投資リスク高まる相場だが・・・
投資にはリスクがつきものです。ここで言うリスクとはネガティブなものです。つまり、「元本割れ」という言葉に尽きます。100万円投資して、それが例えば50万円になってしまえば、50%減の元本割れということですから、心中穏やかではありません。
もともと投資というのは「殖やす」ということを目標にして始められるものです。ある程度大きく増やそうと思えばリスクがそれなりに大きくなり、ディフェンシブに小さく増やそうとすればリスクも小さくなるのが一般的です。
そういう意味ではリスクとはある程度コントロール可能なものです。一般に株式はリスクがそれなりに大きいものとして認識されており、債券はリスクが小さいものとして認識されています。
ですから、運用額が大きくなってくると必然的に債券投資も視野に入れるということになります。しかし、昨今は債券も大変値動きが大きくなっているのが少々悩ましいところですね。
運用額はキャッシュフローともかかわってきます。キャッシュフローが大きければ、そこから損失をカバーできますからリスクを大きめにとっても良いということです。
このキャッシュフローというのは今の手取りだけを意味するものではありません。キャッシュフローの永続性も見ます。つまり、サラリーマンであれば、年齢が若いほど永続性があり、年齢が高いほど永続性に乏しいということになります。
もう少し分かりやすい言い方をすると、定年までの残年数が左右するということです。だから、若い人は株式の比重を高め、高齢者は債券・金などディフェンシブなものへの分散投資をするということに妥当性を見出すことができるのです。
私はセミリタイアをしましたから、ちょっと前ならば民泊、現在は太陽光、不動産、債券とあらゆるアセットへの分散をしています。結果的には、このボラタイルな相場でもダメージは最低限に抑えられています。「株だけにしないポートフォリオ」の大切さを実感している次第です。
さて、今回は大学生からこの投資リスク管理についてご質問を頂いています。
投資リスクをどうとらえていくかということ
たぱぞうさん、こんにちは
日々ブログを拝見し、勉強させて頂いております。
今回、初めて質問をさせて頂きます。
早速なのですが、質問は以下です。
「リスクとどのように付き合っていくか」ということです。
現状私は大学生(来年から社会人)ですので、暫くは米株(来年から積立NISAでVTI、直近はBRKかVYM)を保有していこうと思い、バイトに明け暮れています。
ドルコストに従って行うので最近の動向は気にしないつもりですが、問題は、「いつまで続けるか」ということです。
ETFは分散されているとは言え、やはり株式の影響は大きいでしょうし、資産が大きくなるにつれ、損失や利益に精神が耐えきれるかが心配です(実現してもないのに心配するのも変ですが)。
私にとって利益だろうと損失だろうと100万円でも精神は大きく揺らぎます。
そこでたぱぞうさんは「保有資産に対してどのような心持で付き合っているのか」ということを参考までに教えて頂けたらと思います。長くなりましたが、宜しくお願い致します。
投資リスクの基礎基本
投資における増えるというのはある意味では減るというのと表裏一体です。相場が崩れるときは、ほとんど全て崩れます。株・債券・金・不動産、ほとんど全てです。債券と金がこの頃は好調ですが、これはやはり金融緩和が効いているからで、市場のお金は潤沢です。信用収縮が起きれば、真のリセッション、全面安となります。
しかし、暴落を恐れて全く投資をしないと殖やす機会を失います。これがすなわち、リスクを取らないリスクというわけです。ですから、その一歩を踏み出す勇気が必要になります。そこで、自分の適性を見極めておく必要があります。
投資リスクの前に、ギャンブラーか投資家か
まず、自分がギャンブラーか投資家か見極めるということです。ギャンブラーは値上がり、値下がりの激しい波を巧みに乗り越え、潮目を見るに敏です。短期間で多くの富を得るタイプはこのタイプです。
一方、投資家というのは適正な投資先を見極め、将来上がる確率の高い投資対象に投資をするという性質を持ちます。
この2つの要素は二律背反というわけではなく、あわせもっている人がほとんどで、ただその比率が違うというだけです。ですから、ここでは「これは投機だからダメ、これは投資だから良い」という話ではないですね。
私の場合は残念ながらさんざん逆張りをした結果、投機家にはなれないという結論を出しています。そのため、減配の危険性は孕みつつも必要最低限の配当金が得られる、つまりインカムが得られるようなポートフォリオの組み方をしています。
ただし、年に1,2回はほとんど確信をもって1日~1か月程度の短期投資をすることがあります。最近で言えば2018年末の下げ相場、2020年のコロナショックがそうですね。
長期投資と言えどもリスクがないわけではありません。幾多の減配株の例を見るまでもなく、米国企業でも成長性に疑義が付けば毎年増配をすることが難しくなります。しかし、その危険性は日本株のそれとは比べ物にならないでしょう。米国企業のほうが減配に対して緊張感があります。
これは、株主の権利が法律で守られているからです。それらの集合体である、優良企業の長期のETFならば殆ど盤石と言ってよい安定性があります。
世の中には数々の投資があります。自分が何を信じ、何に根拠を求めるのか。それによって投資対象が変わってきます。若くて種銭を増やしたいならば、危険な集中投資をせざるを得ないときもあるのでしょう。私も昔はそういう無茶をしていました。
近年最大のリスクはリーマンショック、それからコロナショックでした。今現在成功している多くの投資家がこれらのリセッション時に買い向かったことを考えれば、リスクと向き合う勇者は多くの果実を手にしていると言えるでしょう。「逆境また愛すべし」ということです。
投資先に不安を覚えるなら、時間をかけてじっくり研究をする、そして腹落ちして初めて投資という具体的な行動に移ればよいですね。臆病であることは決して悪いことではありません。その細心さが成功への第一歩ということです。
私もまだまだ歩みを続ける立場です。共に頑張りましょうね。
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リスクリターンのバランスは非常に大事ですね。過度にリスクを取ると、生活の安定が脅かされかねない、そんな相場になっています。
投資額が小さいうちは、リスクを積極的に取っていくことが可能です。
昨今使い勝手が向上した円建てETFの話です。