株式を相続をしたときにシンプルに押さえておきたいこと
昨今、blogやYouTubeだけでなく、実際の生活の中でも相続の話をよく聞きます。今に始まったことではないのですが、やはり高齢化社会というのはそういうことですね。また、この20年ほどでネット環境が整備され、投資が一般化したというのも大きいでしょう。
かつては対面証券に赴いたり、電話で注文をしたり、そういった形だったわけです。その時代は、一部の株好きの人が取り組んでいるにすぎませんでした。しかし、今やだれもが在宅で取り組めるようになりましたね。
今後この投資の広がりは縮小することはなく、広がり続け、一般化され続けていくのでしょう。そのような流れに沿うような環境整備も進んでいます。最たるものはNISAであり、iDeCoですね。
これらの機会を生かして、一人ひとりが資産形成を前向きなものとして行っていく。そのように社会が変容しました。若いころから将来の生活を想定していかないと回らない、そのような社会に変容したともいえるでしょう。
さて、やや話がずれましたが、大きめの金額を個別株で相続したということでご質問を頂戴しています。
株式を相続し、資産が増えたが個別株の処遇に頭を悩ませています
<相続した株式等についてご質問>
いつも有益な情報を有難うございます。当方、今年還暦のおひとり様フリーランスです。
50代半ばから一般・つみたてNISA(インデックス)とiDeCoはネット証券(SBI・楽天)にて満額投資しており、海外ETFも動画を参考にして少しだけ投資し始めました。預金・公的および個人年金も含め今のところ老後の資金に大きな不安はありません。
半年前に対面証券の国内株式10銘柄と国内投資信託(成長型)2本、計3700万円ほどを相続しました。
一般に60代以降は預貯金・債券の割合を増やし、リスクの高い株式は減らした方がいいと言われていますよね。株式についてはほぼ無知ですし、保有し続けた方がいいのか、売却して安全資産である国債や比較的安全なインデックス投信を買い直した方がいいのか迷っています。(2024から新NISAも予定されていますし)
既に複数の証券口座を保有しているため口座数はなるべく少なくしたいという思いもあります。
具体的な相続内容は
- 国内株式:化学系、製薬系、EC系の株などは利益が出ており、エネルギー, 電機, 銀行はマイナス、現時点での株式合計評価金額3300万円、評価損益率は+73%と表示されています。
- アクティブ投信:現時点での評価金額約400万円、評価損益額は33万超のマイナスとなっております。
金額が大きすぎて実感が無く、どう扱ったらいいのかわからずそのままにしているというのが実情です。
お忙しいとは存じますが、たぱぞう様が私の立場でしたらどうされるか、ご意見をお伺いできれば幸いです。
どうぞ宜しくお願いいたします。
個別株投資、企業分析、決算分析が好きかどうかで決まる
相続に伴う個別株の保有に関しては、私はシンプルに売却をお勧めしています。理由は、個別銘柄の分析、決算チェックなどの手入れが適宜必要になるからです。
個別株を徐々に売却の上、指数などに置き換えていくのが良いでしょう。その際、損益通算を意識しながら進めるとよいです。とはいえ、大きく利益が出ていますから、利益を相殺できない部分がありますね。
個別株の相続は簡単ではないですね。投資が好きな方ならばともかく、相続される方はそうでない場合があるからです。その場合、株価の上下動も含めてストレスになる可能性があります。
シンプルに、いったん売却、積立なおし、がわかりやすいですね。そういう意味でも相続を意識した投資は、相続人の適性を踏まえたうえで、どこかの時点でインデックスへのスイッチがマストになると思われます。
そういう意味ではアクティブ投信も運用方針に同意できない、あるいはよくわからないものであれば、インデックス投信に置き換えたほうがいいでしょう。
わからないものには手を出さない、好きではないことに時間を割かない、そのような原理原則をもっておけば、迷うことはないですね。利益が出ていると課税機会も繰り延べになりますから、ついつい迷います。
しかし、個別株、とくに日本の成熟株はボラタイルなものが多いですから、スパッとシンプルな投資方針に置き換えてしまってよいですね。
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