たぱぞうの米国株投資

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投資をいつまで続け、自分以後に何を託すのか

投資歴の長いベテランが意識し始める「自分以後」

 投資歴が長くなり、ベテランの域に達してくると意識してくることがあります。それは「自分以後」のことです。

 

 投資がある程度わかる人は、個別株は整理し、インデックスは保有など選択ができるのでしょう。詳しい人はさらに掘り下げることも可能です。しかし、まったくわからない人にとっては、投資商品は海千山千、時価での現金にしか見えないはずです。

 

 そういう意味では、ある程度高齢になってくると、わかりやすいアセットに置き換えていくというのは妥当性があります。また、遺言書の作成をしたり、法人の役員に親族を迎え入れたりという手続きをする人もいるでしょう。

 

 いずれにしても、投資を自分一代で考えるのか、ファミリーで考えるのかというのは永遠の課題でもあります。

 

 自分が築いてきた知識や経験を、無形のレガシーとしてアセットとともに継承していきたい人もいるでしょう。一方で、自分一代で使い切りという考えもあります。どちらが正しいというのはないですね。

 

 さて、今日は投資歴40年以上のベテラン投資家さんからのご相談を紹介します。

投資歴40年超、投資を「自分以後」に広げつつあります

はじめまして。いつも楽しみに拝読しております。


 私は、現在71歳の年金生活者です。将来の相続を踏まえて投資、生前贈与を行ってきましたが、この方法についてご意見をいただけるとありがたいです。


 家族状況ですが、妻(61歳)、息子1人(大学3年生)、持ち家あり

 フローの収入は

  • 年金 6.5(公的年金 3.0、企業年金等 3.5) 百万円
  • 配当 1.0百万円 (生活防衛資金に充当)
  • 毎年1〜2百万円の赤字を生活防衛資金(アセットアロケーションには含めず)より補填中
  • 息子が社会人になったら黒字化します

 私自身の株式投資歴は約40年で、現物日本株からスタートして信用取引、各国の株式、投資信託、債券、仕組債等に投資してきましたが、60代になって年齢/100%を非リスク資産にシフトすべく、利益確定を行い、預金・個人向け国債にシフトしてきました。

 

財産は継承しやすいもの、しにくいものさまざま

財産は継承しやすいもの、しにくいものさまざま

 ネット証券はDLJDirect時代から使ってます。ところで、相続を意識し始めてから方針を変更しました。若い息子に毎年現金を生前贈与し、リスク資産で運用を拡大してもらうということです。

 

 元々息子に対しては小さい頃から現金を暦年贈与してきて、息子で株式投資をしてきました。以前は贈与税のかからない基礎控除金額を贈与してきましたが、最近は贈与税を支払って贈与してます。

 

 この6年間では贈与金額を増やして、平均税率10%となるよう5.2百万円の贈与をしていきます。ちなみに相続税は世田谷区の一戸建てに居住していることから、小規模宅地等の特例を使っても限界税率が30%となります。

 

 また2年ほど前からたぱぞう様のブログを参考にして株式の整理を行い、インデックスファンドのETF中心にしてきました。ボケ防止に私名義で米国個別株を多少購入してます。また、息子は成人してますので、私の助言の下本人の意思で米国ETFに投資しています。


現在のアセットアロケーションは以下の通りです。(単位: 百万円)

(内、子供名義)

  • 投資待機資金 (預金MMF) 17 (8)   昨秋VTIを現金化し、3月下旬に半額買戻した残額
  • 日本株式 11  1306と元勤務先
  • 米国株式  57(26) VTI、VYM、SPYD、楽天VTIを中心とし、AMZN、 MSFT、FBを各6百万円程度
  • 日本債券 (個人向け国債)  50 キャッシュバック目的 元々は大口定期預金
  • JREIT 11 7銘柄に分散
  • 合計 146(34)

質問点   

  1. 今後、ポートフォリオを個人向け国債より息子名義の米国株式にシフトし続けることの妥当性
  2. 米国株式の中で、当面VTI一択の定額購入の妥当性(具体的に、楽天VTI・・毎月50千円、VTI・・月2回各US$1.6千、合計年間ネット4,680千円)(かつて、VOO, VEA, EFAにて全世界分散投資をしたことはありますが、パフォーマンスからみてVTIに集中してます。)
  3. 投資待機資金は底に備えてますが、どうすべきか(フルポジにする必要もないか?)

投資歴の長さからくる知識、経験を継承していくということ

  DLJDirectとは懐かしいですね。三井住友などへの売却を経て、今の楽天証券へとつながる証券会社ですね。楽天のグループ力で大躍進中です。

 

 さて、ご質問ですがお答えは以下のようなことになります。 

 

1、妥当です。 息子さんは運用期間が長く取れます。また、ご自分の収入もあるでしょうから、リスクへのエクスポージャーは高めでよいでしょう。圧倒的な年金額は、現役時代のご属性の高さのたまものですね。

 

2、おっしゃる通りS&P500かVTIでよいですね。ただし、これらの商品はすでに円で買えますので、手間を考えると円建て商品でもよいでしょう。

 

3、フルポジにはされなくて良いですね。淡々と資産の一部をご子息の口座に移していくということでよいです。ご資産だけでなく、知識やご経験も継承されると、ほとんど非の打ちどころのない無形レガシーの継承ということになります。

 

 ご経験もおありなので、守りの投資も十分ご存じと思います。ご自身の投資は守りつつ、息子さん名義は攻める。このような投資方針になりますね。おっしゃる通り、小規模宅地の特例の利用はマストの案件ですね。


 多くの示唆に富む、ベテラン投資家さんならではのご質問ありがとうございました。

 

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1億はなかなかの異常値でもあります。

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