- 米国株個別株を売買するポイントとは
- 個別株売買の基礎基本はどのようなことを押さえておけば良いですか
- 成熟した個別株選定の基準
- 個別株売買は積み立てもさることながら「値付け間違い」を突くという方法もある
米国株個別株を売買するポイントとは
株式取引は奥深いですね。シンプルに資産を増やすということならば、投資信託やETFをバスケットで買って、運用していけば良いですね。
しかし、資産を最大化するならば、やはり個別株売買というのは魅力がありますね。価格変動、つまりリスクもそれなりにあるので、弊ブログではあまり積極的に振れていません。しかし、たぱぞうは基本的には個別株売買で資産を伸ばした人です。
とはいえ個別株投資は、いわばその企業の将来に賭けるわけです。経費率がかからないのは良いですが、半面、企業業績に大きく左右されます。自分の性格を見極め、インデックス投資と個別株投資と、どちらが向いているのかを考えて運用してみると良いですね。
もちろん、ハイブリッドに両方合わせて売買しても面白いでしょう。さて、今回は米国株個別売買の基礎基本ということでご質問を頂いています。
個別株売買の基礎基本はどのようなことを押さえておけば良いですか
たぱぞう様
いつもブログを拝見しております。
今までは投資信託をメインでやっているのですが、米国株を配当狙いで買いたいと思っています。狙いのセクターとしては生活必需品、ヘルスケア、石油、タバコあたりを狙っています。
「割安でそこそこの利回りがあって増配傾向の株」を定期的に良いタイミングで買うならば以下のようなポイントに気をつけていけば良いでしょうか?
●割安を判断するための材料
- PERが同じセクターの同業他社の上位会社と比較して低い
- PBRが1未満
●増配傾向を判断するための材料
- 配当性向が過去から継続して低い
- EPSが伸びている(あるいは安定している)
- 過去数十年レベルで連続増配している
上で書いた内容は正しいのか分かりませんが、他にもどのような判断材料を見ていけば良いかご教示頂けないでしょうか。
成熟した個別株選定の基準
高配当個別株を選ぶにあたっての基準はいくつかありますね。その中でもすぐに調べられて、しかも簡単に分かるものを抜粋してみます。
- 売り上げは減っていないか
- 売り上げ利益率(業態によるが40%以上)は低すぎないか
- 営業利益率(業態によるが20%以上)は低すぎないか
- 配当性向(50%以下)は高すぎないか
- 自社株買い(基準は10年で1割)をしているか
- EPSは下がっていないか
- 営業CF、フリーCFが下がっていないか。
- 緩やかながらも増配しているか
- 持続可能なビジネスモデルか
このような目線になります。日本株と比べると全く違う目線になるかと思います。それでも、米国成長株に比べると甘めの基準ですね。
これは、成熟株なので「伸びる」というよりも「維持できる」ということが大事になるからです。もちろん、ここに示した数字が伸びたほうが良いわけですが、高配当株の代名詞ともいえる石油株や公益株、生活必需品などはそんなにすでに伸びていないのです。ほとんどがクリアできなくなります。
そのため最低限、売り上げを維持して配当が減らないというのが条件になります。ましてやこの10年の米国株は絶好調でした。このような環境にもかかわらず諸数字が減少しているのはあまりおススメできないということになります。
最後の持続可能なビジネスモデルかどうかというのは非常に難しいですね。1つの見方としては、同業他社が多すぎないかという視点があります。例えば自動車メーカーなどは世界中にゴロゴロしていますね。レッドオーシャンなので、利益率はどうしたって上がりません。
スーパーマーケットなどもそうですね。飲食業も、さらに言うならば卸の商社などもそうでしょう。ついつい配当につられてこれらの業種に手を出しがちですが、それなりのリスクはありますよね。
そういう、競争が激しすぎる業界を避けて投資していくのというのは一つのポイントになります。後で述べる、値付け間違いを狙うのは別です。いわゆるアービトラージですね。
しかし、同時にそうでない、参入障壁を持った企業というのは常に割高になりがちであるというのも一つのジレンマです。
成長株投資だとまた少し目線が変わるのですが、成熟株としてはこのようなことを押さえておくと良いですね。
個別株売買は積み立てもさることながら「値付け間違い」を突くという方法もある
ただし、基本的には株価というのは「値付け」です。ですから、決算でミスして思いかけない安値になることもありますし、市場がネガティヴになって、必要以上に売り込まれる時もあります。
常に買いたい銘柄をピックアップしておいて、調整時には必ず買う、ということを意識しておくと動きやすいですね。
それでも、配当株として人気のあったクラフトハインツのようなこともあります。やはり、10銘柄から15銘柄程度分散をしておいて、取り組んでいくというのが一般的な投資の方法になりますね。個別株投資で負けが無いということはまずありえません。負けない確率を上げることはできても、全勝はまず無理です。だから普通は分散するのですね。
特につみたて投資の有効な米国株においては意味があるでしょうね。ご質問ありがとうございました。
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そういう目線で見ると、PEファンドというのは実はレッドオーシャンの厳しい世界であるということが分かると思います。
そういう目線で投資をしても、ガツンとやられたのがリーマンショックでした。しかし、退場せずに追加投資し続けた投資家が最終的には大きな資産を築けたわけです。
取り扱い銘柄数の多いサクソバンクは、個別株売買という意味では非常に間口が広く、優れていますね。