢力図が大きく塗り替えられることは考えにくいです。それを考えると、この寡占的な強みに裏付けられた良好なキャッシュフローも継続されると考えるのが自然でしょう。

 

 株価は常にアナリストの予想を下回る傾向にあります。PERも米国株の平均を大きく上回ることは殆どありません。そういう意味では適正値からあまり外れない株ということになります。

 

 とはいえ、信用収縮が起きれば当然ながら運用資金の引き上げが予想されることから、ある程度肝の据わった投資が求められる銘柄と言ってよいでしょう。

 

 現在、運用額の2/3がパッシブ運用であり、総収益の半分がパッシブ運用由来です。新規流入資金の多くがiシェアーズなどの低コスト商品に向かっており、今後もこの流れは加速することはあっても止まらないでしょう。これはすなわち、利益率の低下を意味します。

 

 チャールズシュワブが株式手数料の無料化をし、フィディリティ証券が信託報酬無料のETFをリリースしましたが、金融業界は今後引き続いてこのような「低コストの波」と向き合うことになります。

 

 とはいえ、これまでに十分なスケールを得ているブラックロックは、これからも業界のキープレイヤーであることには間違いないでしょう。先行きにやや不安が残る世界経済の状況を反映し、株価はやや割安です。

 

 ファンダメンタルズから判断するに、500ドル前後まで評価されてよいように見えますが、どうでしょうか。

 

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  ブラックロックの看板ETFであるIVVの記事です。バンガードのVOOと経費率最安レベルで争っています。ステートストリートの看板ETFはSPYであり、世界最大の運用総額を誇ります。バンガードの看板ETFはVTIです。

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