20年後の55歳でセミリタイアをするには
今の20代、30代は定年退職が70歳、あるいは75歳になっていてもおかしくありません。労働人口の減少は移民を受け入れない限り不可避だからです。また、定年延長に伴う年金支給年齢の後ずれも支給側からすれば魅力ですね。
かつては定年は55歳でした。しかし、今は平均寿命が延びています。そういう意味では、平均寿命に応じた就労期間というのは、道理にかなっているのでしょう。
さて、今回は現在35歳、55歳でのセミリタイアを視野に入れた方からのご質問を紹介します。
20年後の55歳でのセミリタイアを実現するためにジュニアNISAは必要か
たぱぞうさん、お疲れ様です。
以前、保険の件でご質問させていただいた、ゆさくと申します。たぱぞうさんのブログに出会って、早3年程が経ちました。それと同時に米国株投資、つみたてNISA等を始め、現在順調に資産を増やし続けています。本当にありがとうございます。
質問の前に、私の家族構成、資産等を提示します。
- 私:35歳(婿養子、教職公務員、北陸地方在住)
- 妻:34歳(教職公務員、資産運用に全く興味なし)
- 子:4歳、2歳(もしかしたらもう一人・・・)
- 持ち家:あり(名義は義父。四世帯同居)
- ローン:なし
<資産構成 投資期間約3年 SBI証券>
- 私のつみたてNISA:満額積立(全て楽天VTI)
- 妻のつみたてNISA:満額積立(全て楽天VTI)
- iDeCo:満額(年144000円、全てスリムS&P500、早期退職願望があるので、退職所得控除枠の5年のカラクリを考えると、続けるべきか悩み中です。2000万円前後は退職金がでるはずなので。)
特定口座:
- MO98万円(ー48万円、1年かけて売るつもり)
- QQQ21万円(+1.4万円、毎月2株定期買付)
- VGT115万円(+23万円、毎月2株定期買付)
ドル積立:
- 毎日3000円分(月66000円程)
保険:
- ネット定期生命保険57歳まで(月5000円、死亡時3000万円)
貯金:
- ドル66万円。円では、私個人はほぼほぼありません汗(車検等の準備金として月2万円程貯金)世帯としては、妻が貯めています。(私から月7万円渡しています。)
さて、今回は制度が変更になった、「ジュニアNISA」についての質問です。変更前は、資金拘束がネックだったので、開設せずにいました。しかし、変更で2024年以降は自由に引き出せるようになりました。いかがお考えでしょうか?
- ジュニアNISAを開設する場合
楽天証券(楽天銀行と同時開設)でジュニアNISAを2人分開設し、貯金のドルを円に換え、更にドル積立、特定口座での買付をやめ、まず今年40万円×2口座(円で2568を買付)で購入。
足りない分は、MOの売却金をあてる。それを2023年いっぱいまで続ける。子ども1人につき160万円拠出。5%で10年回したとして、ざっくり263万円になる。大学の入学資金等として使用予定。必要なければ、プレゼント。
とまぁ、リスクも何も考慮せず、面倒くさい絵空事を並べ立てましたが汗、迷っているのは以下2点です。
- 非課税枠を埋める、という観点から、ジュニアNISAを始める。
- 自分の目標が「55歳で資産1億円。人生二度なし。早期退職、自由な時間を確保して、QOLの向上!死ぬまでチャレンジライフ!!」なので、このまま特定口座でQQQ、VGTを愚直に積立し続ける。入学資金等は、世帯の貯金、必要とあらばつみたてNISAを売却して対応する。
インデックスでコツコツ投資が自分に合っていると考えています。
話が右往左往して申し訳ございませんが、何卒アドバイス頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。失礼します。
追伸 たぱぞうさんにおかれましては、お体を十分にご自愛の上、今後益々のご多幸を祈念しております。
20年後の55歳でセミリタイアは十分可能
徐々に投資方針が固まっていますね。個別株は売った後に爆上げ、ということは銘柄選定は合っているわけです。しかし、売り時が難しいのですね。成果が出ていないならば、成果の出ているETF投資に切り替えるのは道理にかなっています。
住居費がかからず、しかも4世帯同居ということは、世帯年収で言えばかなり余裕がありますね。年金は2世帯、現役の給料は2馬力。素晴らしいです。ご夫婦で教職に就かれているのも大きいです。
地方において生活コストをかけず、しかも安定した、なおかつ都市部とさほど変わらない給与水準の仕事を得るということ。これはQOLを考えると最善の選択といってよいでしょう。
つまり、積み上げてきた努力が見事に実を結び、安定した生活を手に入れているということです。地域の公立高校に進学し、地域の国公立に進学、地域の公務員になるという生き方は確かにありますね。
私はこれを「地域エリート」と勝手に名付けていますが、彼らは一様に優秀なゼネラリストですね。無理して都市部の大学へ進学し、東京などの大都市で高い住居費を払いつつ働く必要はないわけです。結局、収入と支出のギャップが金銭的な豊かさを生むのです。
偏差値やステータスを追い求めすぎると、自分が何を求めて生きているのかわからなくなることがあります。私も一瞬足を踏み入れかけたことがありますが、終わりなき焚き付け社会に気づいてからは、違う道を選びましたね。
さて、話がずれました。
ジュニアNISAは学費などの原資とするのを狙わないほうがいいでしょう。相場の上下動で心が動揺します。
あくまで余裕資金で取り組むならばありですね。むしろ、取り組んだほうがいいです。理由は非課税だからです。非課税系をコアにして、おっしゃるようなETFをトッピングして、成長性あるセクターへのエクスポージャーを高めていくのがベストです。
また、質問者さんの場合は、おりしも個別株投資を卒業されようとしています。ちょうどよい切り替え動機になるでしょう。
ドルでの預金はあまり意味がありません。やはり、何らかの価値を生み出すアセットにしないと、どんどん減価していきます。おっしゃる通り、今ある貯金はジュニアNISAの原資にするとよいでしょう。大学入学資金やプレゼントというのは、その時に考えればよいですね。
ご夫婦で同じぐらいの給与を得ているということは、1馬力で倍働いているのと同じです。つまり、世間的には55歳の早期退職でも、ご夫婦で40年働くことになるのです。こう考えると、社会貢献は十分。55歳になった時に、資産が増えているように着実な投資をしていけばよいですね。
今ある環境を大事に、自分の信じる道を共に歩みましょうね。
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住宅費をどのように節約していくかというのは大事なことです。金利見直しは、手間のわりに成果が大きいですね。今はネットで簡単に金利を下げることができます。
新興国をPF入れる、いれないというお話ですね。
保険は大事ですが、付き合い方の基礎基本を押さえておきたいところです。