米国株投資の広まり
米国株投資もそれなりに広がりを見せるようになってきました。少なくとも私が始めたころである2010年当時に比べるとかなり広がったと感じます。Googleトレンドによると、検索ワードとしても急上昇を見せています。
もっとも、検索ワードは相場の上下動にある程度相関します。上がっているときには良く検索され、下がると検索も少なくなります。本来、相場に参入するタイミングは逆のほうが良いのですが、私たち人間の心理というのはそういうものですね。
また、有名無名問わずテレビやyoutubeで米国株投資が語られます。もはやそういう時代だということです。
多少の相場の上下動は予想されつつも米国株は今や日本人にとっても最も重要なアセットの1つになりつつあると言ってよいでしょう。そして、これからもこの流れは続くのでしょう。
米国株投資の王道はインデックス投資
さて、米国株投資の王道とはなんでしょうか。それはやはりインデックス投資ではないでしょうか。例えば、米国市場全体に投資をするVTIであるとか、S&P500ETF【SPY・VOO・IVV】であるとか、ニューヨークダウ30種平均【DIA】であるとか、そういった投資です。
ちなみに注目される米国株は、FAANG【Facebook・apple・Amazon・Netflix・Google】であったり、GAFAM【Google・Amazon・Facebook・apple・Microsoft】に代表される情報技術分野でしょう。その存在感は圧倒的で、イノベーションは世界中を席巻しています。
ただ、その時々に優れたパフォーマンスを発揮する企業を発掘するのは簡単ではありません。また、インデックス投資の宿命として「クズ株」もまとめて買ってしまうという点は知っておいて良いですね。パフォーマンスの高い株は割高傾向にあり、クズ株はバリューである、この歪みが投資の妙味でもあります。
それらの不確実性を含んでも、米国株インデックス投資は確かなリターンを100年以上にわたって実績として残してきました。
誰でも市場平均を買うことができる、セクターと呼ばれる業種・業界の栄枯盛衰を気にせず買えるという点においてインデックス投資は優れています。始めて米国株を買うという人にとって、比較的安心して買える商品ということになります。
米国株高配当投資は傍流だが
一方でインデックス投資に比べるとややマイナーになるのが高配当株投資です。どうしてもリターンは市場平均に劣ることが多いのは、これも知っておいて良いでしょう。これは大きなデメリットです。
しかし、米国株高配当投資のメリットは、収入が読みやすいことです。特に連続増配銘柄は滅多なことでは減配しないことが多く、リーマンショック時でも増配を続けた企業が多くありました。キャピタルゲインが期待できない中でも着実に配当を得られた、このことが高配当投資を見直すきっかけになったように思います。
ただし、減配リスクは見込んでおいたほうがいいですね。かつての高配当銘柄が、コロナショックを機に減配に転じた例がいくつもありました。高配当が悪いという話ではなく、個別株は個別企業の決算が直撃するという当然の話です。
株価変動に比べると収入が読みやすいために、税金の損だしがしやすいのもメリットでしょう。年間配当は予測可能です。そのため、あらかじめ為替も含めて利益の出ていない銘柄をピックアップしておき、淡々と配当額の枠内で損切りしていきます。そうすると、配当課税に関わる部分は殆ど還付されることになります。
もちろん、上昇相場になると損切できる銘柄が無くなってくるので永続的にできるわけではないですが、為替も含めて利用すると利益のコントロールが比較的しやすい投資になります。
インデックス投資と米国株高配当投資の最大のデメリット
インデックス投資と高配当投資に共通する最大のデメリット、それは何でしょうか。それはある程度のまとまった資産がないとリターンが小さいということです。例えば年率3%を狙うような投資だと、100万円で年間3万円の利益です。
多くの人はこれで待てなくなります。「なんだ、たった3万円か」となるわけです。以前登壇したセミナーでこのように聞かれたことがあります。
- 「仮想通貨はどう思いますか」
- 「CFDはどう思いますか」
- 「FXはどう思いますか」
・・・これらは一言で言うと「リスキー」です。アセットそのものが収益を生み出すわけではなかったり、値動きが激しすぎたりします。
では、私たち普通の人はこれらのやんちゃな投資は手を出さないほうが良いのでしょうか。これは非常に難しい問いですが、「敢えてリスクを取らなくてはいけない時期もある」ということは言えます。
特に若くて、とりたてて給与が大きくない場合は追加投資の資金もかぎられます。そうなると、リスクを取って資産を大きくしなくてはいけないときがあるのです。私もめちゃくちゃな逆張り集中投資をしていた時代がありました。ですから、心情的には非常によくわかります。
資産が少なければ、今もリスクを取りに行っていたかも知れません。
また、インデックス投資は好調なセクターへの投資に劣後します。好景気だと、ハイテクやヘルスケアセクターですね。インデックスは、全く振るわないセクターも含むからです。
高配当投資は、成熟企業への投資がほとんどです。そのため、今だとハイテクをカバーしていないことが多く、やはりリターンに劣る面があります。この両面はそれぞれ知っておいたほうが良いですね。
時代が変わっても、この側面はそれぞれ変わりません。
人それぞれのステージに応じた投資がある
人それぞれのステージに応じた投資があります。自分が投資を通して何を得たいのか。そして何を期待するのか。それによって投資手法や投資先は変わるのです。
一攫千金を得たいと思っている人にインデックス投資を説いても心に響かないでしょう。銀行定期預金の代わりに安全な資産運用を考えている人、こういう人にFXを薦めてもやらないでしょう。いや、むしろやらせてはいけませんね。
自分がどの程度の資産を持ち、どの程度のリターンを期待し、どのような効果を狙うのか。それにより投資は変わるということですね。だから投資は面白いのだと思います。
長きにわたり、米国株投資が大きなリターンを示してきました。
FIREと相性が良いのは高配当株のメリットですね。
不動産の利回りも大きなものがありますね。