比較的値動きの読みやすい債券ETF
株式投資は不確実性が高く、だからこそ儲けのチャンスもあります。特に個別株はそうで、プロ筋でもまったく損をしたことが無い人はいません。だからこそ、一銘柄集中投資をする人が多くないのですね。特に資産が大きい人ほどリスクヘッジで分散をします。
一方、S&P500のような成熟した指数は比較的シンプルな値動きをします。指数だけの運用であれば、やり方にもよりますが損失の可能性はそれなりに少なくすることができます。要は、マーケットが過熱しているときに突っ込み過ぎなければよいのです。
そういう意味では、直近でいうと2017年ごろのトランプ政権下や金融緩和時の2021年のマーケットは過熱をしていました。そういったときに一括投資のようなリスクを取った投資をしないということです。
優れた指数はいずれ最高値をじっくりじっくり更新してきます。業績の向上と、自社株買いの実施が1株当たりの価値を向上させるからです。指数への投資が簡単なのは、そういうことです。
とはいえ、今年のマーケットは厳しいですね。このような時こそ損益通算で上手に節税をしていきたいところですね。今回はその損益通算に関してご質問を頂戴しています。
BND、AGGといった債券ETFでの損益通算を考えています
はじめまして。
いつも通勤時間に楽しく勉強させていただいております。損益通算についても大変勉強になりました。損益通算について、教えていただけますでしょうか。
初めに自己紹介ですが、36歳女性、既婚、子供2人、大学職員(2021年度に復職したばかり)の者です。
コロナ禍で、主人が資産運用に興味を持ち始めたことをきっかけに、教えてもらいながら取り組んでおります。
- iDeCo:先進国株式インデックス
- 一般NISA:主にSBI・V・S&P 500インデックスファンド
- ジュニアNISA(2人分):SBI・V・S&P 500インデックスファンドに加え、特定口座で一生保有するつもりでETFの定期買い付けを行っております
- 全米株式:VTI、VYM
- 米国債券:BND、AGG
上記を今のところ保有しており、今VTIの買い付け額を増やしている状況です。
米国債券のところを見られて、「?」と思われたかもしれないのですが、最初はBNDを買い付けており、この4月よりAGGに変更しました。というのも、SBI証券でAGGが買い付け手数料無料が始まったためです。
専業主婦期間が数年あったためか、手数料の差や、外国税額控除など、リスクなく少しでも得することはしないと気が済まないタイプです。
何となく、BNDとAGGが両方並んでるのが気持ち悪かったものの、「実質ほぼ同じだから・・」と無視していたのですが、本日の損益通算の記事を読み、これがむしろ役立てられるのではないかと思いました。
いいところでBNDを売却し、その分AGGを買い付ける、BNDの売却による損益を、VTI、VYMの配当に対し通算する、ということです。
そこで、疑問が生じました。自分の場合、現在よりも円高(平均108円/ドル)の時にドルに換え、それでチマチマをETFの買い付けを行っている状況ですが、今BNDを売却した場合、損益はドルベースの計算されるのでしょうか?
実際、取得単価は安くなっておりますが、為替の関係で、円換算した場合トントンぐらいです。ご多忙中大変恐縮ですが、ご教示いただけると幸いです。
3月頃の記事でしょうか、「自分以後」の記事に感銘を受け、将来資産運用についての知識も子供たちに受け継いでいきたいと考えております。何度も読み返しております。
何卒よろしくお願い申し上げます。
損益通算の計算は円ベースでする
損益通算の計算は、円ベースです。理由は、納税先が日本だからです。そのため、地味な債券系の投資でも円で利益が大きめに出る可能性はありますね。もちろん、逆のケースもあります。
トントンということでしたら、ドルベース目線での損益通算は知れたものになりますが、問題は為替ですね。
いずれにしても、ドルベース、円ベース、為替を加味した目線で自分のアセット、マーケット概況を掴んでおくことは悪くないですね。
長中短期米国債を組み合わせた総合債券ETFのような商品は運用上のリターンは限られます。半面、金利政策により上下動をしますから、米国国債を投資対象としたAGGやBNDのような商品は値動きが比較的読みやすいです。
やや話はズレますが中長期の値動きを見極め、1割程度のうねりを取っていくという地味ですが確実性の高い投資をしている人もいますね。
もしトントンになるならば、より納得のいくアセットに持ちかえるというのは手でしょう。お考えのやり方に間違いはありませんから、いろいろ試されると良いですね。
関連記事です。
そろそろ意識したい、損益通算です。
今年はハイグロ受難の年になっています。
住宅ローンの目的に立ち返るとこのようなことになります。