- 父子家庭と仕事の両立、養育費をどのように得ていくのか
- 父子家庭での仕事、養育費のバランスをどう考えたらよいでしょうか
- 父子家庭での最大の課題は、仕事・育児・家事とのバランス
- 父子家庭の仕事のカタチ、養育費のあり方
父子家庭と仕事の両立、養育費をどのように得ていくのか
投資をしていくにあたって、収入面からみた理想の家族は共働きです。突出して稼ぎの良い夫、あるいは妻がいるという場合を除くとそうなります。
逆に、何らかの事情で別離を経た父子家庭や母子家庭というのは、収入面で非常に厳しくなることが多いですね。特に、別離の時点で就労していない場合はそうです。日本における新卒ブランドは大きく、中途での採用が限られるからです。
厚労省の「全国ひとり親世帯等調査の結果」を引用します。
データは2016年、この父子家庭に私も世帯としてカウントされていたことになります。見ての通り、特に母子家庭においての収入は圧倒的に厳しい状況です。
母子家庭の場合は就職が課題となり、父子家庭の場合は継続した就労が課題となります。未来を担う子どもを育てるということは、個人では背負いきれるものではないですね。個人的には、このような片親家庭に対する社会保障制度が整うとよい、そのように願っています。
さて、今回は父子家庭の方にご質問を頂戴していますので、一緒に考えてみたいと思います。
父子家庭での仕事、養育費のバランスをどう考えたらよいでしょうか
たぱぞうさんこんにちは。
書籍の発行おめでとうございます。二冊とも読ませていただきました。時に難しく説明される米国株がここまでわかりやすく書かれている事に感動致しました。
特に再現性に関しては初心者でも具体的に取り掛かれる答えが書いており現時点での解のように感じます。
今回、父子家庭向けの資産運用のアドバイスをいただけないかと思いメッセージをさせてもらいました。たぱぞうさんも二人の子供を抱えながら奥様の介護を経験されたと読ませていただきました。
実は私も似た?環境で現在奮闘中です。
現在
- 私 40歳
- 非常勤会社役員 年収500万ほど
- 預金6000万円
- 株、投資信託合わせ500万ほど
- 持ち家 ローンなし
- 子供5歳と2歳
- 妻 他界
資産は独身時代から会社経営をしており、比率は預金が多めですが貯めてきていました。結婚後二人の子供を授かりこれからという所で妻を亡くしました。子育てには協力的な方だと自負していましたが、現実を知りました。
男手一つの子育てはかなりハードで仕事と併用する事は難しいものでした。結果的に仕事を役員から非常勤役員に変更し、年間の収入を落とす事で家庭の時間を増やす運びになりました。
この非常勤役員もいつまで続けられるかわかりません。上記踏まえた資産運用の相談させてほしく思います。
特に現時点での不安は
- 今後の収入が安定しない(いつ役員をやめるかわからない)
- かといってしばらくは新しく仕事をする事も難しい
- 子供の教育費などで預金を切り崩す可能性
今ある6000万円を投資に回せるうちに何とか土台を作りたいという気持ちです。いきなりぶしつけな相談で恐縮しております。もしお時間がありましたらアドバイスをいただけませんでしょうか。
失礼します。
父子家庭での最大の課題は、仕事・育児・家事とのバランス
ご自分で創業された会社の経営から退かれたということですね。様々な思いがあり、そのような結論を出されたこと、まず拍手をしたい気持ちです。
自らの経験からも、大変な状況であることは容易に想像がつきますね。自分と重ね合わせて、どのような言葉を綴るべきか、なかなか難しいです。
このままだと、時間ばかりが過ぎていきますので、ここで1つの考えをお示ししておきたいと思います。参考程度に目を通していただければと思います。
やはり、課題は仕事と育児と家事のバランスになるのです。この鼎立をどのようにするのかというのが最大の課題です。
人生を左右するような大きな決定をしない
最初にやや抽象的な話からします。
私の経験を振り返ると、介護休暇などを申請しなかったことが悔やまれます。今思えば、思い切って介護休暇を申請してしまえばよかったのです。しかし、収入が減ることや復帰後のあり方などが想像できず、フルタイムで働き続けることになりました。非常に多忙でしたが、体力と気力で乗り切りましたね。
しかし、今思えば何もそんなにがむしゃらに頑張ることはなかったのです。
もう少し、家族や病気と向き合えばよかったですね。時間とゆとりのない5年間を過ごすことになりました。
あとは、介護に適した住まいをローンを組んで買おうとしていましたね。結果的に、良い物件に巡り合わず、自宅の購入は別の機会に譲ることになります。これは、今となっては良い結果となりました。あの時、住まいを買っていればまた違った生活になっていたでしょう。
何が言いたいのか、ということですね。ズバリ、その時は真剣に向き合い、よく考えたつもりでも、あとになって考えてみると・・・。
「余裕のないおかしな考え」をしていたということです。
厳しい環境の時に、退職する、あるいは引っ越しするなど大きな決断はしないほうがいいですね。特に退職はおすすめしません。今の非常勤という立場、これは良い判断ですよ。そうやって凌ぐのです。
とにかく、去年より今年、今年より来年のほうが楽になるのです。子どもの成長とはそういうものですね。今のしんどさ、大変さは、時間が徐々に解決してくれます。これは、私の経験から強く思います。大丈夫です。毎年少しずつ楽になるのです。
細かいことですが、家事を子どもたちが分担してくれるようになりますしね。
投資の方向性は自ずとディフェンシブになる
厳しい環境です。しかし、光明があります。恵まれている点は持ち家があり、資産があるということです。当面はこれを守っていくことになります。
余裕のない生活をしているわけですから、分析に時間のかかる個別株に没入するのは難しいでしょう。
そうなると、淡々と株式指数の積立をしていくということになります。ただし、これらの投資で教育費をまかなう、とするとなかなか難しいと思います。使徒が明確なお金を投資で稼ぐのは、プレッシャーもかかるのでおすすめしないところですね。
学費として、一人1000万程度とっておき、残りのお金を運用していくというのが安全です。いざとなったら、年収上限はありますが奨学金という低金利の融資もあります。併せて可能性を探ると良いでしょう。
父子家庭の仕事のカタチ、養育費のあり方
結論を書きます。
1つ目は負担を減らしつつも、凌いで細く仕事を続けていくことです。私たちに限らず、生きていく中で常に順風満帆な人は殆どいません。多くの人は「凌ぐ」という時期があります。質問者さんの場合は、それが今ですね。
しかし、子どもの成長は劇的です。どうか前を向いて、日々を凌いで欲しいと思います。無理をせず、とにかく1日を凌いでいくということです。淡々と、多くを望まず過ごすのですね。無事に過ごせれば、それで十分なのです。
そして、毎日よく寝ることです。今は、将来のことを考える必要は無いのです。厳しい状況から描く将来は、良いものではありません。とにかく、今を生きる1日を無事に凌ぐということです。
2つ目は、資産運用です。学費分をとっておき、残りで積立運用をしていきます。分散期間は当初10年ぐらいのペースで、慣れてきたところでペースを上げても良いでしょう。
S&P500は分配金込みで10年で4倍ものリターンを出しています。この10年のイノベーション、それに伴う収益化はまさに産業革命と言って良く、ややドラスティックに過ぎましたね。
しかし、それでも米国株指数は最適解の1つである現状は変わらないでしょう。S&P500などの米国株指数への投資の最大の魅力は、「時間がかからないこと」ですね。自動積立にすれば、勝手に投資、運用されていくのです。これを活用して、時間を確保していきましょう。
明けない夜は無いのです。とにかく、今を凌ぐことです。細く長く、持続可能な生活を重ねていくことですね。そうすれば、いずれ時間が解決してくれるのです。光明が見えた時に、初めて自分の将来とお子さんの将来を思い描くと良いですよ。
きっと、今よりも良い未来が描けるのです。未来を信じて、ともに頑張りましょうね。
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平均所得と世帯格差です。このような統計資料は、私たちの生きる現代社会を生きるのに役立ちますね。
投資の選択肢を増やし、より引き出しを増やすというお話です。
保険は予期せぬ事態に備えるための大事な一手です。しかし、あくまで保険であり、資産運用を委ねるようなものではないですね。