たぱぞうの米国株投資

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資産管理法人のメリットデメリットとは

資産管理法人とは

 2010年以降の株式相場、不動産相場の環境がよかったこともあり、資産管理法人を持つ投資家が激増したように思います。資産管理法人というと、なにかハードルが高いような気がしますが、普通の会社と何ら変わるところはありません。

 

 会社は売り上げと所得があれば成り立ちます。実は従業員というのは必須ではなく、代表がいればあとはアウトソースでも問題ありません。人を雇ったり、場所を借りたりすると固定費になります。そのため、資産管理法人は代表1名かせいぜい親族での経営というところが多いですね。

 

 そういう意味では、街中で見るような中小企業の1つと何ら変わらないということになります。違うのは売り上げの作り方です。労働資本を投下して、何かを仕入れ販売したり、サービスを提供するわけではありません。

 

 売り上げ、所得、つまり収入の原資は以下のようなものがあります。

  • 不動産収入
  • 売電収入
  • 配当・分配金
  • 印税

 などなど・・・。要は売り上げと所得が成り立てばよいのです。いくらぐらいの売り上げ、所得から法人を考えるのかということもよく聞きます。最低限赤字でも黒字でも支払わなくてはいけないのは、均等割部分の年7万円ですね。ほかに税理士さんの費用がかかります。

 

 つまり、資産管理法人にするかどうかは、税理士費用プラス均等割を支払っても法人化する価値があるかどうかということになります。これは、株式ならば分離課税の20%との比較になるでしょうし、不動産ならば個人所得との比較で個人事業主か法人かで検討することになります。

 

 中には、法人決算の申告を自分で済ませ、均等割のみの負担にしてしまう勉強家もいますね。おすすめはしませんが、収支がシンプルだとそれも可能です。そうなると年に7万で法人が維持できるというわけですね。

 

 だいたいにおいて、設立費用と維持費の安い合同会社で器を作っているところが多いですね。私も相場に恵まれて法人化した一人ですが、改めてここで簡単にメリットとデメリットをまとめておきます。

資産管理法人のメリットとは

 資産管理法人のメリットは以下にまとめられます。

  • 法人と個人の税率を踏まえた所得分散
  • 9年に及ぶ赤字の繰り越し
  • 交際費など経費裁量
  • 相続を視野に入れた資産運用
  • 各種企業補助施策の活用

 このようなものがあります。個人の所得税率が高い場合は法人税のほうが安くなりますから、所得を分散させるという発想もあるでしょう。

 

 ただし、国税+地方税で考えると法人税も驚くほど安いわけではありません。よく国税部分だけで論じられている税率がありますが、地方税と預り金のような消費税部分を考えるとなかなかの重みです。

 

 赤字の繰り越しは個人事業主が3年なのに対して、法人は9年と長いですね。また、経費裁量も大きいです。加えて、効果は大きくはないですがIT導入費などの政策の恩恵を受けるケースがまれにあるのも対法人でのメリットの一つです。

資産管理法人への道は意外にシンプルに開けている

資産管理法人への道は意外にシンプルに開けている

 コロナでは持続化給付金の200万円、感染症対策費などが話題になりましたね。

 

 いずれにしても、サラリーマンがすべて天引きされるのに対して、法人は諸経費引いた中での所得ベースでの考え方になるというところが違いです。しっかり納税してお国や地元に還元したいところです。

資産管理法人のデメリットとは

 資産管理法人のデメリットはずばり維持費です。設立は自分でもやれますが、司法書士さんなどを通すとワンショット7~10万円程度、年間顧問契約の税理士さんがいろいろですが年30万~70万円、それから先の均等割の年7万円ですね。

 

 逆に言うと、設立から税務まで自分でやれば安くなります。しかし、当然そこには投下する労働資本と時間が発生します。そのため、個人で資産を管理する場合とのバランスが大事になります。個人の資産管理は法人よりもシンプルで簡単です。

 

 しかし、逆に言うと可塑性に富むハンドメイドな面白さが法人経営の醍醐味かもしれません。

 

 さて、簡単にまとめたところで資産管理法人に関するご質問をご紹介します。

資産管理法人を立てるタイミングはいつが良いのか

たぱぞう様

 初めまして。いつも楽しくブログや著作を拝見させていただいております。資産管理法人(マイクロ法人)の設立についてご助言いただきたく連絡いたしました。

【家族構成】

  • 私34歳 公務員 年収580万
  • 妻34歳 会社員 年収170万(時短勤務中)
  • 子 1人(2歳)

【資産状況】
 私

  • 預金1150万
  • 生前贈与700万
  • 贈与予定250万
  • NISA(eMAXIS Slim 米国株式S&P500と楽天VTIを半分ずつを積み立て中)

 妻

  • 預金460万
  • NISA(eMAXIS Slim 米国株式S&P500と楽天VTIを半分ずつを積み立て中)

 子

  • 預金180万
  • ジュニアNISA払い済み(eMAXIS Slim 米国株式S&P500と楽天VTIを半分ずつ)
  • 現在320万(ジュニアNISA終了に伴い320万円

【生活の状況など】

  • idecoは出口で課税されることや預金に関して課税される可能性などからNISAの非課税を増やすことで良いという判断をしています。
  • 楽天経済圏で生活費のほとんどをクレジットカード払い
  • ふるさと納税
  • 格安simでスマホを使用等で質素な生活を心がけています。

【今後の投資予定】

 妻と子については現状の投資を続ける予定です。私については,今年より預金からNISAで10万ずつ投資信託を購入する予定です。また,月々の収入の中からさらに10万円非課税枠で投資信託を購入することが可能な状況です。

 

 積み立てシュミレーションを行うと20年後には1億あたりまで資産が増える予定です。

【質問】

 前提が長くなりましたが,定年まで働くと1から1・5億まで膨らむ予定の資産をどのように管理すべきかという質問です。

 

 資産管理会社を作り,子どもに資産を残すのが最適解かと考えています。50代前半でこのくらいの資産フェーズなら資産管理会社を作るべきではないのでしょうか。

 

 また資産管理会社を作るなら30代前半から具体的にどのように学習していけばよいでしょうか。お忙しいとは思いますがご助言いただければと思います。よろしくお願いします。

売り上げと所得が立つタイミングから法人化が視野に入る

 将来的な相続を視野に入れていられるということですね。相続人が住んでいる家、つまり小規模宅地の特例を除いた以下の部分が参考になります。

  • 相続税控除3000万+(法定相続人人数×600万)

 こちらを大きく超えるようならば、法人化してあるいは株式などを持たせた相続が視野に入りますね。ただし、前述の通り個人の譲渡益税や配当にかかる税金などの証券税制は実は恵まれており、どちらがベストかというのは、ある意味では永遠の課題です。

 

 法人自体は冒頭申し上げたように売り上げと所得が立てばすぐにでも作れますが、もうちょっと手元資金を厚くしてからが安心でしょうね。ぎりぎりで取り組むと何事もよくありません。

 

 また、株式だけで法人を維持管理していくのもなかなか難しい話です。大きな資産が必要になります。レバレッジをきかせにくいからですね。

 

 現実的な話としては、不動産などで売り上げと所得を作りつつ、並行して個人でも資産形成をする、そのタイミングでの設立ということになりますね。なんともかんともケースバイケースですが、あとはざっくりメールを差し上げた通りとなります。

 

 ともに資産形成をがんばりましょうね。

 

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ある意味では究極系とも言えます。

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