投資は「たられば」の連続で、誘惑とどう付き合うか
投資は「たられば」の連続ですね。
- ああ、あの銘柄に注目していたのに上がってしまった
- 下がる前に売っておけばよかった
- この底で買っていれば、今頃資産は〇倍だった
- 全力集中で〇〇を買っておけばよかった
このような「たられば」です。だんだんと慣れてくると、「頭と尻尾はくれてやれ」という心境になり、そこそこの成績でもよいか、となります。要は、大きく負けないというところに比重が置かれるようになるわけですね。
今でこそ私も達観したようなことを言っていますが、資産が少ないころはそれなりに勝負をかけていましたね。時期の集中、銘柄の集中、一括投資、これらを繰り返していたわけです。
振り返ると、ただ単に運が良かっただけのことがいくつもありますね。それを乗り切ったのは、度胸と思い込みだけですね。
やはり人にお勧めするのは、無茶をしない投資です。こういった「たられば」の魅力に取りつかれ、大失敗をする人は少なくないのです。大勝負に出て、生き残った人だけが成功した投資家としてメディアに露出します。もちろん実力も必要ですが、運も同時に大事ですね。
そのため、ブログのように万人に投資をお勧めするときには、「たられば」を極力排除した内容になります。投資というのは未来の可能性を買う行為ですから、そもそも不確実性が高いのです。それを極力排除してお勧めするということになります。
しかし、私がお勧めする米国株インデックス投資でさえ、一国集中投資、リスクが高いとする考えもありますね。投資というのは、それほどに不確実性が高い、人によってリスク許容度が変わるというわけです。
さて、今回は手元の800万円を15年後に5000万円にするには、ということでご質問を頂戴しています。
手元の800万円を、5000万円にするにはどうすればよいか
たぱぞう様
いつもブログ拝見させていただいております。突然の匿名質問で失礼します。投資に関して非常に知識豊富なたぱぞう様へ意見を伺いたいと思い質問させて頂いてます。
私は38歳独身、年収350万、持ち家なし、ひと月の生活費15万の会社員女性です。手持ちの資産は日本株が100万と投資信託を100万と生活防衛費としての日本円です。
積立Nisaで年間40万、企業型DCで年間8.4万(会社の拠出額が月3500で自分が拠出できるのは会社と同額がMAXの為、現状はこの金額が限界です)を今のところ行っておりこちらは当面続ける予定です。満額でもやや少ないかもしれないですがこちらは2つとも老後資金に充てることとします。
将来的に結婚するのかしないのか、家を買うのか買わないのかわからない状態です。なので、とりあえず今の延長線上の生活が続くと想定しての質問にさせて下さい。
最終的に50歳~60歳の間までに不労所得が生活費を上回ることを目標にしたいです。その為に50歳~55歳くらいまでに最低でも5000万の資金を作る必要があります。投資対象としてはアメリカETFで日本株は基本なしと考えています。
今の時点で投資に回せる資金としては800万円が限界です。あと15年くらいで今の手元資金を5000万迄増やすとなるとキャピタルを狙うしかないのですが、VOOとQQQを7:3くらいの割合で買うべきかVOOのみで行くか悩んでいます。
どちらもインカムはかなり低いですが、経費率と利回りを比較するとVOO1本で分配金を再投資すれば大して変わらないのかな?とも思ってしまいます。個別の方がキャピタルを狙えるのはわかっているのですが、年齢的にリスクを負えないのとそこまで詳しくないので難しいかなと。
たぱぞうさんがもしも手元に800万しかなくて15年で6倍以上に増やすことを目標とする場合は何を買いますか?
あと購入する場合SBI証券を考えているのですが、SBIのカストックで米株を貸株して得た利益は日本株との損益通算ができるのか。米株の貸株の利益は外国株の税金控除の確定申告はできるのでしょうか。
「たられば」投資に過度の期待を寄せることとリスクのバランス
800万円を15年で5000万円にすることは簡単ではないですね。年率で12.5%で運用する必要があります。
つみたてNISAと企業型確定拠出年金で年間およそ50万円を加えても、おおよそ10%で運用する必要がありますね。「もし、毎年10%以上の運用益を実現することができ『たら』」ということになります。
VOOなどは過去10年で年率10%以上、およそ4倍になっています。しかし、これが今後15年続くかというと、さすがに難しいでしょうね。
さて、ここで迷うわけです。リスクをとって5000万円をめざすか。セーフティに月々の入金額を目標として淡々と積み立てを続けるか。私はリスクをとって、おやんちゃな投資も繰り返してきましたが、やはりブログでは後者をお勧めしますね。
VOO+QQQのバランスは良いですね。持続可能な投資術ですよ。退場せず、続けて長く無理せず働くというのが、手堅い誰にでもできる投資術ですね。
ちなみにカストック、貸株の金利は雑所得になります。そのため、損益通算ができません。
ご質問ありがとうございました。無理せず淡々と続けていくということ、雨垂れ石を穿つということで、ともにがんばりましょうね。
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