米国株を高値掴みしてしまいました。
このところの相場が波乱含みであり、値動きが激しくなっています。10月は大きく下げましたが、中間選挙を経て再び上昇しました。かと思えば再び2%を超える下げに見舞われています。
大きなスパンで見れば、それでもまだまだ大したことはありません。1年、半年といった期間を取ればまだまだプラスである企業が多くあります。
それでも、多くの人にとって相場の空気が変わってきたような気がするのは、今までが好調すぎたからでしょう。また、ハイテクのような市場をけん引してきた銘柄が調整入りしているからですね。
上の図は3か月の銘柄別パフォーマンスです。ほとんど赤く、つまりマイナスになっています。しかも、10%から20%を超える下げになっていますから、ダメージは小さくありません。特に最近になって参加した人たちはそうでしょう。
- Google -16.59%
- FB -21.84%
- Amazon -14.73%
- apple -7.43%
また、金利上昇に伴い、本来ならば業績が良くなるはずの銀行株が下げているのも注目されていいでしょう。バンクオブアメリカ【BAC】やウェルズファーゴ【WFC】、ゴールドマンサックス【GS】といったところが特に下げています。
ウェルズファーゴは昨年に不祥事がありました。そのため、他行が上げているところで上げず、下げる時には下げるという1年になっています。
逆に上げている銘柄としては、プロクター&ギャンブル【PG】14%、コカ・コーラ【KO】8%というところが目につきます。PGは近年には珍しく決算が良かったことが後押しになっています。高配当系の投資家にとっては久しぶりに溜飲を下げる展開でしょう。
いずれにしても、全ての銘柄が好調だった2017年がいかに特殊だったかを印象付ける1年ですね。すべてのトレンドを見極め、飛び移っていくことができる人は稀有です。むしろトレンドを追いかけ、全ての相場でやられる人のほうが多そうです。
進行株投資にしても、高配当投資にしても、ハイテク投資にしても、どこかで下げ相場に直面したというのが昨今です。
さて、そんな相場において個別銘柄の高値掴みをしてしまったという方からご質問をいただいています。
高値つかみをした株をどうすればよいのか
たぱぞう様
はじめまして。
いつもブログを拝見させていただいておりとても勉強になっております。いままで投資信託にて投資をしており少し利益がでたので売却して思い切ってアメリカ株を購入してみました。
しかし、購入後今の下落相場に陥りあっという間に損失が…典型的な高値掴みです。
そこで暴落時の対応として
- 嵐が過ぎ去るのを待つ
- 損切りしてキャッシュポジションを上げる
- 損切りしてもっと下落してから買いなおす
- 損切りして債券系(BND、外貨MMF)を購入
- 損切りせず追加購入
で合っているでしょうか? 暴落の種類によって対応が変わってくると思うのですがたぱぞう様は今回の暴落をどのようにお考えですか? また、調整による下落であれば①の対応で合っていますか?ご教示ください。
自分が描いていたストーリーはどうだったか
半値になっても良い株を買う、というのはよく言われることです。自分がその株を買うときにどのようなシナリオを描いていたのかを思い出すと良いでしょう。
例えばバフェット氏は数年来持っていたIBMを見切りました。期待されたコグニティブ部門の売上がパッとせず、他のハイテク株と比べて明らかに成長性で見劣りしたからですね。数字だけみると、PERが低く、配当も悪くない。そういう株です。
キャッシュフローもそれなりに出ており、今日明日でどうかなるような企業ではありません。ある意味では割安ですね。
にもかかわらずバフェット氏が売ったのは、思い描いた成長曲線を描くことなく、停滞した売上、変わらぬ収益構造への疑義ということですね。
個別株はどうしてもそういう見当違いがあります。見当違いがあるならば、それはストーリーが間違っていたということで売ることも視野に入ります。
例えば、成長企業の売上が停滞した、高収益企業の収益に限りが見えた、そういうストーリーが劇的に変わるような要素ですね。これは決算上の数字で見えてきます。そのため、決算後に株価が動くのですね。
ETFや投資信託は違う
もし、ETFや投資信託であれば淡々と積み上げるだけです。ETFや投資信託はある意味では市場全体を買っていくものです。極論すると、こだわるのはどこの国の市場を買うのかという入り口だけです。
ETFや投資信託で損が出ているということならば、さほど心配はいりません。しかし、あまりに一括で大きくポジションを取っている場合は、気が気でないでしょう。
ただ、相場とはそういうものなのです。ポジションを取りすぎるというのは値下がりのリスクも大きく取るということです。
いずれにせよ、10年も続いた好景気です。無理をしないで相場と付き合っていくことですね。
最後に。私ならば、ストーリーが崩れた時点ですぐに売ります。上昇相場ならばいざ知らず、今はキャッシュが強い、そういう相場だからですね。
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私は一貫して分散投資を勧めています。一括投資は、相場が大暴落したときには強いですが、底を見極めるのは無理と思ったほうが良いでしょう。
私のウェルスナビの口座は淡々としたもので、相場の調整でも落ち着いて対応しています。
投資信託選びのコツについて書いた記事です。積立目的の投資信託は何を選ぶかが大事になります。