相続で得たお金の運用方法
投資には大きく分けて2種類の方法があります。
- 直接的な投資
- 間接的な投資
それぞれどのような投資かということです。
直接的な投資
直接的な投資は、日ごろ話しているような株や不動産へ投資をして増やしていくことを指します。お金がお金を生み出すような仕組みを作っていくということです。かつては年金に盤石の信頼がありました。
そのため、お金がお金を生み出す仕組みは、お上が何とかしてくれる。そういう依存的な感覚でも老後は安泰でした。しかし、これからは定年が延び年金支給年齢が上がり、さらにはその金額もどうなるか不透明な運用状況です。
そういう意味ではかつてないほどに重要性が高まっているのが直接的な投資だと言えるでしょう。
間接的な投資
間接的な投資は、直接お金として返ってくるか分からない、将来への投資です。例えば、留学をしたり、資格取得の学校へ通ったり、そういった自分の価値を高めるような投資です。
あるいは海外旅行をしたりといった生活の価値を高めるような投資も、広い意味でこれに含まれるでしょう。
中高年になるとこの部分の支出割合は自然と減ってきますが、特に若い世代においては大変に価値ある投資になります。場合によっては、その人の人生を決定づけるような投資になるからです。
お金はある意味では生き物です。その使い道が死に金になるか、生きたお金になるか、有効に使うということは後者を意味することは言うまでもありません。
さて、今回は相続のお金をどのように運用するかということでご質問を頂いています。
高校生と大学生に相続のお金がある
たぱぞう様 こんにちは!毎日、記事を大変大変、楽しみにしております。
今回、思い切って質問させていただきます。
たぱぞう様はじめ皆様のブログで勉強させてもらいつつ、米国株投資を昨年より始めました。高校生、大学生のこどもたちにも各々NISAあるいはジュニアニーサを開設し、現在は楽天全米と楽天全世界を半々ずつ積み立てしています。
数年前に親族が急逝し、その時に子供たちが相続し定期預金に預けた650万円が来月、それぞれ満期になります。そこで、それをどのように運用するのがよいか悩んでいます。
米国を中心にした海外の株で長期に運用していくことがよい、と考えてはいますが、子どもの口座ゆえ、外国株取引の口座までは作らずにシンプルに投資をするとなると、現在買っているような投資信託か、【1557】S&P500ETFを数年かけて購入するのが一番いいのかな?と思いあぐねています。
たぱぞう様でしたら、どうされますか?ご意見をおきかせいただけるとありがたいです。お忙しい中申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。
子どもたちの将来に資するようなお金にしたい
まず、せっかくの相続のお金ですから、大学生のお子さんと高校生のお子さんの将来に資するようなお金にしたいですね。
お子さんの資質を見極めたうえで、大きく分けて2つの生かし方があります。
- お子さんに運用を教える
- 自分の価値を高めるものに使う
こういうことになります。
お子さんに運用を教える
特に大学生のお子さんには運用の基礎基本を教えて良いと思います。お金の存在を教えたうえで、最低限に読むべき本やブログを伝え、そのうえで運用させてみます。何を買うのか、どうしてそれを選んだのか、聞き出しておきたいところです。
学生のうちから運用をすれば、社会人になってからもiDeCoやつみたてNISAを始めスムーズに資産形成に入れます。ただ、お子さんの気質によっては浪費につながってしまったり、勤労意欲の減退につながってしまうケースもありますから、ここは見極めが必要です。
学費など自分の価値を高めるものに使う
もし留学などを考えているのでしたら、その頭金に十分なります。また、やや近視眼的になりますが、学費にするというのも手でしょう。いずれにせよ、社会に出る前に自分の価値を高めるような、なにかそのようなものに使えると良いですね。
ただし、これも本人のやりたいことや資質に関わることですので、ケースバイケースということになります。
相続させるにはまだ早いという場合
相続させるにはまだ早い、そう考える場合には質問者様が運用することになります。比較的出口が近いならば、ドル転を無理してする必要はありません。円建てで運用するのがシンプルでしょう。
楽天VTI、楽天VT、あるいはS&P500系の投資信託というのは妥当性があります。ただし、リスクはあります。これらの商品に限らず株式系の金融商品は期間が短いほど元本割れのリスクも高まります。
また、使途が明確になっているケースは運用は適しません。その場合は、もったいなくは感じますが現金がもっとも安全です。数年でドルや円の価値が大きく毀損することは考えられないからです。
反面、株式は指数でさえも何十パーセントの下落という可能性があります。もちろんその逆もあり得ます。このような変動に幅に生きるのが株式だということです。
たぱぞうならばどうするか
ちなみに私ならば必要書籍を読ませたうえで、「ボーン」と運用させてみます。得するか、損するか、それも含めて経験という投資だと思うからです。意外かもしれませんが個別株も勧めますね。ただし。その相続の裏にある、祖父母の思いはきちんと伝えたいですし、伝わらないような印象であれば渡しません。
1つの組織に依存した生き方が揺らいでいる社会です。困難な現代社会を生きぬく術を投資運用という側面からも伝えておきたいと思っています。たぱ家は祖父、父、私と3代にわたってささやかな株式投資をしていますので、そういう発想になります。
生きたお金になると良いですね!
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学費を資産運用で作るという発想もあります。ちょっとリスキーですね。逆にこれができるぐらいの腕前ならばかなりの上級者です。
今は学費の高騰が激しく、奨学金利用というのが珍しくありません。給料は上がっていませんので、返済が大変です。
高校から私立大学へ進学するとこの7年で1000万かかるという試算があります。大変な出費になりますね。子育てにお金がかかりすぎること、これも少子化の一因です。