たぱぞうの米国株投資

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為替ヘッジあり金融商品がよいのか、為替ヘッジなし金融商品がよいのか

為替ヘッジあり、為替ヘッジなし、通常はヘッジなしがよいが

 為替ヘッジありの金融商品がありますね。海外の金融商品は商品そのもののリスクだけでなく、為替のリスクもあります。為替リスクを消すことで、ボラティリティを下げようという商品です。

 

 通常であれば為替ヘッジはなしのほうが人気があります。しかし、昨今のドル高を受けて、以下のような質問が増えていますね。ご紹介します。

為替ヘッジありの商品が魅力的に思えてきましたがどうでしょうか。

たぱぞう様

はじめまして。
いつも日課としてブログを興味深く拝読しています。


様々な背景を持った質問者の方と、それに対する示唆に富んだたぱぞうさんのご意見を読みながら、自分の投資方針をどう定めていくべきか日々勉強させていただいています。

質問の内容の前に、まず私の現状からご説明します。
・プロフィール
年齢:30代前半(独身)
職業:会社員
年収:1000万円(年によってボーナスが±100~200万円程度の変動あり)
資産:3800万円

・資産の内訳
現金:1400万円
国内株式:1000万円
投資信託:1150万円(うち、SBI・V・S&P500が300万円、MSCIコクサイ連動の先進国株式が300万円、ナスダック50万円、先進国債権250万円、その他REITなどで250万円)
ETF:250万円(すべてVYM)

・投資方針
国内株式:頻繁に売買しておらず、趣味程度にポートフォリオを入れ替えている程度です。


投資信託:約35万円/月を定期積立しており、SBI・V・S&P500を70%、残り30%をナスダック、先進国債券、REIT等でトッピングしています。


ETF:以前持っていた米国債を売った米ドルで、VYMの基準価額が下がったタイミングで何度かに分けて購入しました。手持ちの米ドルがなくなったため当面追加購入の予定はありません。

・その他

 現在独身ですが、今後も独身、あるいは結婚してもDINKSであることを想定しています。

 40歳~50歳での早期退職を目標にしています。

 

 以上を踏まえまして、私がお伺いしたいことは「足元の円安下で、為替ヘッジ有の投資信託・ETFを購入する意義はあるか」という点です。

 

 これまで先進国株式やS&P500に連動した投資信託を中心に据えてきました。S&P500は今年かなり下げていますが、円安のおかげで投資信託はある程度の含み益を保っています。一方で、今後アメリカのインフレが一服し、金利上昇も止まれば円高への揺り戻しが起こり、円建てでの利益が剥落する可能性も十分あると考えています。


 そこで、円高に対するリスクヘッジとして円建てで為替ヘッジのある商品を購入することに思い至り調べてみた結果、以下の東証上場ETFの購入を検討しています。
(投資信託は為替ヘッジ有のS&P500連動商品が見当たらず対象としていません。)

メインとして


2563 iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(為替ヘッジあり)

サテライトとして


2621 iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)
1496 iシェアーズ 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)
1497 iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 ETF(為替ヘッジあり)

 

 これまでの投資信託の積み立て(40万円/月)を半分程度に減らし、残り半分をこれらのETFにすることで為替リスクを軽減できるのではと考えています。円高への揺り戻しの可能性を考慮すると為替ヘッジ分のコスト(信託報酬)を払うことにある程度の説得力が出てくるのではないでしょうか。(もちろんさらに円安が進む可能性もあると思っています)

 

 また、投信のほうが分配金を自動的に再投資に回せること、積立投資ができて手間が省けることはこれまでのブログの内容から重々承知しているのですが、資産規模が大きくなってきたこともあり、今後はある程度インカムも狙っていきたいという背景もあるため、ETFの購入を視野に入れています。

 

 以上の方針につき、たぱぞうさんの意見をぜひ賜りたく今回初めて連絡致しました。

 ご多忙とは存じますが、ご返信いただければ大変幸いです。

 どうぞよろしくお願い致します。

普段であれば為替ヘッジあり商品よりも為替ヘッジなし商品を推奨だが

 普段であれば、特に株式のETFや投資信託において為替ヘッジありは推奨していません。余分なコストが乗ることと、長期で円安を想定しているからです。

 

 株式の、というのは債券の場合は為替リスクのほうが商品そのもののリスクよりも大きくなるケースがあり、目的によっては為替ヘッジありのほうが合っているケースがあるからです。

為替ヘッジありの商品、為替ヘッジなしの商品

為替ヘッジありの商品、為替ヘッジなしの商品

 ちなみに、今はヘッジなしがよいと言い切るには少々時期が難しいですね。やや行き過ぎた円安傾向にあるとみることもできます。よって、ヘッジあり商品も悪くないでしょう。

 

 ただし、前の想定に基づくと、ヘッジあり商品はいずれヘッジなしに乗り換えるのが理想です。そう考えると投資がうまく行っても、出口で課税されるという課題はあります。持ち切るか、それとも乗り換えるか。そのような決断が将来的に来る可能性もあるということですね。

 

 お考えに大きなズレはありませんから、ご自分を信じてよいと思いますよ。

 

 ちなみに、個人的にはヘッジあり商品は購入していません。また、これからも買うことは無いと思いますので、念のため申し添えておきますね。

 

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