暴落相場の対処法
2018年に入り、相場が久々に下落しましたね。暴落と呼ぶにはいささか迫力がまだまだ足りないのですが金額的には大きいので、まあそういうことですね。今にして思えば仮想通貨の過熱感というのは行き過ぎた余剰資金の1つの行き先であり、不動産相場の高騰というのもそういうことなのでしょう。
※3か月チャートを見ると鋭角さが分かりますね。ただ、暴落というにはちょっと迫力不足ですね。
そして、私たち米国株投資家にとっても高値警戒感が広がっていた中での下落ということである程度、想定可能だったと言えます。今回の下落では、下落する直前に「そろそろ米国株は調整を意識して良い」という記事を書いたので、
「どうして分かったのですか。見抜き方を教えてください」
「次の下落のタイミングも記事にしてください」
というご連絡を頂いています。私がズバリタイミングよく書けたのは、「たまたま」です。こういうのはズバリ当てるのは無理です。強いて上げるならば、私も一応相場歴が20年近くありますので嗅覚的なものということになります。しかし、それは感覚的とも換言できることで、不確実なものです。
ですから、私たち普通の個人投資家にとっては常に下落を想定して行動するということぐらいしかできないことになります。
- よほど勝てる相場以外はレバレッジをきかせない
- 半値になっても良い銘柄を買う
こういうことになります。もちろん、ワイドモート企業を狙うとか、ROEや営業利益率が何パーセントだとかそういう細かいことはありますが、それを抜きにしたシンプルなところではこういうことになります。
なぜレバレッジ系・仮想通貨・FXの成功談が多いのか
では、なぜネット界においてはレバレッジをきかせた成功談が多いのかということです。それは、レバレッジ商品のほうがアフィリエイトの広告料金が各段に良いからです。それは仮想通貨もそうで、仮想通貨のアフィリエイト広告料は他業種の比ではありません。
インデックス投資やら米国株やらというのは広告料は本当に知れていますから、好きな人が実績を書いているのが殆どです。好きじゃないとやれません。
レバレッジ系や仮想通貨は本当に可能性を信じている良い人も多いですが、反面完全に広告料目的で記事を書いている人もいます。実際には投資をしていなくて、記事だけアップしているような人もいます。
一方で重い病気の対処やなけなしのお金の投資方法などをネットで検索して実行する人もいます。ネットの情報というのはある程度お金と関連しますから、何でも鵜呑みにしてはいけないのです。今回の仮想通貨騒動はそのことを教えてくれたようにも思います。
失敗談のほうが多い業界なのに、成功談のほうが多く見える。これは、そういうネット業界におけるお金の動きが関係します。
重い病気の対処はやはり信頼できる主治医に相談して自分で決断すべきで、なけなしのお金の運用は書籍やネットなどにあたって最終的には自分で考えなくてはいけません。偏った意見を疑うリテラシーを身に着けることです。
投資は自己責任と言いますが、せめて弊ブログの読者さんには知っておいていただきたいと思うのです。もちろん、これらのやんちゃな投資先の値が回復することもあるでしょうが、買い煽りに乗って、全財産をつぎ込んだりするにはどれも不確実性が高すぎる対象です。
さて、ご質問を紹介します。今回は時事的ということで優先的に取り上げました。
暴落相場なので全て売ってしまいたい衝動にかられます。
たぱぞう様初めまして。いつもブログで勉強させて頂いています。
今回の米国株の下落で株を売ろうか悩んでいます。
たぱぞう様のご意見もお聞きしたく、ご質問いたしました。
昨年から米国株の投資を始めました。
現在はNISA口座にて
VT 100株
VTI 70株
VYM 40株
一般口座にて
PFF 200株
を所有しています。
ちなみに値上がりを想定して今年のNISA口座枠は1月にすべて投入してしまいました。(時期分散投資の大切さを身に染みて反省している真っ最中でございます。。)
昨週末から株が下がり始めて、さらに調整は進むのではないかと感じています。NISA口座の株はロールオーバーを含めて10年は売却しないでいようと思っていたのですが、今回調整が入る前に売却をして、とりえあず今の利益だけでも確定させた方がよいのではないか?とも思いだしてきました。
ご参考までにたぱぞう様のお考えを聞かせていただければありがたく思います。ちなみに当方は43歳で、投資は余剰資金でしています。
株を初めて2年目で、初めての大きな下落に心がブルブル震えています。どうぞよろしくお願いいたします。
暴落と言えども買っている銘柄に変な銘柄がないので・・・
私だったら売らないですね。理由は、どれも半値になっても自信の持てる銘柄だからです。暴落時に慌てて売るのはだいたい上手くいきません。上手い人はこういう時こそうねり取りをするわけですが、普通の人は淡々とつみたてれば良いのです。
もしかしたら、NYダウが22000ドルで反発するかもしれません。もしかしたら、20000ドルを割るかもしれません。大事なのは、「半値になっても買える銘柄を買う」ということです。
PFFは多少クセがありますが、それ以外は普通の良いETFですね。
時間分散が大事だというのは、運用額が大きくなる前に体験的に知ることができて良かったとさえ思います。上昇相場しか知らないと、時間分散、対象の分散を軽く見がちです。
いくら計算しても運用するのは私たち人間です。人には「心理」があります。下落相場になるとこの心理が正常な判断を誤らせます。いや、上昇相場もそうですね。結局、時間の分散、対象の分散、あるいは連続増配株の配当というのは正常な心理を保つための手段と言えなくもありません。
過去や未来をいくら計算しても、実際の極端な相場に接すると平静を保つことが難しくなるのです。ですから、自らのアセットクラスはある程度確実性の高いアセットを組み込むと楽になります。ただし、リターンは落ちます。どちらを取るかということです。
今回の相場の荒れというのは、多くの真実を示唆してくれたように思います。
関連記事です。
投資初心者はどのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。それを記事にしました。
長期で見ると米国株の強さが分かると思います。
それぞれのリスクヘッジが興味深いところです。