たぱぞうの米国株投資

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生命保険の解約返戻金が低くて困っています。それでも解約すべきでしょうか。

生命保険の解約返戻金は、だいたいにおいて極めて低い

 私たち日本人が大好きな生命保険です。生命保険は、加入時の条件がそのまま払込終了まで継続します。そのため、提案があたかも確定利益のように感じられます。銀行預金と比較して「保険がついて、運用も出来ていいじゃない」となるわけです。

 

 しかし、あくまで保険は保険です。貯蓄性や運用性がついた時点で付加価値に対する手数料が余計に乗ります。この手数料はインデックスETFや投資信託と比べると大変高いです。しかし、顧客には手数料という形で明示されません。

 

 10年、あるいは20年というスパンで見ると、利回りが低いことが多いのですが、「保険」という部分がわかりにくくしているわけですね。

 

 繰り返しますが、ズバリ「保険と資産運用は分ける」というのが最適解なのは知っておいて頂きたいことですね。さて、これを踏まえてご質問をご紹介します。

生命保険の解約返戻金が5割6分しか無いので困っています。

 こんにちは、たぱぞう様。いつもブロクを拝見させて頂いております。たぱぞう様のブログで勉強をして確定拠出年金とつみたて NISAを始めました。解りやすい解説等で不安なく投資を始めることができ感謝しております。

 

 さて、本日は、保険の事で相談をさせて頂きたいと思い大変恐縮ではございますが、ご連絡させて頂きました。

 

 当方、現在46歳の会社員で年収は700~800万円、金融資産は現金で700万円程、住宅ロ-ンが1,400万円程残っております。子供はなしで、負債は住宅ロ-ンのみとなります。

 

 資産運用につきましては、前述した通り、確定拠出年金とつみたてNISAのみで、その他には「J○の終身保険」に加入しております。その終身保険なのですが、災害死亡、医療などの特約が付いており月々約1万円、年間で割戻金を差し引き12万円程支払っております。

 

 今までに320万円払い込んでおり、今、解約すると180万円の解約返戻金が戻ってきます。65歳で払い込み終了なのですが、終了時の解約返戻金の金額をJ〇に確認しても解らないの一点張りでほとほと困っております。

 

 元々、大きく元本割れしている保険なので解約をしようかと考えますが、万が一の場合を考えるとなかなか行動に移せません。

 

 災害死亡時3,000万、疾病死亡1,500万円、入院保証日額5,000円(がんは10,000円)で65歳以降は終身で500万円のみの死亡保障となります。


 正直、解約して解約返戻金と今後払い込むはずだった掛け金を投資に充てた方がよいのではないかと最近考え出しております。個別株や海外ETFは手間もかかり難しそうなので、投資信託でつみたてNISAで購入しているeMAXIS slim米国株S&P500に最初、解約返戻金180万円を投入して毎月1万円ずつ特定口座で買い付けをしていくのが良いのかなと考えております。

 

 長くなってしまいましたが、たぱぞう様ならどのようにお考えになられますか?お忙しいところ、申し訳ありませんがご指南頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

 毎月の生命保険の支払いは確かに気になるところ。

 保険商品というのは基本的に加入した時の金利で決まるので、最終的な返戻金が分からないというのはちょっと不思議な気がしますね。ただ、J○さんの場合は、人事異動が広範囲で、必ずしも保険のプロが担当になるわけではないですね。

 

 そういう意味では、J○さんの保険はやや特殊といえばそうです。もちろん、商品開発をしている人はプロですが、エンドへ販売する人が保険のプロかというと必ずしもそういうわけではないということです。

 

 ですから、分かる人や上席に掛け合ってみれば教えてくれると思いますよ。また、契約時の運用計画書に明記してあるはずです。

家族ができたら生命保険、となりがちですが・・・

家族ができたら生命保険、となりがちですが・・・

 実はそんなに手厚く保険に入る必要は無いですね。理由は、お子さんがいないからです。万一何かあっても、遺族年金や障害年金である程度カバーできるでしょう。J〇に限らず、基本的には手厚い保険というのは要らないと思っています。

 

 ただし、保険には積み立てによる強制貯蓄効果というのは確かにあります。そのため、お金を使ってしまう人にとっては有効な面もあります。

 

 解約返戻金が少なすぎる、ということならば満期まで持つという考えも悪くはありません。

 

 14年で年間12万、60歳まで払い込みをすると残り168万円です。トータルでざっくり500万円保険にかけるわけですね。それに対して、今解約すると、払い込んだ320万のうち、140万の損失確定です。180万しか戻らないからですね。

 

 180万を元手に、月に1万のつみたてを14年続けるという計算になります。そうすると、500万にしようと思うと年平均で8.5%の利回りが必要になります。さらに、ETFや投資信託には保険も付きません。

 

 解約せずに、持ち続けたほうがいいですね。保険商品というのは、このように設計されていることが多いのです。しかし、がっかりすることは無いです。挽回できる金額だからです。

生命保険の基本

 基本的には保険と資産運用を分けて考えるのが大事ですね。多くの保険商品が、途中で解約すると大きく損をするように設計されているのは「上手い」と感じます。

 

 繰り返しますが生命保険は、解約返戻金が少なく設計されています。つまり、契約時の判断が成否を決めるということです。掛け捨ては1年更新ですからそういうことはありませんね。「社会人になったから生命保険」とか、「結婚したから生命保険」とか言われます。

 

 しかし、本当に必要な保険はそんなに多くありません。日本の場合は、国民年金制度や厚生年金制度が大変充実しているからです。国民皆保険制度とは言ったものですね。

  • 生命保険控除
  • 掛け捨て

 このあたりを踏まえて選べば良いということですね。

 

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