資産1億円を目指して運用をしていくということ
個人投資家にとって、資産1億円というのは一つの目標となりますね。しかし、FIREするならばいざしらず、老後の資金ということならばそこまで必要ではないですね。年金があるからです。老後に全く収入がなくなるわけではないですね。
ネットの情報に触れていると、あたかも投資家は1億円というのが常識で、ややもすると通過点のような気になります。実際はそんなことは無いですね。やはり、現実的には数千万円を若いうちからコツコツ作り、老後に備えるというのが王道です。
あまり高い目標を設定すると、ストレスになります。要は、無理なく続けて長く働くというのが普通のあり方ということになります。もちろん、人生をやや尖らせたいというならば、FIREや独立というのも視野に入るのでしょう。
しかし、みんながみんなそんなに無理をしなくてよいというのも事実ですね。さて、今日は1億円を目指して運用をしていきたいという方からのご質問です。
資産1億円を目指して運用をしたいが、学資保険などの扱いに迷います。
たぱぞう様
突然のメールで失礼いたします。ご相談させていただきたいことがありメールさせていただきました。ブログの内容はとても勉強になりますし新たな気づきがあります。
ご相談したい内容は以下の通りです。
- 長期的な方針と考え方について
- 現在の投資対象の整理をしたい(もう少し少なく)がどうしたらいいか?
- 学資保険に充てている額の一部をETFに変更したいがどうか?
① 基本的な情報
【家族構成】
私(43歳)、妻(48歳)、小学生の子ふたり。持ち家のマンション居住。ローンは住居・車など一切なし。
【フロー】
私、年収約500万。妻、障害年金120万(年間で)。
【ストック】
預貯金4000万。ただし、親からの学資保険1400万(払込済み。今後5~10年後に支給)を算入しています。
【投資】
証券口座の運用額690万(家族4人合わせて)
(1)私
- つみたてNISA(楽天バンガード全米、eMAXISSlim先進国、eMAXISSlim8資産均等、eMAXISSlimS&P500、iFREE S&P500)
- 特定口座(eMAXISSlimS&P500、iFREE S&P500。それぞれ月10000円)
- Ideco(みずほDC定期預金、楽天バンガード全世界、楽天バンガード全米)
- 持ち株会(月5000円。8%の会社補助)
(2)妻・・・
- つみたてNISA(eMAXISSlimS&P500、eMAXISSlim全世界、iFREE S&P500)
- 特定口座(楽天バンガード全世界、楽天バンガード全米)
(3)子・・・
- ジュニアNISA(楽天バンガード全米、eMAXISSlimS&P500、eMAXISSlim 新興国)
【保険】
学資保険合計3本の保険。満期金120万(月々9300円支払い2028年まで)、満期金210万(月々9500円支払い2030年まで)、満期金630万(月々27000円支払い2031年まで)
【質問内容】
① 資産運用の計画と考え方について
まず今後10年で一番大事なのは、経済的に困ることなく子どもを育て上げることとその費用の確保と考えています。これについては学資保険(親からの支払い済みのものと現在支払中のもの)で一人1200万円ほど用意できる計算なので、高校や大学などの進学費用についてはまかなえると思っています。
さらに長い目で見ると、目標(夢)としては「61歳の定年でリタイアしたい。資産運用の結果次第では55歳ころで」「リタイア後にもう一度大学(院)に挑戦したい」「カナダに住みたい」を考えています。
リタイア後も何らかの形で定期的なフローは得たいと考えています。ETFなどで年間200~300万円。また、副収入的なものを今後作っていきたいとも考えています。
妻は現在働いておりませんが、今後仕事を得る目標で動いています。月数万円でも定期的な収入があればこれはとても大きいと思っています。
以上から、投資についての長期的な目標は、
- 61歳時点で1億円程度のストック。
- またそれの運用で年間200~300万円の定期的なフロー。
- これを実現するのに61歳までにトータルで4000~5000万を入金できるように。
と考えております。この計画、現実的でしょうか?
② 投資対象をもう少しシンプルにわかりやすくしたい
S&P500を対象にした投信が二つあったりと、不要な重複があるのかな?とも思います。
- コア:S&P500
- サテライト:ほかの指数(全世界、新興国など)
で継続していきたいと考えているので、もし現在の投資対象をある程度リストラしてシンプルにするならどういった内容になるでしょうか?(emaxisとifreeのどっちを選ぶとなると判断難しいですね)
③ 学資保険に宛てているお金を一部ETFに変更したいが・・・
月々46000円を学資保険にあてています。契約した当初は学資保険という選択肢しか頭になかったのですが、今改めて考えると変更してもいいのではと考えています。理由はあまり数字が良くないからです。
27000円の保険のみ払い込みを停止(解約せず満期まで寝かせておく)し、この額をVTI、HYD、VGTにあてようと考えています。
学資保険は私に何かあったときに以後の払い込みが不要になるメリットもあるので、三つあるうち二つは満期まで払い込みを続けようと考えています。
また、現時点で学資保険の払込額がそこそこの額になっているので、もしETFに一部変更して損が出たときでもダメージは大きくないと考えています。
妻の両親の高属性のおかげで経済的にはだいぶ助けてもらい、こうやって投資に取り組むこともできています。けれどもそれのみに頼ることなく経済的な自由を得たいと考えています。また、私は学生時代にある活動に傾倒し20歳ころからの十数年間が無駄だったのではないかと今でも思うことがあります。
しかし、「遠回り」を悔やんでも仕方ないので経済的自由を通していろんなことに挑戦し、一度しかない人生を自分自身のものとして生きていきたいと考えています。
そういう意味で「人生二度なし」、たぱぞう様の価値観にはすごく共感します。
長文となり申し訳ありません。もしよかったらご返事いただけると幸いです。お体にお気をつけてお過ごしください。
資産1億円を目指すということはマストではないし、老後資金ならばそんなにいらないのも事実
1億円は、現在の預貯金を考えれば達成可能と考えます。しかし、あまりその数字にこだわらなくてもよいでしょう。60歳まで働くのであれば、年金もありますし、そこまで老後資金が必要ではないというのも事実です。
おっしゃる通り、家族第一で考えてよいですね。
運用に関しては、十分もうお答えは出ていますね。学資保険が大きいですから、停止という扱いが良いでしょう。お子さんのための学資はすでにある程度潤沢ですね。高校から大学まで1人1000万が目安になります。
仰る通り、投資先はシンプルでもいいですね。新興国は特段魅力を感じませんが、思いがあるならば大事になさってください。個人的には投資額を考えるとeMAXIS Slim S&P500一本でもよいぐらいと感じます。
サテライトは、やはりあくまで成長セクターか、はたまた分配金利回りか、地域分散、アセット分散、こういった目線になります
奥様のご両親にご支援いただいているということ、素晴らしいですね。そういう関係性も含めて、築き上げてきた実績ということになります。
少し後悔されている学生時代の活動ですが、過去があって今がありますね。私も時々「もっと早く独立、FIREすればよかった」と思うことがありました。しかし、前職の私を知る人にそうではないと言われましたね。
前職では十分頑張り、その姿が良かったということでした。忘れていましたね、その時の自分の頑張りと思いを。
いずれにしても、かつての熱中があるから今があるのですね。そういう意味では、頑張った過去の自分が今の自分を育ててくれたとも言えます。長い人生において無駄なことなど案外無いのかもしれませんよ。
お互いに未来を信じて過ごしていきましょうね。
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米株や仮想通貨でがらりとフェーズが変わった人は多いですね。私もその一人です。
長い年月をかければ、難易度はかなり下がります。それが1億円という金額です。
1000万円を超えると景色が変わってくるのは事実ではあります。