暴落も暴騰もほとんどないのが普通の相場
投資慣れしている人は情報ともうまく付き合うことができますね。自分の判断が揺らぐことはありません。もしくは、信頼できる投資に詳しい人と関係を築いています。迷った時には聞けばよい、そういう環境は安心感を生みます。
逆に、投資慣れしていない人は常に不安で方針がぶれます。情報の取り方も慣れていません。YouTubeを含むSNSは情報発信のプロが少なくありません。しかしイコールで投資のプロというわけではありません。
情報発信に長けていても、投資の知識経験はさほどでもない、そのようなケースは少なくありません。投資が得意な人にとっては、もっとも短時間で効率的にお金を稼ぐ方法は投資です。そのため、SNSに関わる時間が限られます。
今回は、間違った情報に乗せられてしまった、という投資初心者さんからのご質問です。
暴落の情報が気になり、機会損失を招きました
たぱぞう様
はじめまして、Mと申します。
私(54歳)、主人(53歳)、子なし
長期、分散、積み立てをしたくても、もう時間がない夫婦です。
遅いとわかっていながらも、自己責任でいろいろトライ中です。
お時間あるときにアドバイスいただけたら幸いです。
「NISAについて」
NISAの非課税枠が1800万円、夫婦合わせて3600万円ありますが、余剰金がギリギリ1800万円しかありません。
①主人が最短5年で埋め切ったほうがいいのか?
②夫婦で900万円ずつ、とにかく早期から始めたほうがいいのか?
③夫婦で始めて、900万円入れきったところで、マイナスでなければ私分を売って、主人に入れていき1800万円を埋めたほうがいいのか?
たぱぞう様はどう思われますか?
「暴落説について」
2022年12月からNISAをはじめました。1人月20万円ずつ(主:S&P500、私:楽天VTI)積立てし、たまたま時がよかったこともあり、2024年1月段階で、夫婦合わせてプラス80万円(特定口座税引後)くらいになりました。
今年の暴落説を信じて、1月に利確してしまいました。そのままにしていたらもっと育っていたと思いますし、11月の段階で思ったほどの暴落もなく。
新NISAからは主人は月30万円、私は月10万円積み立てしてます。
予定では大暴落した時に240万円を一括入れようと思っていたのですが、このままですと流してしまいそうで、残り2ヶ月で分散していれてしまおうか迷ってます。
金融知識があまりないのですが、大暴落の判断はPER13倍というのを聞いて、その時に入れようと思っていますが、たぱぞう様はどう思われますか?
PERの調べかたは、米国版yahoo financeを活用→ 検索バーに「VOO」を入力→ PE Ratio(TTM)を確認で大丈夫でしょうか?
「住宅ローンについて」
中古マンションを2280万円で購入しました。(政令市地下鉄沿線)
第一地銀で30年ローン、10年固定金利(1.05%)でくみました。
当初は10年後、がんばって繰り上げ返済しようと思って組んだのですが、今は、無理して繰り上げ返済せず払っていったほうがいいのでは?と思ってます。(NISAを利確せずに、できるだけ寝かせたいというのもあり。)
ただ、10年後は、変動にするか固定にするかで悩むと思います。その時の状況にもよると思いますが、何かアドバイスがあればいただきたいです。
「老後について」
主人が60歳になったら、雇用の延長はせずに、後はゆっくりのんびりしたいと考えてます。私たちは、もらえる額が減っても、60歳から年金をもらいたいと考えてます。
たぱぞう様はどう思われますか?
「願望」
①60歳以降はゆっくりのんびりしたい
②今の家をリフォームしたい
③リフォームしている間、夫婦で日本旅行に行きたい
わがままな願望を実現させるために、何かアドバイスがあればいただきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
暴落暴騰の情報は殆どあてにならず、害悪でさえある
暴落が来るかどうかは不確実です。YouTubeなどで暴落云々がよく言われるのは、視聴が伸びるためです。投資に不慣れな人は不安と隣り合わせです。
そういう人は、バッドシナリオが気になり暴落動画を見たくなるのです。しかし、滅多に来ない暴落を予測するのは非効率です。確実なのは、月々の投資額です。投資額を決めてコツコツ入金されると良いです。
乗せられて売ってしまったならば、その時の誰の言説に基づいたのかを記憶しておくことです。そして、その人の言説から距離を置くと良いでしょう。
早く投資枠を埋めることは良いことです。しかし、それで生活を圧迫するようだと面白くありません。投資枠ありきの投資ではなく、投資可能額ありきの投資をされると良いです。今の暮らしでいくら投資するのが無理が無いのか、という目線です。
世の中は煽りの構造があります。いくら儲かったとか、貯蓄額いくらじゃないと老後が不安とか、そういう情報の殆どは不要です。自分たちの生活に何ら寄与も影響もしないからです。
とにかく、今の生活でいくら投資ができるのか。自分たちの生活に向き合い投資額を決めると良いですよ。
また、今は投資信託で良い商品が多くあります。不安になったり、人に聞いて投資判断をされる方は個別株は避けたほうが良いです。ひとまず、S&P500連動の投資信託を積み立てされると良いでしょう。
住宅ローン繰り上げ返済をする必要はありません。借りるのは難しく、繰り上げはたやすいからです。通貨は減価しますから、低金利で長く借りるのが王道です。
老後と年金ですが、年金を早めにもらうことはよいことです。理由は、寿命も不確実だからです。老後の生活は確実性の高いことを積み重ねたほうが良いと考えます。
早めにもらうのはいわば確実性の高い利確です。いつまで生きるか分からないのに受け取りを遅らせる必要はなく、不確実性を増すだけです。
早めに受け取ることによる表面上の金額的な不利は、自分で運用すれば気にならなくなりますよ。
共に頑張りましょうね。
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