たぱぞうの米国株投資

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株価暴落時こそ千載一遇のチャンス

株価暴落が世界中に波及している

 NYダウがこのところ一晩で1000ドル以上下げる日があります。ちょこっと反発したのですが、見事に「デッドキャットバウンス」的な跳ね方になっています。つまり、一時的な反発の後、再び大きく下げています。

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※画像はモーニングスターから

 1か月チャートを見るとNYダウだけではなく、上海総合指数も日経平均も下げています。日本人になじみの深い3市場の指数を比べてみると、このようになっています。見事にNYダウに連れ安する形で一致しています。

 

 最も下げているのがピンクの日経平均です。日経平均はこの20年見る限り、米国で悪材料が出ると米国以上に下げるという傾向が続いています。唯一このジンクスを破っていたのがアベノミクス発動後の日経平均ですが、やはり荒れ相場では傾向は健在のようです。

 

 オレンジが上海総合指数です。初期の下げこそ自律的な動きを見せていましたが、気が付けばしっかり連れ安しています。

 

 青がNYダウです。1000ドル以上下げれば「史上最大の下げ幅」と騒がれ、世界中に影響が及んでいます。しかし、よく見るとこの一か月の下げ幅は6.68%、この3国のなかでは最も軽佻な下げ幅になっています。

 

 これは、経済危機になると運用資金はより安全な国、安全な資産対象へ逃げる傾向があるからです。結果として、本丸である米国市場よりも大きな下げ幅を記録することが少なくありません。

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 ちょっと見にくいのですが、ピークだった1月26日からの下げ幅で見ると、やはり新興国ETFであるVWOは良く下げています。ただ、出遅れ感から良く買われていましたので、年始からの上げ幅が効いており年始からの下げ幅は2%しかありません。

 

 同じように、本来ボラティリティが大きく、株価調整局面で下げやすい成長株のETFであるQQQも上げ幅が大きかった分、年始からの下げはまだ1.5%しかありません。

 

 本来強いと思われてきた生活必需品ETFであるVDCなどはあまりまだディフェンシブな効果が出ていません。しかし、すでに公益株がそこそこ強さを見せてきていますので、いずれ見直されてくる時期もあるのでしょう。

暴落時のヒートマップを見てみる

 せっかくですのでヒートマップも見てみましょう。1週間のヒートマップです。

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 Twitterでもつぶやきましたが、S&P500の大型株で大きく下げているのがGoogle、エクソン【XOM】、ウェルズファーゴ【WFC】です。いずれも約15%も1週間で下げています。

 

 Googleは諸指標は決して悪くなく、成長率も年率2割ほどあり、企業規模のわりに高いです。しかし、並び称されることの多いAmazonとの差が歴然と現れています。EPSが前年比で28ドルから18ドル前後まで落ちており、成長性に疑義がついたこと、収益が広告に偏っているところが嫌忌されました。営業利益率もこの10年で10%近く落ちています。

 

 エクソンはシェブロンに比べると原油市況の回復には遅れ、下げ相場ではいち早く下げるということになっています。石油業界では民営1位、非常なブランド企業ですが、株価に関してはしょっぱい結果が続きます。

 

 ウェルズファーゴはクレジットカードの無断作成に始まった一連の不祥事から冴えません。ただ、銀行なのでこういう調整相場は金融危機を想起させるのでどうしても資金が逃げやすくなっています。

株価暴落時における、BNDとGLDとダウ連動のDIAと

 最後に、不況時に強いと言われる債券ETFと金ETFのGLD、それからダウ連動ETF・DIAを見てみましょう。

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 この5日間で見てみると、見事なまでに株式相場から独立したチャートを描いています。ディフェンシブと言われる所以です。このBND・AGGといった債券系のETFや金相場に連動するGLDをポートフォリオに混ぜれば、全体のポートフォリオの資産額がマイルドになります。

 

 ただ、これらはリターンが限定的で、株式に劣後するのは歴史が証明しています。実際に、5日間のチャートでみると債券ETFやGLDが優れているようにはみえますが、1か月チャートにするとDIAのほうがまだリターンが上です。

 

 昨今のような激しい値動きが落ち着かない、いやだというのならばこれらの株式とは違ったアセットクラスをポートフォリオに入れ込むのは精神衛生上良い、理にかなった投資ということになります。

 

 反面、この程度の上げ下げは気にならない、または安い時期に買った株式が多いので含み損には十分耐えられる、というのならばリターン重視で株式投資をしていけばよいことになります。

 

 株価の調整というのは慣れないとつらいものかもしれません。しかし、こういう滅多にない機会を通して自分が目指す投資の方向性を見つめなおしてみるのも株式投資の醍醐味の1つと言えるでしょう。

 

 リターンも大事ですが、自分の性格を踏まえた投資も同じぐらいに大事ですから、腹落ちする方法を自分なりに模索すると良いと思います。それは今後の投資人生において最も大事な資産になってくることでしょう。

 

 見方を変えれば、今は自分なりの投資方法を確立する千載一遇のチャンスと言えなくもないのです。

 

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