たぱぞうの米国株投資

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55歳からの老後を見据えた投資運用術

55歳からの老後を見据えた投資運用術

 一般的な高齢者夫婦世帯における月々の支出は30万円だと言います。実際に高齢者夫婦に入る年金等の収入平均は20万です。今現在、この差額の10万をどのように埋めていくのかが課題になります。

 

 また、年金は将来にわたって漸減するという試算があり、このままいくと国保に関しては現在の給付から2/3程度まで減ることもありうると言われています。いずれにせよ、この必要な生活費と年金との差額は広がることはあっても小さくなることは無い、そのように言えそうです。

 

 収入と支出の差額を埋める方法は3つあります。

  1. 仕事をできるだけ長く続ける
  2. 貯蓄を切り崩す
  3. 投資の運用益でおぎなう

 この3つです。弊ブログで提案しているのは、3「投資の運用益でおぎなう」ということになります。

 

 もし、仕事が好きでなるべく長く働こうと思っているならば、無理して興味がない投資をする必要はないのかもしれません。実際に70歳を超えても嘱託や前の職場の関連会社などで働いている人を見ます。

 

 最も望ましいのは、現役時代の肩書や資格などを生かして、籍だけおいてちょこちょこっと便宜を図るような立場でしょう。負荷も少ないです。しかし、そのような立場で仕事ができる人は限られています。

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 いつまでも健康であることが当然ではないこと、体が動かなくなっても富を生み出す仕組みは投資以外にないこと、このことを考えると「国民皆投資」というのも悪くはないでしょう。

 

 老後の収入をおぎなう方法として最も多いパターンは、「貯蓄を切り崩す」です。ただ、これには資産の目減りがついて回ります。収入が限られる中で資産がどんどん減っていく。しかも自分の将来が不透明で、医療費や介護費にどれだけ取っておくのかが不安。こういう中ではなかなか切実な選択となりそうです。

 

 そう考えると、金銭的にも心理的にも豊かな老後を迎えるためには、「できるだけ長く働いて、投資にコツコツ取り組む」というのが万人向けのベストな選択と言えるでしょう。

 

 今回は55歳の方から老後の投資資金作りということでご質問を頂いています。

55歳、500万の資金を投資運用して老後に備えたい

 はじめまして。いつもブログを拝見し、勉強させてもらっています。

 

 55歳の主婦です。主人は会社員(55歳)私はパートで働いています。
やっと子供の学費が終わった今から老後の為に投資を考えています。
(今まで投資信託を少しやった事があります)

 

 そこで相談なのですが500万を運用、毎月6万を積み立てと考えています。ブログを見ながら検討した投資先はVYM、VTI、ウィルスナビ、楽天全米株式インデックスファンドです。


 NISAも残っているので、NISA枠も考えています。この年になっての運用はどのようにしたらいいのか、アドバイス頂けると幸いです。宜しくお願いします。

55歳から投資をするならば

 結論から言うと、どれも悪くないです。ただ、実際に分配金が必要になる年齢が近いのが気になるところです。定年が65歳であればあと10年です。その後嘱託で70歳まで働くとしても15年です。

 

 そうなると、VYMで分配金を狙いに行くというのが妥当性あるように思います。

 

 あえて一般口座で日本の高配当株や日本株75%以上組み入れの高配当ETFで配当控除を狙いに行くという手もあります。ただしいうまでもなく、日本の個別高配当株はややレベルが高くなりますし、高配当ETFもさほど高配当というわけではありません。

 

 なにより、年金も投資も日本一国集中投資というところに不安を覚えます。また、配当控除も万能というわけではなく、損益通算が使えなくなるというのは知っておいて良いでしょう。

 

 もっともここの解釈は私のような米国株中心の海外投資をする人と、国内株メインの投資の人では見解が分かれるでしょう。

 

 また、このケースならばウェルスナビは無理しなくて良いと思います。ウェルスナビは自動でバランスよく投資してくれ、3000万円以上ならば信託報酬が0.5%になります。ただ、質問者様の場合は買い替える回数も対象も多くないと予想されます。つまり、リバランス上参考にするようなことも少なそうです。

55歳からのつみたてNISAも考えてみたい

 ご夫婦で働かれているならば、労働からの収入がしばらく期待できます。イデコは少々時期を逸していますので、つみたてNISAをご夫婦で始めるというのも妥当性があります。

 

 この場合でしたら楽天VYMよりも楽天VTIや楽天VT、もしくはifree S&P500などが選択肢に入ります。理由は、VYMの魅力というのは口数を減らさずに分配金を得られるところにあるからです。リターンはVTIのほうが高いです。成長株を含むからです。

 

 投資信託だと最初から分配金を出しませんので、より大きいリターンの見込める楽天VTIかifree S&P500か国際分散投資の楽天VTで良いということになります。もし、途中で資金が必要になれば、必要な分だけ途中解約してキャッシュを得るということになります。

 

 いずれにせよ、今後ご主人の退職金も期待されるところです。それを考えると、500万を適宜時間分散させ、退職金前に「投資の練習をしておく」ことは大変意義深いと思います。

 

 お子さんにかかる費用が無くなるのが大きいですね。それを生かしてつみたてNISAとVYMの併用というのが一応の結論となります。

 

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  長く働く、というのは老後の生活設計では今後必須になるでしょう。私も広い意味での仕事はおそらく一生続けると思います。

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  結婚が当然でなくなり、夫婦のカタチも様々です。どのように老後を過ごすのか、夫婦で歩むのか、一人で過ごすのか、それとも成人した子どもたちと同居するのか。そこでは収入が大きなファクターになります。

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