たぱぞうの米国株投資

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米国長期金利がジワジワ上昇

米国長期金利の上昇

 米国の長期金利が上昇しています。2017年6月末からの上昇ですので、期間としてはさほど長いものではありません。しかし、1か月のチャートで見るとそれなりにインパクトあるものになっていますので、触れたいと思います。

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米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

 まず、トランプ大統領就任以来、法人税減税を始めとする政策期待から株高を続けてきました。この間のリターンは高く、2016年のS&P500のリターンがおよそ10%、2017年に入ってからもQ1で5.5%、Q2で2.6%となっています。

 

 このため市場では、マイルドな値動きの債券ではなく、より景気に左右される株式を買い進む傾向が続いています。また、トランプ政権への期待値だけではなく、実際の米国経済も各種統計を見る限り堅調と言ってよく、FRBも金利上昇を加速させています。

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 バンガード債券ETFのBNDのチャートです。短期的にはきれいな逆相関を描いています。今の水準でも十分魅力的ですが、今後米国の金利上昇が継続的ならば、さらに下がるのがセオリーということになるのでしょう。

ユーロ圏内の金融緩和動向

 米国だけでなく、ユーロ圏内も長期金利が上昇しています。これは、欧州中央銀行の動向を受けてのことです。

 

[フランクフルト 2017年7月6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が公表した6月7─8日開催の理事会議事要旨によると、必要に応じて資産買い入れを拡大するとの従来の文言について、当局者が削除することを協議していたことが明らかになった。

 

ECBはこのいわゆる「緩和バイアス」の削除を検討する一方、これに伴う市場の混乱を強く警戒しており、行動を急がない公算が大きいことも示された。

 

ECBは6月の会合で、ユーロ圏景気は回復しているものの、なおインフレ加速には至っていないとして、文言削除を見送った。だが議事要旨では「インフレ見通しへの確信が一段と高まれば、このバイアスを維持するか見直す可能性がある」と指摘している。

 ECBは金融緩和策として金融資産の大規模な買い入れを継続しています。これは2017年内は実施される見込みですが、出口戦略、つまり買い入れの縮小、停止を探る時期に差し掛かっているということです。

 

 2011年のギリシアショックなど落ち着かない状況が続いてきたユーロ圏ですが、ここにきて様相が変化してきていることは知っておいてよいでしょう。

 

 2017年3月に中銀預金金利のマイナス金利(0.4%)の継続はしたものの、国債などの金融資産の買い入れは月800億ユーロ規模から600億規模への縮小をしたばかりです。年末へ向けて、今後の縮小スピードに注目が集まります。

 

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イギリス 10年 | イギリス 10年 債券利回り

 ブレグジット表明後とは言え、ユーロ圏との関係性は否定できません。イングランド銀行総裁の金融政策解除の発言を受けて、イギリスの10年債券利回りも上昇しています。

 

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ドイツ 10年 | ドイツ 10年 債券利回り

  ユーロ圏の中心国であるドイツはイギリス以上に如実にECBの動向の影響を受けています。ユーロ圏の金利は金融緩和終了に対して敏感になっており、要人の発言によく反応しています。

日本の金融緩和動向

 対する日本です。

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 日本の場合は長期金利が上昇傾向を見せると、日銀が国債を買い入れることで上昇をコントロールしています。

 

 それでも米国、ヨーロッパの影響を受けて上昇傾向にあります。ただ、その%は桁が違い、限りなく0%に近い状況は変わりません。

 

 2%のインフレ目標が達成されるまでは一連の金融緩和を継続させることを明言していますから、日本はまだ明確に金融緩和の出口戦略が語られていません。それでも、米国、ヨーロッパがすでに金融緩和政策からの脱却を図っていますから、影響は必至と言ってよいでしょう。

 

 関連記事です。

 利上げに転じたこと自体は2015年からです。しかし、チャイナショックなどに見られるように、安定的な経済成長が見込まれませんでした。そのため、金利上昇はほとんど実行することができませんでした。

 

 このところの利上げスピードは当初FRBが思い描いていた通りになりつつあると言ってよいでしょう。

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 金利差と為替動向は無視できない相関があります。しかし、私は基本的にはこの差を生めるだけのリターン、つまり強みが米国株にはあると思っています。そのため、今はドルを増やし、ドルで配当を得ていく、シンプルな投資方針です。

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  ドル建て投資の3つのメリットをまとめました。為替差損益はボックスである限りにおいて、気にするほどではないというスタンスです。基本的には長期的には実質円安に進むというのが私の読みです。それは、過去30年を見ても明らかです。

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