米国ETFと投資信託はどちらが優れているのか
同じところと違うところがある米国ETFと投資信託です。どちらが良いのかということで悩まれるケースが多いです。そこで、記事にします。
- 外国税額控除ができて、投資額が大きいならば米国ETF
- 外国税額控除ができないならば投資信託
- 投資額が小さく、定期積立にこだわるならば投資信託
少々乱暴を承知でこういう結論になります。
楽天バンガードシリーズや、ifreeのS&P500が出るまでは比較的米国株ETFが有利でしたが、商品が拡充されつつあり、なおかつ信託報酬も0.16%レベルまで下がってきましたので、投資信託も妙味が出てきました。
投資額が関係するのは、投資信託がノーロードなどで少額買い付けが可能なのに対して、まだまだ米国ETFは手数料が高いからです。NISA枠で買い付けるならば別です。ただ、外国税額控除の手間は残ります。
また、NISA枠でなくとも100万円、あるいはそれ以上になれば投資額に対する手数料率も低くなりますので、それほど神経質にならなくても良いでしょう。
私は、外国税額控除ができて、1回あたりの投資額もそこそこ大きいので米国ETFを買い付けています。ただ、もし若くて自営業者ならば、iDeCo枠が1か月6.8万使えるので、その枠で投資信託も買うでしょう。
金額、外国税額控除の手間、さらに税制も見極めて判断するのが良いということですね。ざっくりですが、こういうことを踏まえてご質問にお答えします。新社会人、20代前半の方です。
早くも投資に目覚められているということで、素晴らしい自己防衛ですね。
米国ETFと投資信託はどちらが良いのか
初めまして。今年の4月から大学を卒業し、新社会人となった20代前半のものです。
将来に不安があったことと、大学時代に投資信託による積立投資の効果を少しだけ聞いて、社会人になって100万貯金が出来たら、来年新設される積立NISAが出来たと同時に投資デビューと考えていました(ちなみに現在は約70万円貯まりました)。
運用費の予定は月3万(年間で36万)を予定してました。
最初は投資信託でと考えていましたが、投資信託の情報収集をしている中で、たぱぞう様のブログにたどり着きました。そこで米国ETFのパフォーマンスの良さを知り、投資信託では無くこちらにしようかなと迷いました。
しかし、米国ETFは月10万円、20万円くらいでなければ効果が薄いという情報を別のところで聞きました。
当初の予定である100万貯まった後、月3万円の投資信託による積立をするか、200万、300万を貯めて年間約100万円で米国ETFに挑戦するため準備を延期するか。たぱぞう様ならば、どういう一手を取られるのでしょうか?
かなりわかりづらい文になってしまったことをお詫び申し上げます。
税制面での有利さ、時間の有利さをフルに生かす
まず、お若いので答えが明確になります。それは、税制面でのメリットをフルに生かすということです。利用すべきなのは2つです。
- 厚労省管轄のiDeCoを使う
- 金融庁管轄のつみたてNISAを使う
ということです。詳しい内容は省きますが、これらは所得から控除されたり、非課税だったりする有利な制度ですので、これを使い尽くします。この2つを使いこなすことが若年層の資産形成成功へのクリティカルパスになります。
既存のNISAは積立額が120万円で、投資額を超過しますので、ここはつみたてNISA一択で良いです。つみたてNISAは年間40万円の積み立てが可能です。つまり、およそ月に3.3万円まで投資信託が買えるということです。
iDeCoの積立額
上限があります! 職業別・個人型確定拠出年金(iDeCo)の上限額 | りそな銀行 確定拠出年金
iDeCoのつみたて額は表の通りです。企業型DCの無いサラリーマンと仮定すると月々にして2.3万円のつみたてが可能になります。
先ほどのつみたてNISAと合わせて5.6万円まで制度活用ができることになります。この制度枠を使い切るまでは投資信託で十分だと考えます。
以前は圧倒的な商品の多様さ、質の高さからくる有利さが米国株ETFにありました。投資信託はほとんどがMSCIコクサイ連動で、ほかに選択の余地がほとんどなかったからです。特にパフォーマンスに優れるS&P500やVTI相当の投信が無かったのです。
しかし、今は違います。信託報酬0.2%を切る、しかも良いベンチマークの投資信託が出てきています。ですから、制度をフルに活用して、投資信託投資を通して米国株投資をするという選択で良いと思います。
そうするなかで昇給を経て、投資経験を積み、直接の米国ETFあるいは個別株の買い付けと幅を広げるとまた投資の面白さが得られるでしょう。
ご質問ありがとうございました。共に資産運営がんばりましょうね。
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