たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

70代から始める米国株投資で大切にしたいこと

70代から始める米国株投資で大切にしたいこと

 70代から始める投資で大切にしたいことがあります。それは、収入とのバランスです。もし、年金のみの収入で生活をしているならば、あえてリスクを冒す必要はありません。安定収入があり、貯蓄がある。まずそれを大事にするのが一番です。

 

 年金収入に退職金を上乗せしていたり、年金そのものの金額が恵まれているケースでは、私たち現役世代以上に手取りが多いこともあります。そうした環境では少々リスクをとっても、収入が安定している以上リスクを抑えることができます。

 

 若い人の最大の強みは時間を買えることです。投資する国、商品さえ間違わなければ誰でも投資で成功を収めることができます。それほどに時間は強いのです。これは、世界経済が成長するということを前提にしています。

 

 逆に言うと、株式投資において最も旨味のある時期である、人口ボーナス期を過ぎた国に投資しても旨味は薄れます。せいぜい値動きに乗ったうねり取りをするということになります。

 

 話を戻しましょう。70代以降の投資はまずキャッシュポジションです。フルインベストメントで株式投資の割合を大きくし、大きく資産を減らすようなことは避けるべきですね。収入からのリカバリーが効きにくいからです。

 

 では、具体的にはどのような投資術を心掛けていけばよいのでしょうか。ご質問を紹介しつつ考えてみたいと思います。

70代からの米国株投資術は、どのようにしたらよいのですか

 今年74歳になる男性です。


 投資歴は古いですが、日本のバブル、2000年のITバブル、2008年のリーマンショックを経験し、毎回稼いだ利益の大半を失いました。


 リーマンショック後はほとんど株式投資から手を引いていましたが、3年ほど前から主として米国株に投資を始めています。年齢的にも大きなリスクを取れないので現在の持ち株は主として安定した高配当株が中心です。


 今回はたぱそう様のご意見を伺いたくてメールをしています。今、米国の金利上昇の影響で高配当株は総じて、値下がりしているので新規購入のチャンスではないかと思っています。


 通信株(T,VZ)はだいぶん持っているので、今はたばこ株(PM,BTI等)に注目しています。ただタバコ株の値下がりは米国の金利上昇の影響だけでなく各国のタバコ喫煙に対する規制の影響で今後少しづつ売り上げが減っていく可能性が最近の株価に織り込まれ始めているのではないかという不安を持ち始めております。

 

 でも安定したキャッシュフローは大きな魅力です。

 

 近い将来起きるであろう株価の大幅調整が心配で、未だに金融資産の半分をキャッシュ(ほとんどドル建て)で持っています。でもキャッシュのままだと年2%のインフレで目減りするのはほぼ確実です。


 今検討しているがAGGかBND等の債券ETFを購入することです。ただ米国の金利はまだ1年は上昇を続ける可能性が高いため、今債券を買うと1-2年後に値下がりするのが心配でなかなか購入に踏み切れまれません。また仮に購入しても米国と日本の税金を引くと手取りの利回りは2.3%*0.7=1.61%にしかならず、インフレに負けてしまいます。優先株ETFのPFFは金融危機に弱いので躊躇してしまいます。


 まだTなどの今値下がりしてる高配当株の方が多少の値下がりリスクを考慮してもずっと有利なような気もします。年間利回り3%(税引き2%以上)ぐらいを確保出来て、金融危機が起きても比較的安心できる投資先(最低5年後に解約可能)のアイデアがあれば教えて頂ければ有難いです。

 

 たぱそう様のご意見をお聞き出来ればと思います。

守りから入るのが70代の投資の基本

 まず、キャッシュポジションが大きいことを気にされていますが、これは良いことです。すでに前回のリセッションであるリーマンショックから10年近く上げ続けており、ご年齢を考えればここから積極的に、新たに株式相場に関わる必要は薄いでしょう。50%のキャッシュポジションというのは適正値に近いと思いますよ。

 

 キャッシュポジションが低くても良いのは、買った株式やETFが古くて、取得単価がうんと安い場合です。もしこういった株式が資産のほとんどを占めていれば、最強のポートフォリオと言えるでしょう。もしこういう米国株式があれば、買った当初から考えると凄まじい利回りで配当を吐き出しているはずです。米国株は増配するからです。

 

 よく、以下のように言われます。

100-年齢=投資比率

 これはやや保守的に過ぎるかもしれませんが、極力減らさないということを考えると妥当性はあります。年2%と言われるインフレは気になるところですが、株式相場は1日2%変動することもありますから、考えようによっては軽いです。

 

 金融危機が起きても比較的安心できるのは、適正な価格で買った客付けの心配ない不動産、それから太陽光です。しかし、もろもろ考えるとペーパーアセットで考えたほうがシンプルでしょう。

 

 そう考えると債券や高配当株、特に高配当ETFというのは良いと思います。しかし、債券はともかく、高配当ETFにしても金融危機の影響は大きいですね。

米国ETFのアセットクラスごとのチャートを見てみる

 こちらは高配当米国株ETFの代表格であるVYMのチャートです。リーマンショック時におよそ半値になっていることが分かります。

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 次に金ETFのGLDを見てみます。10%以上の値下がりをリーマンショック時にはしていますが、すぐに切り返しています。思い出したかのように逆相関になりましたが、株価が好調になるにつれて横ばいです。

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 最後に、債券ETFであるAGGです。リーマンショック時には10%以上下がりましたが、反発も早く、本来のディフェンシブさを発揮しています。金利上昇の影響は受けつつも、高配当株よりは影響は軽いですね。

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 いずれにせよ、減らさない投資というのを考えると最もボラティリティの低い債券ETFというのは魅力に思います。しかしこれも無理して入る必要は無く、やはりキャッシュポジションとの相談になりますね。

 

 退場しないこと、保守的にいくこと、とにかくキャッシュポジションだと私は思いますよ。

 

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