たぱぞうの米国株投資

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投資信託、おすすめの買い方

投資信託は使い方次第で有効な投資になる

 私は基本は投資信託よりETFのほうが優れていると思っています。そのため、投資信託は買っていません。

  1. ETFのほうが経費(信託報酬)が安い
  2. 同じベンチマークなら運用額の大きい海外ETFを直接買い付けたい
  3. 相場の状況を考慮した買い付けをしたい。

 こういう理由からです。

 

 ただ、日本で海外株を買うとなると投資信託の存在感は大きいと思います。海外ETFの種類がまだまだ少ないからです。また、月々定額の積立投資をしたい方にとっては、投信を選ぶのは妥当性があります。

 

 一つ買えば先進国債券・株式、途上国債券・株式、が組み込まれるような、バランスファンドと呼ばれる投資信託も金融商品として独自性があります。ただし、そのぶん信託報酬は高めになっています。

 

 このように、金融商品とは個人の必要性や利便性で最適解が変わります。そのため一概に最適解を示すのは乱暴と言えます。しかし、最適解を示さないと記事としての魅力がありません。私が最適解を示すようにしているのはそういうことです。

 

 さて、今回もご質問を頂きましたので、まとめてみます。以下ご質問です。いつもありがとうございます。

 

 お世話になっております。読者の一人でKHと申します。毎朝通勤中にたぱぞう様の記事を楽しみに読ませていただいています。

 

 米国株の投資にとどまらず、日本の現状についてもご紹介いただいて、毎度自分の身を守るために勉強をしないといけないなあと身が引き締まる思いです。今回ご連絡させていただきましたのは、たぱぞう様のご意見を伺いたいと思ったからです。

 

 私も少額ながらシーゲル教授の考えにならい、米国の大型の高配当株を中心に投資をしています。ただ、投資に回せる金額が多くなく、手数料負けしてしまいそうなので、個別株をドルコスト的に買うことが難しいです。

 

 何かいい投資信託がないか探していたところ、昨年末ごろから「Funds-iフォーカス米国株式配当貴族」などS&P 500配当貴族指数に連動する投資信託が何本か発売されました。

 

 私個人としては有力な投資対象だと考えていますが、たぱぞう様から見て上記の投資信託はいかがでしょうか。率直なご意見をいただけると幸いです。お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。

 

 ここまでです。一般的な投信の買い方と、この投信についての考えを書きます。

投資信託について調べる手順と内容

 まず、投信を買いたいと思ったら、どの指数との連動を目指しているのかをネットで調べます。この場合、S&P 500配当貴族指数、英語名で

 

S&P 500 DIVIDEND ARISTOCRATS

 

 という名称であることが分かります。

 

 次に、該当指数でETFが出ていないかを調べます。なぜかというとETFのほうが信託報酬、つまり経費の面で安いからです。「指数名 ETF」で検索をかけます。この場合は下記のようになります。「」は見やすさのためにつけていますので、実際には不要です。

 

 「S&P 500 DIVIDEND ARISTOCRATS ETF」

 

 すると、ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETFというETFがあることが分かります。バンガードやブラックロック、スパイダーといった日本でもよく知られた運用会社からは出ていないことが同時に分かります。

 

 次に、ティッカー、経費率、分配金利回り、国内取扱証券会社を調べます。

  • ティッカー NOBL
  • 経費率   0.35%
  • 分配金利回り3.00%

 国内取扱証券会社は今のところ「ない」ということが分かります。ここで1つ投信の優位性が出ます。現状でETF、NOBLが買えないからです。IB証券など海外資本の証券会社ならば買えますが、口座を持っていないならば現実的ではありません。

 

 そこで、S&P 500配当貴族指数連動の商品が買いたいならば、ETFという選択は消えます。

 

 利回りはVYMの2017年3月時点での利回りが2.74%ですから、それと比べても良いということが言えそうです。VYMとの利回り差、およそ0.25%は信託報酬の比較で検討に値する数値です。ただし、利回りは変動しますので、絶対視はできません。

 

 次に、NOBLのチャートを調べます。設定日が浅いので、比較できる期間が短いです。長期投資を念頭に置くならば、長期のチャートで比較すべきです。

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※画像はグーグルファイナンスから

 

 まず比較したいのは、配当を焦点にしたETFですので、VYMやHDVです。VIGを入れても良いでしょう。すると、宣伝文句通りになかなかの高パフォーマンスであることが分かります。

 

 最もパフォーマンスに優れるのはVOOですが、そのぶん分配金が低めであることは考慮に入れたいところです。これらを頭に入れて、Funds-iフォーカス米国株式配当貴族そのものに立ち返って比較します。

投資信託で最も気になるのは信託報酬、運用額

 設定日が浅いので、投信のチャートは参考程度です。

  • 信託報酬 0.54%
  • 運用額  1.5億

 というデータが出ます。信託報酬、経費率の差はETFと比べると0.2%程度ということになります。

 

 ここで私なら見送りという結論が出ます。VTI、VOO、VYMといった米国ETF群に比べての明らかな優位性が感じられないからです。また、運用額の極端な小ささも気になります。

 

 ただし、ベンチマークにしている指数は魅力ですので、今後値動きを追ってみるのは面白いかもしれません。

 S&P 500配当貴族指数とは、S&P Dow Jones Indices LLC が開発し算出している米国の株価指数です。当該指数は、S&P 500指数の構成銘柄のうち25年以上連続で増配している銘柄を対象とし、均等加重により算出されます。

 

 年次見直し時の構成銘柄数は最低40銘柄とし、25年以上連続で増配している銘柄が40銘柄を下回る場合は、20年以上連続で増配している銘柄を配当利回りの高い順に40銘柄になるまで追加します。40銘柄に満たない場合は、配当利回りの高い順に40銘柄になるまで追加します。

野村インデックスファンド 愛称:Funds-i(ファンズアイ)

  個人的にはこういう考え方は好きです。

 

 KHさんの場合は手数料負けを懸念されています。今、国内ネット証券の外国株買付最低手数料は5ドルになっています。5ドルならば、より安定的で経費率の低い商品を1年に数回買うというのが理想のように思います。

 

 具体的な運用金額が分からないため想像でしかありませんが、ボーナスを投資に回すとまた違ってくるのではないでしょうか。

 

 年に数回買う、というのは私は理にかなっていると思います。リーマンショック以後、相場は右肩上がりです。しかし、1年で見ると必ず買場が訪れています。相場に親しんで20年近くになりますが、買場のない年に遭遇したことがありません。

 

 手数料5ドル。ラーメン一杯の差をどう考えるかというところですね。ただ、あくまでドルコスト平均法で買うということでしたら、投信という選択になります。

投資信託のおすすめの買い方、まとめ

  1. 信託報酬が高いものは避ける。
  2. ETFで代替できるならETFを買う。
  3. バランスファンドを求めるならば投資信託
  4. 積立投資にこだわるならば投資信託

 こういうことになります。ETFを組み合わせて自分でバランスファンドを組成するということも可能ですが、手間がかかりますね。同じように自分で積み立て投資をするということもできますが、手間と手数料がかかります。

 

 ただ、それを補う商品の安心感、安定感が米国ETFにはあると思っています。

 

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