投資のおすすめは千差万別、目標次第ということ
投資の目的や目標に応じて、適した金融商品や投資手法は異なります。何を達成したいのかによって、リスクの取り方や投資期間、投資対象が変わるためです。
例示をしてみましょう。
具体的な例:
資産の成長を目指す場合:
選ぶ商品: 株式、海外市場の投資信託、成長企業への投資など。
理由: 高いリターンを期待できますが、その分リスクも高い商品になります。
安定的な収入を得たい場合:
選ぶ商品: 債券、配当を出す成熟企業の株式、保守的な不動産投資信託(REIT)など。
理由: 定期的な収入や配当を得られる商品が適しています。ただし、リートは商品差が激しいです。
リスクを最小限に抑えたい場合:
選ぶ商品: 預金、居住国の国債、短期の債券ファンドなど。
理由: 元本の安全性が高く、リスクが低い商品が適しています。
短期的な利益を狙う場合:
選ぶ商品: デイトレード、FX、先物取引、レバレッジなど。
理由: 市場の短期的な価格変動を利用して利益を狙う商品が適しています。ただし、一般的には再現性に課題があります。短期なので投機的な側面が強くなりますね。
まず、自分が何を達成したいのか(資産形成、収入確保、リスク回避など)を明確にすることが大切ですね。その上で、自分がどれだけのリスクを許容できるかを理解しておくと良いでしょう。
最後に、目的とリスク許容度に合った金融商品や投資戦略を選択することになります。リーマンショック以後はマーケットが強いこともあり、個人投資家のリスク許容度もかなり上がっていますね。私もそうです。
さて、こうしたことを踏まえて資産5億円からのポートフォリオに関してのご質問を紹介します。
投資で資産が増えたが、どのような投資を目標とするか今一度考えたい
あまり良いポートフォリオではなかったかもしれませんが、少しずつ資産が増えて5億円に到達しました。
現在59歳で、別に、アーリーリタイヤをする気もなく、ダラダラと70歳位まで仕事をしていくと思います。それなりの資産があるので、ハイリスクの商品も抱えることができます。仕事からの収入もぼちぼちありますが、それは全く無視して考えてください。
米国ETFで、かなりの高配当を出してくるものが以前から話題になっています。もちろんうまい話には裏があって、高配当でも、不景気になれば配当が減ったり、将来的には基準価格がかなり減ってしまって、資産価値としては下がってしまうものもあると勉強しています。
(昔、初心者だった頃、高配当に目がくらんでZMLPに2億円も投資してしまい、ひどくマイナスになっても、「一生涯売らなければいつの日か戻ってくるだろう…」と油断していたら、繰り上げ償還となってしまい、1億円弱の損を被った痛い経験があります。それを取り戻すのに3年かかりました…笑)
ただ、そういったハイリスクの高配当ETFでポートフォリオを組んで、10年とか配当金再投資をすれば、将来的にはプラスに転じることができるのではないかと思うのですが、甘いでしょうか?
具体的には、50,000,000円ずつJEPI, JEPQ, QYLD, RYLD, SDIV, YYY, SRET, SJNK, PFF, VWOBでポートフォリオを組んで、毎月の配当金で、VTIの1点買いを10年間続けていく…と言うのは笑われてしまうでしょうか?
(これら10のETFは、ZMLPと違って、繰り上げ償還にはならないと思っているのですが…。ただものによっては、基準価格が下がって半値位になってしまうリスクはあるのかもしれませんが…)
VTIだけでまずいのであれば、VWO, VEA, VCLTを含めた4つに分割して、それぞれを4分の1ずつ10年間買い続けていくと言うのはどうでしょうか?
最終的にはプラスにならないかと思うのですが…ベースに5億円あるので、それが2倍になることなど期待せず、10年後にもトータルの資産価値5億円が減っていなければ、その時点でも配当金は吐き出し続けているでしょうから、それならそれで良いのではないかと思ったりもするのですが…
様々な人がネットでいろいろポートフォリオを組んで、真剣に討論しているのを見ると、私のような馬鹿げたポートフォリオを組むようなものは、まずいないと思うので、こっそりとご相談させていただきました。
もちろんこの通りにしようとは必ずしも思っていません。「悪い事は言わないから、やめときなさいよ」と言われればあっさりやめるような気がします。似たような考え方で追加の質問なんですが、5億円全てを、超短期国債であるSHVやJPSTとしても、毎月5%は配当金が支払われてきます。
これを全てVTI積み立て購入としていくのはどうでしょうか? 10年後には少しは増えていると思うのですが…もちろんこれからアメリカの利下げが始まりますので、5%が3%位までは減っていくかもしれませんが、別の見方をすれば3%でも維持されれば、10年間で税込み1.5億円は増えるので、そういう考え方もありでしょうか?
ただ10年後に1ドル80円になっていれば、為替差損でひどい目に合うかもしれませんけど…笑
ただ、円での価値が下がりまくっても、私が生きているうちは円転化しないと思うんです。私が死んで相続されるときに初めて資産価値の計算の際に円で計算されるだけだと思います。
超短期国債1点買いの戦略を取った場合、次世代も円転化しないでSHVのまま持ち続けると思いますが…このような邪道な質問はあまり来ないと思うので、大変申し訳ないのですが、結構真剣に考えていたりするので、アドバイスをいただけたらと思います。よろしくお願いします。
投資の目標により買う商品、リスクリターンは変わってくる
投資の狙いをどこに置くか、ですね。確実性を高めるのであれば、インデックスをコアにした投資を今から始めたほうがよいですね。
配当金狙いであれば、配当を再投資でもよいでしょう。ただし、リターンはインデックスに劣るのが一般的です。一般的、というのは不況になりそれが長く続くような状況だと、成長株の比率が高いインデックスよりも配当狙いの投資のほうが優れる可能性があるためです。
ただし、そのような時期は21世紀以後、つまりITバブル後はほとんどありません。
また、QYLDなど選んでいる商品におやんちゃなものがあります。すでにスケールが大きいので、敢えてレバレッジを利かせるような商品を選ぶ意味は薄いです。現物100%のシンプルな商品を選択されたほうが良いかもしれませんよ。これも、投資で何を狙うか次第です。
すでにドルでお持ちであれば、VTIをコアに据えるのはよいですね。ただし、外国税額控除は所得が無くなるとできなくなります。そのため、将来的なことを踏まえ、外国税額控除を個人でしなくて済む、円建ての投信なども検討されてよいでしょう。
金融資産からのリターンが大きく、何もしなくても資産が勝手に増えていくフェーズかと思います。投資は率と額ですが、額が大きい分、より安全により低リスクに投資をしていくのが基本方針となりますね。
共に頑張りましょうね。
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