ニューヨークダウ30種、S&P500、NASDAQ、いずれも空前の株高を迎えている
リーマンショックの底が2009年の初頭でした。それからすでに8年が経過をしています。米国株だけでなく、日本株も含めて順調に回復してきました。米国株に至っては、ほとんどすべての株が上がっており、特に昨年2017年初頭以後の上昇は急ピッチです。
長期チャートを見てみます。ここではあえて私たちが買うことのできる商品を指数に代替して見てみたいと思います。
S&P500連動ETFであるSPY、ニューヨークダウ30種連動ETFであるDIA、NASDAQ100連動ETFであるQQQで見てみます。直接指数ではなく、ETFに置き換えたのは、具体的な商品購入をしていたらどうなるかをイメージしやすいからです。
※チャートはグーグルファイナンスから
SPYは1993年からです。それぞれ、DIAは1998年、QQQは1999年からになっています。ETF設定日からのチャートを取りました。SPYは実に440%近くにまで取引値が成長していることが分かります。
ちなみにこれは配当込のデータではありません。配当込であればさらに数百パーセントパフォーマンスが向上します。
区切る年数が違えば違った景色が見られます。
これは5年チャートです。QQQが最も高パフォーマンスになります。いずれにせよ、どの数値を、どの年代を切り取っても向上しているというのが米国株投資の最大の強みと言って良いでしょう。
これは、S&P500、ニューヨークダウ30種、NASDAQ、いずれも最高値を更新しているからです。もっとも、NASDAQだけは2000年前後のITバブルの最高値を更新するのに時間を擁しています。
さて、こうしたことを踏まえてご質問を紹介します。
株高が続く今こそ利益確定をすべきかどうか
こんばんは。お問い合わせより…とコメント頂いたので早速送ってみます^^
現在保有しておりますのは、
AAPL AMZN DIS GOOG JNJ KO MSFT PFE PG PM T VT XOM
と、銘柄種類が多めで1銘柄あたりの本数はまだ少ないもののトータルで100万程度あります。
配当貴族系が揃っているのでこのまま保有した方が良いものか…。現状の相場は高く感じていますので利益確定するのであれば次に買うのは為替か株価が少し落ち着いてからが理想です。
今後円安が進みそうなのでしばらく買いに動けなくなるなら、さっさと決着をつけて今売り買いして移動した方がいいのか迷います。トータル100万程度ということで資金移動をすると粗利を捨てるだけでなく、今年のNISA枠も大半を埋めてしまいそう、というのも迷っている理由の1つです。
長期保有を視野に入れている為、配当を狙っていくならNISA移動か?NISA移動といっても5年の期限付きだぞという自分もおり、利益確定したところで再度これらの銘柄に手を出すのは目に見えているので外国税控除で多少戻るなら特定のままにしておくか…と考えたりも…。
まだまだ不勉強で考えがまとまっていないままご相談差し上げて恐縮ですが、またお手すきの時にでもご返信頂けますと大変嬉しいです^^
売るべし売るべからず
確かに株価が上がっていて、売りたくなる気持ちは分かります。「利食い千人力」という言葉にありますように、利益確定というのは確実性を増すものです。反面、「売るべし売るべからず」という言葉もあります。
売るべきだな、と思ってもそれは売るべきではないことが多いということです。底値で売ったり、高値をさらに更新するのに売ってしまったり、とかくタイミング投資というのは難しいものであるということです。
ただ、知っておきたいのは、確かにアメリカ市場のPERは上がっていますが、諸経済データはまだまだ強いということです。これは日本が痛い目にあったバブル景気などと違います。
正直に申し上げてなかなか売り時は分からないのですね。私は10年以上、相場の波にもまれ、潮目をうまく読んで投資をしようとしました。しかし、そういう投資法はあきらめました。資質の問題でしょう。
結局、今は将来にわたって成長し続けそうな、配当を出し続けそうな企業ないしはETFを買って運用していくという方向になっています。これは、大負けはしなかったものの、いつかそういう潮目を読んだ売買でガツンとやられる予感がしたから投資法を変えたということです。
上下動は必ずあるが、20年30年持っていれば取り返せる
トランプ大統領が当選して以後、約半年で上げに上げてきました。ちょっと急ピッチすぎるのは私も感じるところです。ここで利益確定をして、一気に全部現金化したい自分もいますが、買値が低いものが多いので、かなり税金の支払いが生じます。
そして、さらに買いなおすとなると、なにやらもったいない気がします。今は、労働収入などのインカムをしっかり確保しておいて、株高の恩恵を受けつつ、来たるべき相場の暴落に備えたいと思っています。
質問者様の買値がさほど低くなく、NISAへ乗り換えようというのならば妥当性はありますが、あまりに低い買値だと税負担は無視できないのではないでしょうか。
もし仮に自分が欲しいと思った株が下がったら買い増せばよいのですね。特にETFなどは個別の業績も関係ありませんから、強気で買い向かえます。
目先の上下動に惑わされることなく、長期投資家は淡々と配当、つまりインカムを見て、インカムを増やしていけばよいのではないでしょうか。安定的なインカムがあれば、多少の損はすぐに取り返せます。
年率3%の配当があるとします。持ち続けると、10年で30%です。20年で60%です。こうなると、市場が多少暴落したぐらいでは損が出ません。こういう腰の強いポートフォリオを私は志向しています。
これだけ気が長いのは、老後のことを考えて投資をしているからです。今の生活資金を株で稼ぐという考えは私にはありません。
まとめます。
- インカムとキャッシュをしっかり確保して暴落に備える
- そのために自分の投資のキャッシュポジションを決めておく
- 安定的なインカムは長期投資になると腰の強いポートフォリオになる
ということです。毎月多額のインカムがあるようならば、キャッシュポジションにこだわらなくても十分買い増せるでしょう。
関連記事です。どの程度まで暴落するのかという予測を過去から導き出しておけば、あるていどの心理的支えになります。
今の私はコツコツ投資家です。積み立て投資をしている人からすれば、不真面目コツコツでしょうけれども。
投資対象を間違えければ、大きく構えていられます。